少女少年学級団(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『少女少年学級団』とは『別冊マーガレット』(集英社)から連載された藤村真理の漫画。小学生たちが悩みながら、成長していく青春学園ストーリーである。野球が大好きな女の子中谷遥が、高校生で甲子園に行った経験のある田辺健に憧れる。健と一緒に過ごしているうちに憧れではなく好きという気持ちに変わっていく。自分の思いを上手く表現出来ず葛藤しながらも、周りの人や状況を受け入れながら、大人になっていく姿が描かれている。

小絵「親がよく、自分の子供の頃は携帯もデジカメも無かった。数十年でこんなに世の中が変わるなんて思っても見なかった。大人だって想像もつかない未来がある。だから叶わない夢なんてないと思っている。諦めない限りいつかは叶うはずよ」

女は甲子園やメジャーリーグに行けないと知り、落ち込む遥に友人の小絵が伝えた言葉が、「親がよく、自分の子供の頃は携帯もデジカメも無かった。数十年でこんなに世の中が変わるなんて思っても見なかった。大人だって想像もつかない未来があるの。だから叶わない夢なんてないと思っている。諦めない限りいつかは叶うはずよ」である。
小絵は先生に恋をして、相手にされていないが諦めていない。いつかは必ず叶うと信じながら希望を持って夢を諦めないことが大切だと語る。これを聞いた遥は、諦めきれない野球のこれからの未来を信じて続けていくことを決意し、悲しみから期待へと心が動いていく。様々な感情が入り混じる中で遥が新たな一歩を踏み出すきかっけとなった名セリフである。

中谷忍「自分の思っていることを相手に伝えるのは難しいけど、すっごい大切なこと。嫌われても、今度は好かれる努力をしたらいい。試合に負けたら次勝てるように努力することと同じで勇気を出して相手に伝え、嫌われても好かれるようにすることが大切だよ。」

健兄に本当のことを話すと嫌われてしまうのでは無いかと不安に思っている遥に姉が伝えた言葉が、「自分の思っていることを相手に伝えるのは難しいけど、すっごい大切なこと。嫌われても、今度は好かれる努力をしたらいい」である。渡がマラソン大会の団長を引き受け、クラスが上手くまとまらずにストレスで歩けなくなってしまったが、健はそのことを知らない。ストレスの要因として、自分も関係があると遥は思っており、知りたがっている健に本当のことを伝えることができなかった。悩んでいる遥の背中を押し、「試合に負けたら次勝てるように努力することと同じで勇気を出して相手に伝え、嫌われても好かれるようにすることが大切だよ」と教えている。姉として妹の遥を想う気持ちが伝わる優しい言葉である。また、遥の大好きな野球と例えながら伝えていることも印象に残る。

遥「なりたくないものじゃなくてなりたいものの話」

小絵の姉・池口美咲はずっと、母親のようにはなりたく無いとばかり言い続けてきた。それを聞いて、遥が美咲に伝えた言葉が「なりたくないものじゃなくてなりたいものの話」である。自分がなりたいものは「プロ野球選手とお嫁さんになることである」と真っ直ぐに伝えた上で、みんななりたいものはあるはずだと言う。小学生に言われた何気ない言葉から、今までずっとなりたくないものばかり考えて気持ちをおさえていた自分に気付いた美咲は夢や希望を持つようになり、外見だけでは無く、気持ちの面でも変化をしていく。なりたいものを考えて行動するようになり、小絵や遥がびっくりするくらい明るい性格となった美咲がどんどん綺麗になっていく場面は、読者に強い印象を残す。

健兄「やりたい事あったら諦めないで道探せよ?」

健が大学に行くと言っているのを聞いて、一寛は「いいなぁ」と羨ましく思う。兄弟が多く、自分は大学に行くことが経済的に厳しいと感じているからである。そんな一寛に「やりたい事あったら諦めないで道探せよ?」と伝えるのである。世の中には70歳から大学入った人もいるし、道探すのも大変だけど諦めないことが大切だと教える。自分で自分の可能性を捨ててしまうと、そこで道が途絶えてしまうことから、まだ幼い小学生には無限の可能性があるというメッセージにも取れる。

勇馬「高校もその先もずっと俺が遥の側にいるよ」

大好きな遥とずっと野球を続けて一緒にいたいと考える勇馬。遥は健のことを好きなのを知った上で健に伝えた言葉が、「高校もその先もずっと俺が遥の側にいるよ」である。勇馬は遥が引っ越しをしても、好きな人が出来ても一途に遥のことを思い続けているのである。現状では合格することが難しい硬式野球部がある中学に受験をすることを決めた遥を必死に支え応援していく。好きな人は渡さない、譲らないという勇馬の強い意志が表れている。「遥が不合格ならオレも公立行くし、遥がシニアに入るって言ったら同じチームに入る」とライバル視している健に真っ直ぐな視線で伝える力強いセリフである。

『少女少年学級団』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

渡の虫嫌いはセミがきっかけ

健が渡の頭にセミをのせる場面

健は虫にも優しく、転がって飛べなくなっていたセミを助け小さな命を救った喜びに満たされている。ある時、セミを渡の頭にのせたことで、渡は気絶してしまう。しかし、家族の誰もが渡がセミのせいで気絶したとは思わず、渡の虫嫌いがそこから始まったことに気がつかないのである。

中学の時健は先輩からいじめにあっていた

高校生になり、小学生からは慕われ、同級生からも人望が厚い健だが、ほんのちょっと目つきが悪くて、野球が上手だったゆえに先輩からの風当たりが強かった。先輩に囲われ「目つきを直せ」と言われ、髪の毛を引っ張られ怒鳴られることもあり、厳しい上下関係を目の当たりにする。そんないじめられる毎日を過ごしながらも野球を続けていた。ある時、健は試合で先発ピッチャーを任されることとなるが、相手打線につかまり交代させられる。「調子は悪くなかったのに」と落ち込む健であったがその後に、健の投げるコースと球種をキャッチャーが相手のバッターに教えていたことを知る。この出来事がきっかけで、野球部を辞めてリトルシニアの野球チームに入るのである。

『学級×ヒエラルキー』が本作の前身

格差のあった2人だが、引っ越しをきっかけに仲の良かった昔のように戻っていく

「格差社会」ではなく「格差学級」が描かれている。親の身分で、子供の身分が決まっており、親が昇進したら子供も昇進することとなっている。階層が分かれており、下の者は上の者に敬語で話すなど変わった学級の話である。少女少年学級団の前身となっており、1巻完結である。

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