魚喃キリコさんは、四人の女性を中心とした日常を描き映画化もされた「strawberry shortcakes」、初期の短編などを詰め込んだ「痛々しいラヴ」、「Water」、「短編集」、最近の尖った作品を集めた「キャンディーの色は赤。」、初の長編作品となる「blue」など、短編・読みきり集や一冊で完結する長編作品などを多く発表しています。
中でも「南瓜とマヨネーズ」は、音楽好きの彼氏との幸せだけでは終わらない、あまりに現実的な同棲生活を描いた作品です。
「同棲って憧れる!」というような一般イメージの裏にある、お金や感情の問題、すれ違いがとにかくリアル。
「べしゃり暮らし」を思わせる、高校生漫才コンビの青春を描いた表題作のほか、仏教、プロレス、ボクシングから、アマチュア時代に「映画の影響を受けすぎている」と評されたという幻の作品まで、森田まさのりさんの魅力がつまった読みきり集。
特に、巻末に収録された「STAYHERE」は、高校3年生のときの作品とのことで、現在も絵の上手いマンガ家として名高い森田さんのルーツが見えます。
「俺物語!!」のヒットで有名になったアルコさんの、2007年発売の短編集。
収録された3作品はどれも、高校生~20代の女の子たちが主人公となり、恋愛ともなんとも言いがたい感情を抱く姿が描かれます。
アルコさんの持ち味である、キラキラとした少女マンガらしいテイスト+カラリとしたギャグテイストの融合が味わえ、「少女マンガを読みなれていない」という人でもさっぱり楽しめる一冊。
江戸を舞台に、隠居した男性がタイトル通りふらりふらりと歩く様が描かれたオムニバス。
この作品の面白いところは、主人公がネコや亀など様々な視点に乗り移って江戸を多様な角度から眺めるという一風変わった設定。
蟻に共鳴し、自分の何倍もの高さの草が生い茂る中を歩いたり、見たこともない『印度の像』の姿を街に残った足跡から想像したり……。
描きこみも細かく、山脈の霧、夜の川岸の月明かり、果ては上空から見下ろす日本列島などの美しさを圧倒的な画力で表現します。