神様のメモ帳(ラノベ・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『神様のメモ帳』とは杉井光によるライトノベル、およびそれを原作としたアニメ・漫画作品である。原作は『電撃文庫』で2007年1月から2014年9月まで刊行され、2011年4月にはTivが作画を担当した漫画版が発売された。また、同年7月にテレビアニメ化となり、全12話放送された。都心の繁華街などを舞台に主人公の藤島鳴海と、探偵のアリスこと紫苑時有子、2人をサポートするニートたちの活躍を描いている。ドラッグや暴力団が登場するなど、重いストーリーが特徴。略称は『神メモ』で、根強い人気を誇る作品である。

『神様のメモ帳』の概要

『神様のメモ帳』とは杉井光によるライトノベル、およびそれを原作としたアニメ・漫画作品である。原作は『電撃文庫』で2007年1月から2014年9月まで全9巻が刊行され、2011年4月にはTivが作画を担当した漫画版が発売された。2010年から2012年の期間、アスキーメディアワークス『血管コミック電撃大王』で連載された。漫画は全3巻。「このライトノベルがすごい!」作品部門では10位を獲得している。
テレビアニメは2011年7月から9月まで、AT-X・独立UHF局他などで全12話が放送された。
監督は桜美かつし、アニメーション制作はJ.C.STAFF。
通常は30分だが、初回のみ放送時間は60分、内容は原作者の杉井光が描き下ろした原案を基にした、オリジナルエピソードであった。

都心の繁華街などを舞台に主人公の藤島鳴海(ふじしまなるみ)と、探偵のアリスこと紫苑時有子(しおんじゆうこ)、2人をサポートするニートたちの活躍を描いている。作中に登場する殆どのキャラクターはニートと呼ばれる働いていない若者たち。ドラッグや暴力団などの重いストーリーや事件が描かれており、根強い人気を誇る作品である。略称は『神メモ』。

『神様のメモ帳』のあらすじ・ストーリー

鳴海と「ニート探偵団」との出会い

小さい頃から親の都合で転校を繰り返してきた普通の高校1年生、藤島鳴海(ふじしまなるみ)はまた新しい街へとやってきた。転入先の高校で知り合ったクラスメイト、篠崎彩夏(しのざきあやか)のアルバイト先「ラーメンはなまる」へ連れて行かれ、そこでテツこと一宮哲夫 (いちのみや てつお)、少佐こと向井均 (むかい ひとし)、ヒロこと桑原 宏明(くわはら ひろあき)の3人のニートと出会う。彼らは「ニート探偵団」を自称しており、ラーメン屋の入る雑居ビルの3階「NEET探偵事務所」を根城としている。そこで自らを「ニート探偵」と呼ぶパジャマ姿の少女、アリスこと紫苑時有子(しおんじゆうこ)と出会う。

NEET探偵事務所に依頼にやって来たタイ人の少女、メオ。依頼内容は消息不明となっている父親、草壁昌也(くさかべまさや)を見つけて欲しいというもので、カバンの中に2億円が入っていた。平坂組の力を借り父親捜しを開始するも、4代目こと雛村壮一郎から止められる。しかし「それでも助けたい」と鳴海は答えてしまう。
草壁の消息を調べるうちに、メオが持っていた2億円は草壁が持ち逃げした金で、それが原因で追われていると推測。そんな中、草壁の携帯に着信があった事で「ラーメンはなまる」にヤクザが押しかけてしまい、迷惑をかけることを恐れたメオは家を出ていってしまう。

「ラーメンはなまる」でラーメンをほとんど残して帰った客に対し自分への挑戦状だと考えた店主のミンさんこと黄明麗(ファンミンリー)は、鳴海と共にスープの改良を徹夜で行う。しかしその最中、ミンさんのさらしが盗まれてしまった。実はさらしを盗まれたのは4度目で、ニート達はアリスにストーカーという線で相談を持ち掛ける。

4代目と錬次の確執

鳴海はとあるインディーズバンドの広報を請け負う事を、4代目から頼まれた。元々別のヤクザが絡む仕事だったものの、平坂組の名に泥を塗るような事件が起こる。一方、鳴海は以前ライブハウスで知り合った平坂錬次(ひらさかれんじ)と名乗る、平坂組と縁のある男と再会していた。

鳴海は錬次との会話で境遇を知り、友達になるという事で見覚えのある盃の交わし方をした。しかしその事に加え、次の予定があるライブハウスへ行こうとする自分への忠告に、鳴海は何かを感じていた。途中仕事の電話が入りライブハウスに向かうが、そこは火事になっていたのだ。鳴海は呆然とし、4代目は全てを悟るのだった。

鳴海は4代目ととある女の過去について聞き出す。その女は4代目の盾になり死亡しており、そのことで錬次は4代目の事を恨み、ふたりは決裂してしまったらしい。どうにか仲を取り持とうとする鳴海だったが、4代目の積み上げてきたモノを全て壊すと切り捨てられてしまう。しかし会話の中で思う所があった鳴海は4代目に連絡し、その言葉を受けた4代目はアリスに依頼をする。

