ハーメルンのバイオリン弾き(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
『ハーメルンのバイオリン弾き』とは、渡辺道明が手掛けた同タイトルのファンタジー漫画をゲーム化したスーパーファミコン専用のアクションゲームである。エニックス(後のスクウェア・エニックス)により1995年9月29日に発売された。ヒロインを投げるといったコミカルな一面と壮大なクラシックのBGMが特徴。
物語は魔物に襲撃を受けた村に勇者ハーメルが現れ村人を救う場面から始まる。村を救うためヒロインのフルートと共に旅に出る。
『ハーメルンのバイオリン弾き』の概要
『ハーメルンのバイオリン弾き』とは、エニックス(後のスクウェア・エニックス)により1995年9月29日に発売されたスーパーファミコン専用のアクションゲームである。本作は渡辺道明が手掛けた同タイトルのファンタジー漫画の派生作品であり、他にアニメや映画等の派生作品も存在する。原作である漫画は同社刊行の『月刊少年ガンガン』で1991年4月号から2001年2月号まで連載された。また、それぞれ1995年にCDブック化、1996年にアニメ映画、原作をダークファンタジー風にアレンジしたシリアスなアニメが1996年から1997年の間に放映された。
ストーリーは漫画の1巻から4巻までをベースとして作られているが、アニメ版で見られるシリアスな展開と異なりコミカルな世界観となっている。特に、ヒロインである村の少女フルートを投げつけるといったぞんざいな扱いをするアクション要素もある。登場キャラクターは主人公のハーメルやヒロインのフルート等、原作でも見られるキャラクターは存在するが、原作の黒幕にあたる大魔王ケストラーは登場しない等、一部異なる点が存在する。
本作は主人公である勇者ハーメルが手持ちのバイオリンから奏でる音楽の力を使って敵である魔族と戦うというストーリーになっている。音楽がモチーフというだけあって、作中で流れるBGMも著名なアーティストのクラシック音楽を起用する等壮大な音楽が使われている。ネット界隈でもレトロゲームにおける最も人気なBGMの一つとして知られている。
舞台はとある小さな村。突如魔族の集団が魔王に差し出す食料を奪いに村に襲い掛かってきた。村人の窮地を救ったのは、バイオリンを弾きながら颯爽と現れた勇者ハーメルである。ハーメルの奏でる音楽は聞く者を操る力があり、魔族達も体の自由を奪われハーメルに屈することになる。ハーメルの姿を見た村の少女フルートは、ハーメルと共に村の危機を救うため旅に出ることを決意する。
『ハーメルンのバイオリン弾き』のあらすじ・ストーリー
第1楽章 伝説の勇者
とある小さな村に突如魔族の集団が現れ、「魔王チューバ」と呼ばれる親玉に差し出すための食料を奪いにきた。町の少女フルートは小さな子供を救うために魔族に立ち向かうが、力では到底敵わず襲撃されそうになる。その時、突如村にバイオリンの音色が流れる。音の主は屋根の上でバイオリンを演奏している謎の男。この男の名前は勇者ハーメル。村人によると、ハーメルは武器を一切持たずバイオリンの音色を奏でて敵の動きを操り戦う、伝説の勇者なのだという。体の自由を奪われた魔族達は奇怪なダンスを踊らされ、ハーメルの手により退けられる。
ハーメル達が村人に話を聞くと、村一帯は魔王チューバに占領され手下の襲撃に苦慮しているとのこと。村長より魔王チューバの退治を依頼されたハーメルは、フルートを連れて魔王チューバの元に向かう。道中の森では先ほど現れた魔族だけでなく、コウモリやヘビ、種子を放って攻撃してくる植物に出くわす。また、茨の道やトゲ等危険な場所はフルートに着ぐるみを着せて進むことで危険を回避しつつ進んでいく。魔王チューバの生息する城に到着すると、内部はトゲの床や大砲等の様々な仕掛けが張り巡らされている。フルートとの協力で深部まで到達すると、巨大な化け物である魔王チューバが姿を現す。ハーメルは自身のバイオリンとフルートを使った攻撃を駆使して魔王チューバの撃退に成功する。
