配達人~終末の救世主~(韓国ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『配達人~終末の救世主~』は2023年5月よりNetflixで全世界に配信された韓国ドラマ。深刻な大気汚染により、防護マスクなしでは生きられなくなった2071年の朝鮮半島を舞台に、そこで生きる人たちのドラマを描いた作品。原作は2016年から2019年にかけて連載されたイ・ユンギョンの同名のウェブ漫画。700万人を動員した映画『監視者たち』を手掛けたヒットメーカー、チョ・ウィソクが監督と脚本を務めた。

QRコード

生き残った人々は最低限の生活が保障されている「一般区域」、快適な環境が用意されている「特別区域」、大気汚染が起こる前の地球に近い環境が整えられ、ごく少数の権力者しか住むことの出来ない「コア区域」に分けられて生活している。この各区域に分けられた人々を管理するため、生存者の手の甲にはQRコードが刻まれている。QRコードが配布されず、一般、特別、コアのどこにも属さない人々は難民と呼ばれ、食料品や酸素などの生活必需品が十分に行き渡らない過酷な生活を強いられている。

チョンミョングループ

朝鮮半島の企業。彗星の衝突によって大気汚染が起こったのちに、空気を浄化させ酸素を作り出す仕組みや、コア区域などの生存者が生活できる環境を整えた。チョンミョングループがいないと誰も砂漠化した朝鮮半島では生きられなくなっており、大統領に近い権力を持っている。

突然変異

鉱山の影響のより、骨が金属で出来ている人間のこと。「突然変異」と呼ばれており、傷の治りが早い。

ハンター

配達人が運ぶ物資を狙う盗賊のこと。その正体は、酸素や食料などの十分な生活物資をもらうことが出来ない難民である。配達人が一般区域に物資を届ける際に、配達人のトラックを襲い、物資を強奪する。

『配達人~終末の救世主~』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

5-8を始めとする配達人が難民が暮らす地域に現れるシーン

難民を助けるための策を考える5-8(右)

物語の序盤、配達人は、チョンミョングループの指示の元、一般区域に生活費需品を届ける凄腕の宅配ドライバーとして描かれている。5-8を始めとする配達人が難民が暮らす地域に現れるシーンでは、実は彼らが夜になると難民たちに物資を配り、傷ついている難民の救護を行うなど、裏の顔を持っていることが分かる。この物語において、配達人は弱きものを助ける「ヒーロー」であることが分かる、重要なシーンである。

サウォルが5-8に配達人選抜試験のために訓練をつけて欲しいと頼むシーン

5-8(左)に訓練をして欲しいと頼むサウォル(右)

銃に撃たれたサウォルを見つけ、看病したことで、1度は出会っていた5-8とサウォル。配達人選抜試験に参加することを決めたサウォルが、「誰よりも強い」と噂されている伝説の配達人である5-8の元を訪れ、配達人になる決意を表明する印象的なシーンである。これを機に、5-8はサウォルに格闘の稽古をつけ、サウォルは無事、配達人選抜試験に合格する。

リュ・ソク「皆が満足できる世界はない」

新しい居住区への移住に伴い、人数が過剰な難民を全員連れて行くことをせず、一部の選ばれた難民だけを連れて行き、その他は抹殺しようとしているリュ・ソク。父親や大統領に考えを非難されたリュ・ソクは「皆が満足できる世界はない」と発言した。限られた資源の中で、満足のいく生活を送るためには、取捨選択が必要だと考えるリュ・ソクの考えが示されたシーン。それまで残忍さが強調されて描かれていたリュ・ソクだったが、厳しい現実に直面した際に冷静に現実的な判断をするという、彼なりの正義に従って行動していることが分かるセリフとなった。

『配達人~終末の救世主~』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

原作は人気ウェブトゥーン

『配達人~終末の救世主~』の原作は、2016年から2019年にかけて連載された、イ・ユンギュンによるウェブトゥーン。ウェブトゥーンとは、スマートフォンで読みやすいように縦方向にスクロールする漫画のことである。原作は2018年アジアフィルムマーケットで、マルチプラットフォーム化が可能なウェブドラマやウェブ漫画などの著作物を映像エンターテインメント関係者に紹介する場である「E-IPピーチングアワード」を受賞している。私たちの身近に存在する宅配ドライバーという存在を、生き残った人々の生存を左右する特別な存在として描いている点が注目を集めた。

パクり疑惑のゲーム『デス・ストランディング』とは無関係

Netflixで配信を開始するやいなや、盗作疑惑が浮上した本作。日本のゲーム会社コジマプロダクションの『DEATH STRANDING(デス・ストランディング)』と設定が似ているという指摘が相次いだ。『DEATH STRANDING』は、大災厄によって荒野となった北米大陸を舞台に、伝説の配達人が物資を届けるゲームである。

この指摘について、ドラマ公開の4日後である2023年5月16日にNetflixが公式のコメントを発表し、疑惑を否定した。「『DEATH STRANDING』は2019年に発売されたが、『配達人~終末の救世主~』は2016年に連載を始めたイ・ユンギュンの同名のウェブ漫画を原作としている。 『DEATH STRANDING』より、『配達人-終末の救世主-』の原作の方が先に発表されているため、盗作ではない。」と、Netflixから発表された。

この発表により、盗作疑惑は否定された。

チョ・ウィソク監督とソン・スンホンは20年来の友人

監督を務めたチョ・ウィソクと悪役リュ・ソクを演じたソン・スンホンは20年来の友人である。

2002年に韓国で公開されたチョ・ウィソクの初監督作品『ひとまず走れ!』の主演をソン・スンホンとクォン・サンウが演じ、それ以来、2人はプライベートでも交流があるそうだ。『配達人~終末の救世主~』企画が持ち上がったときから、地球が砂漠化した近未来という世界観に惹かれ、出演を希望していたソン・スンホン。これまでさわやかな役を演じることが多かったソン・スンホンだが、彼のことをよく知るチョ・ウィソク監督によって、ソン・スンホンの新しい魅力が引き出された作品となった。

上野生真
上野生真
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