しかし、平坂組の事務所に残っていた4代目が何者かに襲われ、意識不明となってしまう。4代目がやられた事で暴走しそうになる平坂組を鳴海が宥め、事務所にあるパソコンの書きかけのメールから4代目の想いを知った鳴海は組を仕切る。錬次の目的である「平坂組の壊滅」を防いだ鳴海は、アリスと共にライブ最終日に向け準備を進める。

彩夏の飛び降りとエンジェル・フィックスの関係

野球ゲーム『パワレポ』にハマり、ゲーム屋に入り浸ってる鳴海たち。そのゲーム屋が顔見知りのヤクザ、ネモさんから立ち退きを迫られる。店の立ち退きを賭けて野球勝負をすることになったニート探偵団は、アリスが監督となり4代目やメオも集まって練習をする。チーム名を「ニートテディベアーズ」として試合を開始するも、ネモさんが甲子園出場校のエースピッチャーだった事が判明し啞然とする。「能天気に野球をしているヤツを見ると虫唾が走る」と語るネモさんには暗い過去があった。

彩夏の兄、篠崎俊夫(しのざきとしお)がGAMEにしむらに現れる。しかし、何やら様子がおかしく、具合も悪そうだった。そんな様子に彩夏は心配して声をかけるが、俊夫はきつく当たる。店を出て行った俊夫の事が気になり、鳴海たちは後を追った。すると彼から、奇妙な体験や彩夏の過去について語られる。その手には、何やら錠剤が握られていた。
時を同じくして4代目から、現在街に出回っている「エンジェル・フィックス」という薬物の調査依頼が舞い込む。

そんな中、彩夏が学校の屋上から飛び降りるという事件が起きた。彼女の意識が戻らないまま、2週間が過ぎてしまう。その間、鳴海は学校にもはなまるにも顔を出さず、彩夏が飛び降りをした事に対して、アリスに調査依頼をする。捜査が始まり学校の温室を調べると、そこでエンジェル・フィックスの原料を彩夏が気付かないまま栽培していた事を知り、ニート達は俊夫を捜索する。

彩夏の携帯電話が鳴り、事件の黒幕である墓見坂史郎(はかみざかしろう)から、「ピンクの羽を付けた者だけが、天国の扉にたどり着ける」と挑戦状を突きつけられた。鳴海はエンジェル・フィックス服用者は視覚感覚が過敏になる為、薬の売人を見つけられるという事に気付き、自らエンジェル・フィックスを服用する。しかし彼が見たのは天使の翼を生やした彩夏の姿だった。

『神様のメモ帳』の登場人物・キャラクター

主要人物

藤島鳴海 (ふじしま なるみ)

CV:松岡禎丞
本作品の主人公。M高の生徒であり、パソコン部と彩夏の誘いで園芸部を兼部している。容姿は平凡で、これといった特徴は無い。小さい頃から転校を繰り返していたのが理由で、彩夏と出会うまではあまり人と関わらないようにしてきた。独り言が非常に多い。
時折考えている事が口から漏れてしまう。彩夏との出会いをきっかけに周りの人々に対して徐々に心を開くようになる。
勉学はイマイチであるが追い込まれる状況になると事件解決の糸口を見つける等、機転が利く。アリスの食事の世話や事務所の掃除などに奔走している。平坂組のリーダー・四代目と義兄弟の盃を交わしている。

アリス/紫苑時 有子(しおんじ ゆうこ)

CV:小倉唯
本作品のヒロイン。NEET探偵事務所を構え、「ニート探偵」と自称する小柄で色白、偏食の少女。一人称は「ぼく」で、ドクターペッパーを愛飲している。ほとんどの時間を大量のPCがある部屋で過ごす引きこもりで、高い洞察力とクラッキング能力を持つ職業探偵。
事件の真実を語るため外出する時は黒いドレス状の喪服を着る。ドクターペッパー以外の物はあまり口に入れず、「ネギラーメンの麺とチャーシュー卵抜き」などの不思議な料理を頼んだりもする。かなりの照れ屋であり、鳴海のふとした発言で顔を赤くする。

鳴海のクラスメイト

篠崎 彩夏(しのざき あやか)

CV:茅野愛衣
M高生で鳴海のクラスメイトの少女。園芸部に所属しており、ラーメン屋「ラーメンはなまる」でアルバイトしている。
明るく気遣いのできる優しい性格だが、時折悪気がないが思った事を口に出してしまい、鳴海を落ち込ませてしまう。しかし重要な所は1人で抱え込んでしまう繊細な一面もある。学校で孤立していた鳴海を強引に園芸部に入部させ、「ラーメンはなまる」に連れて行ってニート達と引き合わせた張本人である。また、アリスを風呂に入れ、髪を乾かしたり生活の面倒を見たりもする。
両親は離婚しており、高校を中退した兄がいる。彼がエンジェル・フィックスに手を出したことから、原材料になる花を学校の温室で育てていた。しかし、秘密を守るために屋上から投身、その後記憶障害を患う。

ラーメンはなまる

ミン/黄 明麗(ファン・ミンリー)

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