ハーメル達が村に戻ると魔王チューバを倒したことを長老から感謝される。ハーメルはまだ他の場所で魔族の息がかかった者達が存在することを察し、旅を続けることを決意する。また、ハーメルは村を助けた見返りとしてフルートを預かると長老に伝え、全てが終わった後に戻ってくることを約束し、ハーメルとフルートは村を後にして北を目指す。
第2楽章 名もなくちいさな村
ハーメルとフルートが次に辿り着いた場所は、「名もなくちいさな村」という小さな村である。村に入ると、少年が自身の両親が「魔物バスーン」により殺害されたということを2人に伝える。少年は敵討ちを試みることをこれまで考えてきたという。村に一泊して朝を迎えると少年の姿はなく、置手紙にバスーンを退治することと、「殺されても探さないでほしい」という内容が記されていた。事態を重く見たフルートは少年を救うためバスーンのいる魔物の塔に向かう。村人の話だとバスーンの城は遥か上空に位置しており、空でも飛ばないと到底辿り着けないのだという。
村を出ると大きな湖が広がっていた。バスーンの城に向かうため、ハーメルはフルートに着ぐるみを着せて湖を渡る。道中のコウモリや凶悪な魚に襲われながらも城付近まで行くと暴風雨が吹き荒れる過酷な環境の中、何とか魔物の塔の中まで潜入することに成功する。城内の仕掛けを掻い潜り奥まで辿り着くと、鎧に身を包んだ魔物のバスーンが現れる。バスーンは手に持っている武器からトゲを発射したり、手下の蛇を放って攻撃してくる。ハーメルも負けじと音楽の攻撃とフルートを使ってバスーンに対抗することで退治する。
バスーンを退治した後、ハーメル達は村の少年と再会する。少年は村を飛び出して魔物の塔に向かった後にすぐ捕まってしまったようだ。少年はハーメルの正体を知ると感激の声を上げ、両親の仇を打ってくれたことに感謝の意を伝える。少年は2人との再会を祈って別れを告げる。
第3楽章 花の少女
ハーメルとフルートが次に辿り着いた町は辺り一面荒廃しており、建物は壊され無残な光景が広がっていた。そこで花を売っている少女と出会う。その少女の両親は魔物に連れ去られ、1人で生活を余儀なくされているという話を聞く。他の町人によると、おそろしい姿をしている魔物のファゴットが村を襲撃し、多くの町人を縄張りである鉱山に連れていき無理やり働かされているのだという。町が荒廃しているのもファゴットの軍団が壊した跡であり、町人達は過酷な生活を強いられている。町長はハーメル達にファゴットの討伐を依頼する。
荒野を進みファゴットのいる鉱山に向かう途中、ハーメル達はコウモリや昆虫の魔物に出くわし進路を阻まれるが、なんとかファゴットの住処まで辿り着く。住処では床から吹き出る炎やトゲが張り巡らされた床等の凶悪なトラップが仕掛けられており、ハーメル達は苦戦を強いられる。マグマが吹き荒れる灼熱の鉱山に到着すると、魔物から逃げ出してきた2人の村人を発見する。2人は逃げている最中に魔物に襲われ負傷したことをハーメル達に伝える。そこで2人の内の1人の女性は、村で遭遇した少女の母親であることが判明する。しかし母親が負った傷は深く、その場で命を落としてしまう。
先に進むと町人達を攫った張本人である魔物のファゴットが現れる。無理やり労働させられている町人達を解放するため、ハーメルはフルート共にファゴットに戦いを挑み勝利する。町に戻り少女に真実を伝えると、少女はこれからは他の町人と共に生活していくことを決意する。町の平和を取り戻したハーメルとフルートは次の目的地へと向かう。
第4楽章 紅い羽の天使
ファゴットを倒し旅を続けていたハーメル達は、建物が壊され悲惨な状態となっている町に辿り着く。この状況を目の当たりにしたハーメルは、「どうやら魔界軍王のしわざらしい」と嘆く。魔界軍王は、この世に災いをもたらす存在であり、軍王を取り仕切るのが魔王ケストラーなのだという。その時、ハーメルの旧友であるライエルと呼ばれる青年が現れ、ハーメルは大魔王ケストラーの子であり、この町が廃れたのはハーメルせいであると非難する。突然の告白に動揺するフルートだが、魔王ケストラーを討伐するためなんとかその場を収める。ライエルは「いつかハーメルを倒す」と宣言し、どこかへ飛び去ってしまう。
