ハーメルンのバイオリン弾き(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ハーメルンのバイオリン弾き』とは、渡辺道明が手掛けた同タイトルのファンタジー漫画をゲーム化したスーパーファミコン専用のアクションゲームである。エニックス(後のスクウェア・エニックス)により1995年9月29日に発売された。ヒロインを投げるといったコミカルな一面と壮大なクラシックのBGMが特徴。
物語は魔物に襲撃を受けた村に勇者ハーメルが現れ村人を救う場面から始まる。村を救うためヒロインのフルートと共に旅に出る。

たこ(下)は水中を移動できる数少ない手段である

巨大なたこに変身し、水中を上下左右自由に移動できる。移動のみで攻撃手段はない。

ミサイル

下の黒い物体がミサイル。壁や地面に当たると爆発する

敵や障害物等にぶつかると爆発するミサイル。

『ハーメルンのバイオリン弾き』の登場人物・キャラクター

メインキャラクター

ハーメル

本作の主人公。美形であるがねじ曲がった性格をしている

本作の主人公でありメインプレイキャラクター。大きなバイオリンを常に持ち歩いている。これは「魔器」と呼ばれる楽器であり、この魔器から放たれる音楽「魔曲」は魔族を打ち倒す効果を秘めている。巷では「辺境の勇者」として認知されている伝説的な存在である。黒い帽子と黒装束姿が特徴の美青年だが、その性格は歪んでおり特に金銭に対する執着がひどい。プレイ中はほとんど話す場面は見られないが、各ステージをクリアした際に見られる一コマでヒロインであるフルートを雑に扱ったり、敵から奪った金銭について下品な笑い声を挙げながら喜ぶ等主人公らしからぬ行動が見られる。その反面、フルートを背負うなど、優しさが垣間見れるシーンもある。

世界に災いをもたらすという魔族の頂点である魔王ケストラーの子孫であり、本作のラスボスであるサイザーは双子の妹である。母親はパンドラという天使と人間のハーフ。魔族の血を引いているため角が生えている等、人間と姿が異なることから迫害を受けてきた。流れついたアンセムで本作の味方の1人であるライエルという少年と知り合い親しい仲となる。しかし、パンドラが村人に攫われたことをきっかけにライエル以外の村人を殺害する「アンセムの悲劇」が起こってしまう。この事件以降ライエルはハーメルを恨むようになり、本作でもハーメルに対して好戦的な態度をとる理由である。

原作やオープニングで見られる魔曲による攻撃は、演奏により相手の動きを封じたり操るものであるが、プレイ中は音符型の物質を前方に飛ばしてダメージを与える。また、本作では詳細は語られていないが、一行が北を目指す理由は宿敵である魔界軍の本拠地があるためである。

フルート

本作のヒロイン。ハーメルからひどい扱いを受ける

本作のヒロイン。序盤のステージであるスタカット村の娘。正義感が強く優しい性格で、オープニングでは魔族に襲われる少年を身体を張って守るシーンが見られる。スタカット村で魔族に襲われたところをハーメルに助けられ、そのお礼に以降旅を共にする。作中ではハーメルに投げられたり着ぐるみを着させられ移動や攻撃に使われるなどヒロインとは思えない程の仕打ちを受けている。ステージクリア後の切り抜きシーンでもハーメルにぞんざいに扱われている。ハーメルと異なり、ダメージを負っている時に息切れする等感情が顕著に表れる。

本作では語られていないが、その正体はスフォルツェンド公国の王女である。15年前の第一次スフォルツェンド大戦時に実母である女王ホルンに放流されてからスタカット村で拾われた。王女であることは十字架と背中のアザにより判明する。

オーボウ

ハーメル(左から2番目)の肩に乗っているのがオーボウ。ゲームでも人語を話す

言葉を話すカラス。ハーメルの出生からハーメルと行動を共にし、一行の親代わり的な役割を果たす。本作では他の登場人物と積極的に話したり、ハーメルの行動について解説したりと話すシーンが多く見られる。プレイ中に操作や使用することはできないが、常にハーメルの近くを浮遊して同行する。

本作で語られることはないものの、その正体はかつて「空の提督」と呼ばれた元魔界軍王で2番目の力を有する妖鳳王(ホーク・キング)オーボウ。力だけであれば魔界軍王をも凌ぐとされ、その力の強さは原作でも描かれている。

ライエル

ハーメルの幼馴染でピアノを武器に戦う青年

ハーメルの親友の音楽家。緑色の帽子と衣服が特徴。500kgの足無しピアノを肩からかけており、ハーメルと同じくピアノの演奏で攻撃する魔曲使いである。演奏の技術はハーメルの育ての親であるパンドラから教わった。本作では物語中盤から登場し、ハーメルに対して悪態をつくものの、ラスボスではハーメルに加勢し共に戦うこととなる。共闘時は画面端から炎の玉を放って援護をしてくれる。

原作では、「愛の勇者」と自称して無償で魔物と戦う等、性格はハーメルと異なり正義感に溢れている。ハーメルに両親を殺害された「アンセムの悲劇」以来ハーメルと仲違いをしており、本作でもハーメルに対して好戦的なのはこれが理由である。原作で登場した当初はハーメルに戦いを挑む等のいざこざがあったものの、フルート達も含めたパーティで行動を共にするにつれて徐々にハーメルとも和解していく。ハーメルにより数々のいじめを受けたり、女性に対して免疫がなく女性と接触することで大量の鼻血を出す等の醜態を晒すギャグキャラとして目立っている。500kgのピアノを常に持ち運び歩いているためかなりの怪力であり、素手で魔族を倒すシーンも見られる。原作の設定ではハーメルの双子の妹であるサイザーに惚れ込んでおり、最終的にサイザーと結婚し子を授かる。

敵キャラ

サイザー

主人公ハーメルの兄弟で魔界軍王3番手の実力者

ハーメルの生き別れの双子の妹。「空の女王」という異名をもつ魔界軍王3番手の妖鳳王(ホーク・キング)で、本作のラスボスにあたる。赤い甲冑と翼が特徴。端麗な容姿をしており、本作の登場時にもフルートが「天使…?…なんてきれい…」と発言するほどである。大鎌を携えているが、これはフルートにもなり演奏することで9人の戦乙女の精霊・ワルキューレを召喚することができる。また、大鎌を構えて突進してきたりブーメランのように投げつけて攻撃してくる。本作では完全決着とはいかず、最終ステージで倒した後に「このていどでは…おまえの父は…ケストラーは…たおせないぞ…」と意味深な発言を残して退く。

本作では詳細は描かれないが、原作では以下のようなサイザーの生い立ちが描かれる。幼少期にパンドラの元から攫われたことでハーメルと離れ離れになる。その後は北の都でオカリナという女性に育てられた。しかし、後にパンドラが自身を捨ててハーメルを選んだという嘘を吹き込まれたことでパンドラとハーメルを恨むようになる。以来残虐な性格となり殺戮を行うようになった。一方で、武士道精神を持ち無用な殺しは行わない等の倫理観も持ち合わせている。物語後半からはハーメル達と共に魔界軍王と戦い仲間になる。冷静で一般常識に疎いキャラであり、パーティの中では天然な一面を見せる。

魔王チューバ

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