サイコだけど大丈夫(韓国ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サイコだけど大丈夫』とは、2020年に放送された韓国ドラマ。自閉症スペクトラム障害を持つ兄と暮らすムン・ガンテと闇を抱える絵本作家コ・ムニョンのヒーリングラブストーリー。人との関わりを避け、自分を押し殺して生きてきた主人公が、後先考えずに行動する無鉄砲なヒロインと出会い、変わっていく様子が描かれている。サスペンス要素や社会ドラマ的な要素など、一言にラブストーリーと言い表せない深みのある設定が反響を呼び、国際エミー賞にノミネートされるなど海外でも評価の高い作品。

自閉症スペクトラム障害は、コミュニケーション能力が低かったり、特定のものに強いこだわりをしめすなどの特徴を持つ「自閉症」「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」の総称。100人に1人の割合で発症する。女性に比べて男性の方が4倍自閉症スペクトラム障害である可能性が高い。ムン・サンテはこの障害にあたる。

マンテ

「マンテ」は、悪夢におびえる兄サンテに、ガンテが贈った「悪夢を食べてくれる人形」。サンテは子どもの頃から「マンテ」を大切にしていたが、ムニョンが悪夢にうなされていることを知ったガンテが、「マンテ」をムニョンにあげてしまい、ムニョンとサンテで「マンテ」の取り合いが起きる。サンテは「マンテ」を譲ろうとしなかったが、ガンテに「兄さんにはマンテがいなくても僕がいる」と説得され、「マンテ」はムニョンの手に渡った。

『赤ちゃん恐竜ドゥーリー』

『赤ちゃん恐竜ドゥーリー』は、サンテが気に入って視聴しているアニメ。実際に韓国で1987年~1988年に放送されていた人気アニメで、過去からタイムスリップしてきた赤ちゃん恐竜ドゥーリ―が、人間の家族と冒険を繰り広げる物語。

『サイコだけど大丈夫』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

コ・ムニョン「あなたが私の安全ピンになって」

病院で出会ってからガンテのことが気になっているムニョンが、ガンテに向かって発した言葉。無鉄砲で後先を考えずに行動する自分を抑制して欲しいという意味で「あなたが私の安全ピンになって」とガンテに依頼した。しかし、ガンテには「他をあたってくれ」と冷たくあしらわれてしまう。この後、ムニョンが何度もガンテに言う言葉で、「無鉄砲なムニョン」と「それにブレーキをかけるガンテ」という今後の2人の関係性が表れている言葉。

ムン・サンテ「ムン・ガンテはムン・ガンテのもの」

これまでサンテは「ムン・ガンテはサンテのもの」だと言って、ガンテを頼って生きてきた。しかし、自分のやりたいことを見つけ、自立して生きていくことを決意したサンテは「ムン・ガンテはムン・ガンテのもの」だとガンテに言い、自分はもう1人でも生きていけることをアピールした。兄サンテのことを最優先にし、自分を押し殺して生きてきたガンテにとって、自分が自分のために生きることを許された印象的な言葉。

サンテがムニョンを兄妹として受け入れるシーン

ガンテがとられると思い、ムニョンのことをなかなか受け入れることが出来なかったサンテ。しかし「私も兄さんが欲しい!」というムニョンに対し、それまで拒絶していたサンテが「コ・ムニョン早く来い!(一緒に行こう)」と声をかけたシーン。すれ違っていたガンテ、サンテ、ムニョン3人の心が通じ、サンテはムニョンを家族として受け入れた。これまで自分が嫌なものを一切受け入れようとしなかったサンテが、「兄」として自分がどうすべきか考えた結果とった行動であり、サンテ・ガンテ兄弟が一歩前に踏み出したことを意味する。

3人で家族写真を撮るシーン

これまで1人ぼっちで生きてきたムニョンは、家族と呼べる存在が出来たことが嬉しく、家族写真を撮ることを提案する。ムニョンの母親が自分たちの母親を殺した犯人だと気づいたガンテは、家族写真をとることに乗り気ではない。しかしムニョンの想いを知り、家族としてムニョン、サンテを守っていこうと心に決めたガンテは家族写真の撮影に応じた。兄弟2人っきりで生きてきたガンテ、サンテと、同じく孤独に生きてきたムニョンが心を通わせ家族になったことを象徴するシーン。

『サイコだけど大丈夫』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ドラマに登場した絵本は実際に購入可能

ドラマ内に登場した、絵本作家であるコ・ムニョンの絵本『悪夢を食べて育った少年』(1話)、『ゾンビの子』(4話)、『春の日の犬』(7話)、『手とアンコウ』(14話)、そしてムニョンが物語を書き、サンテが挿入絵を担当した『本当の顔を探して』(16話)の5冊は実際に出版されており、日本でも購入可能である。

本作の公式LINEスタンプが発売

『サイコだけど大丈夫』を制作したのは、数多くの名作ドラマを生み出しているドラマ制作会社「STUDIO DRAGON」だが、「STUDIO DRAGON」制作のドラマのうち『サイコだけど大丈夫』と『愛の不時着』のみ、LINEの公式スタンプが発売されている。

コ・ムニョン役ソ・イェジの細すぎるウエスト

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