魔王ケストラーの住処に向かうため荒野を進むハーメルとフルートだが、これまで以上の魔族の敵の多さに苦戦する。敵を掻い潜り古城に到達すると、紅い羽をもつ魔界軍王の1人である妖鳳王(ホークキング)・サイザーが現れる。サイザーは魔王ケストラーの側近であり、その力も他の魔物とはけた違いに強い。サイザーの鎌を使った攻撃に苦戦するハーメルだが、突如ライエルが現れ、ピアノの演奏でサイザーに攻撃を仕掛ける。ハーメルとライエルの2人の協力によりサイザーを退けることに成功する。サイザーは去り際に、「この程度では…お前の父は…ケストラーは…倒せないぞ…」と言い放ち、去っていく。そのセリフを聞いた一行は、おそらくサイザーはハーメルとケストラーを戦わせるための力試しをしに来たのではないかと憶測する。
真実が未だ不透明ではあるものの、世界を災いから救うため、ハーメルはライエルを仲間に加え再び北を目指すのであった。
『ハーメルンのバイオリン弾き』のゲームシステム
基本的な流れ
『ハーメルンのバイオリン弾き』は、主人公であるハーメルを操作して目的地に到達することでストーリーを進めていくゲームである。プレイ中は常にヒロインのフルートが同伴するため、必要に応じてフルートと連携してステージを進む必要がある。セーブポイントはなく、ストーリーを完結させるためにはセーブ無しでラスボスを倒さなければならない。
敵の攻撃等によりハーメルの体力が0になるとゲームオーバーとなる。フルートの体力が少なくなると、フルートの攻撃で敵を倒した際の金貨取得数量が少なくなる。フルートの体力が満タンの場合は5枚、1度被弾している状態だと1枚金貨を取得できるが、体力0の場合だと金貨取得はできず、被弾すると逆に金貨を落としてしまう。ステージをクリアすると、ハーメルの体力は変わらないがフルートの体力は全回復する。
マップ制
物語の進行はマップ制を採用しており、クリア後のステージは後戻り可能である。全部で4マップあり、各マップのボスを倒すことで次のマップに進むことができる。各マップに1つショップがあり、そこでフルートの着ぐるみや補助アイテム等を購入できる。
攻撃の種類
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目次 - Contents
- 『ハーメルンのバイオリン弾き』の概要
- 『ハーメルンのバイオリン弾き』のあらすじ・ストーリー
- 第1楽章 伝説の勇者
- 第2楽章 名もなくちいさな村
- 第3楽章 花の少女
- 第4楽章 紅い羽の天使
- 『ハーメルンのバイオリン弾き』のゲームシステム
- 基本的な流れ
- マップ制
- 攻撃の種類
- 着ぐるみシステム
- だちょう
- カエル
- ロボット
- カーリング
- オランウータン
- ペンギン
- マンボウ
- アヒル
- さる
- かいじゅう
- フリスビー
- ゾウ
- UFO
- とり
- たこのジェニファー
- ミサイル
- 『ハーメルンのバイオリン弾き』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- ハーメル
- フルート
- オーボウ
- ライエル
- 敵キャラ
- サイザー
- 魔王チューバ
- バスーン
- ファゴット
- 『ハーメルンのバイオリン弾き』の用語
- コイン
- 星
- 音符
- 果実
- きぐるみ
- 『ハーメルンのバイオリン弾き』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ラスボスとの決戦
- 村人「ぶきももたずに音楽で魔物を倒す…それが勇者ハーメルである」
- オーボウ「ホウ、あのハーメルがやさしいところをみせるとはのう…」
- 『ハーメルンのバイオリン弾き』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 原作との違いはストーリーの終着点
- 派生作品のCDも発売
- フルートを投げるときのテクニック
- ファンからの愛称は「ギャル投ゲー」