あげくの果てのカノン(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『あげくの果てのカノン』とは、米代恭による漫画作品。地球外生命体の襲来によって機能を失った近未来の東京を舞台に、長年片思いをする男性との不倫に走る女性を描いたSF恋愛作品である。小学館の雑誌『月刊!スピリッツ』で2015年10号から連載が開始された。高月かのんは高校時代から片思いをする境宗介との再会に舞い上がる。次第に2人はお互いの孤独を埋めるように身を寄せ合う。しかし、境はこの世界を救う英雄で、他の女の人のものだった。
ゼリーとの戦闘や研究をしている専門機関。
宗介はゼリーと戦う戦闘員、初穂は研究機関に属している。
戦闘員に対するゼリーによる修繕も行われている。
ゼリー(地球外生命体)
突如、襲来した地球外生命体。
詳しい生態などは解明されていない。戦闘員が負傷した際にゼリーの組織の一部を使用して治療が行われている。
修繕(しゅうぜん)
ゼリーの組織を使用し怪我などを処置すること。その影響は大きく、修繕により記憶や好み、価値観が日々変化していく。
初穂は宗介の変化を食い止めるため、日々研究に没頭している。
『あげくの果てのカノン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
高月かのん「先輩!8年間ずっと好きでした!だから私、先輩とならどこへでも行きます…、北でも、南でも」
宗介と再会を果たし、連絡を取り合う仲になったかのんは、デートに誘われる。SLCの施設の星空に感動するかのんに対し「今度2人で見に行こう」と誘うが、かのんは困惑する。彼は「困らせちゃったね」と言った。かのんは「はい」と言ったら罰を受ける、と思いながらも、「先輩!8年間ずっと好きでした!だから私、先輩とならどこへでも行きます…、北でも、南でも」と答えた。
そんなかのんに「やっぱ高月さんは最高だなぁ」と宗介は言う。
宗介と再会してから徐々に距離が近くなっていくことに喜びを感じつつも、初穂の存在を意識し前に進めなかったかのんが、不倫という罪悪感を振り切り宗介に告白する、物語前半の名セリフ。
境宗介「本当に好きだった!変わりたくなかった!約束…、守れなくてごめん…!」
永田町のゼリーが爆発し、初穂から国は永田町を見捨てるつもりだと聞かされた宗介が初穂と協力してゼリーを破壊しようとする戦闘中に言った言葉。
初穂に「私はあなたに見合ってなかった?」と聞かれた宗介は「本当に好きだった!変わりたくなかった!約束…、守れなくてごめん…!」と答える。
そんな2人をかのんは羨ましく思い、2人を応援する。
修繕の影響で変わってしまう自分に戸惑いながらも、初穂を裏切ってしまった宗介の心からの本音を打ち明けた、物語後半の名セリフ。
10年後 再び宗介に恋をするシーン
かのんが働くカフェの店内で流れていた、パッヘルベルの『カノン』を聞き、彼女のことを忘れていた宗介が、すべてを思い出すシーン。
東京を離れて10年、宗介や初穂、SLCから遠く離れた土地で、新しい生活を手に入れ、穏やかに生きてきたかのん。
時を経て、かのんは宗介に執着していたことに疑問を抱き、あれほどまでに恋い焦がれていた相手を「クズ」呼ばわりしていた。
しかし、10年ぶりに宗介と再会した瞬間、初めて彼に出会った時に感じた恋心を一瞬で思い出し、再び恋をしたのだった。
『あげくの果てのカノン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
『あげくの果てのカノン』誕生のきっかけは担当編集者からの提案
『あげくの果てのカノン』が誕生したきっかけは、担当編集者から不倫ものを書くよう要望があったからだった。
それに加えて、SFも面白いのではないか、と提案されたことがきっかけで、不倫とSFをテーマにした異色作となった。
担当編集者は、作者の米代に対して「世界がどんなことになっていてもそれを気にしない女の子」を描いてほしい、という思いもあった。
それを聞いた米代は、SF漫画も恋愛漫画も得意ではなかったが、恋愛相手に幻想を見ている状態の人間なら描けると考え、『あげくの果てのカノン』が誕生した。
『あげくの果てのカノン』は作者にとって初のSF漫画
『あげくの果てのカノン』は作者にとって初のSF漫画である。
本作は、ギレルモ・デル・トロ監督が2013年に作製した、SF怪獣映画『パシフィック・リム』が裏テーマとなっている。
しかし、本作を連載するまで、編集部内で作者にSF漫画を描く実力があるか疑問視されていた。
そのため、連載作品を決めるコンペティションを通過するまで、時間がかかったという裏話がある。
『あげくの果てのカノン』の世界を動画で表現したPVがある
2015年10号から『月刊!スピリッツ』で連載が開始された、『あげくの果てのカノン』の世界をカラーで表現したPV。
かのんと宗介の心の内、ゼリーとの戦闘などが動画で再現されている。
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目次 - Contents
- 『あげくの果てのカノン』の概要
- 『あげくの果てのカノン』のあらすじ・ストーリー
- 再会編
- 変化編
- 修繕編
- 逃避行編
- 戦闘編
- 最後の戦い編
- 10年後編
- 『あげくの果てのカノン』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- 高月かのん(こうづきかのん)
- 境宗介(さかいそうすけ)
- 境初穂(さかいはつほ)
- 高月ヒロ(こうづきひろ)
- かのんの友人
- マリ
- すーちゃん
- ユカリ
- SLC関係者
- 的場(まとば)
- 稲村(いなむら)
- その他
- 早苗(さなえ)
- 『あげくの果てのカノン』の用語
- SLC(異星生物対策委員会)
- ゼリー(地球外生命体)
- 修繕(しゅうぜん)
- 『あげくの果てのカノン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 高月かのん「先輩!8年間ずっと好きでした!だから私、先輩とならどこへでも行きます…、北でも、南でも」
- 境宗介「本当に好きだった!変わりたくなかった!約束…、守れなくてごめん…!」
- 10年後 再び宗介に恋をするシーン
- 『あげくの果てのカノン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『あげくの果てのカノン』誕生のきっかけは担当編集者からの提案
- 『あげくの果てのカノン』は作者にとって初のSF漫画
- 『あげくの果てのカノン』の世界を動画で表現したPVがある