少女少年学級団(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『少女少年学級団』とは『別冊マーガレット』(集英社)から連載された藤村真理の漫画。小学生たちが悩みながら、成長していく青春学園ストーリーである。野球が大好きな女の子中谷遥が、高校生で甲子園に行った経験のある田辺健に憧れる。健と一緒に過ごしているうちに憧れではなく好きという気持ちに変わっていく。自分の思いを上手く表現出来ず葛藤しながらも、周りの人や状況を受け入れながら、大人になっていく姿が描かれている。
若草第一小学校5年生として転校してくる。後に、6年2組に進級する。野球大好きな小学生の女の子。高身長で中性的な容姿から男子と間違えられることもある。周りを思いやる優しい女の子なので同級生の男子からはよくモテる。また、野球ではポジションはピッチャーで試合では先発を任される程の実力である。明るく優しい性格であるが、責任感が強いがゆえに怒るとすぐに手が出てしまう。甲子園やメジャーリーグに憧れており、そんな憧れの舞台甲子園に行ったことのある田辺健に惚れていく。将来の夢は健兄のお嫁さんと言うほど健のことが大好きで、彼の発言や行動の1つ1つを気にして喜んだり、思い悩んでは傷ついたりしていく。それを周りの言葉に励まされながら、前へと進み成長していくのである。プロ野球選手になるのが夢であり、女だからといって諦めないと強い意志がある。
田辺 渡(たなべ わたる)
田辺健の弟。遥と同級生で同じ野球チームの「リトルキャッツ」に所属している。ポジションはピッチャーで、遥とエースを争っている。お調子者だが、仲間思いである。健のことを「健兄」と慕う。健のことをヒーローであると思っていると同時に何をやっても敵わないと言う。将来の夢は、健のように甲子園に行き、プロ野球選手になること。遥には、女が野球をやっても意味がないと言っているが、遥と野球をするのが楽しい様子。いつも喧嘩をしている2人だが、遥のことが気になり好きになっていく。しかし、それが叶わない恋だと言うことを知り不貞腐れたり、意地悪したりと遥を困らせるが、遥が本気で悩んだり悲しんだりしている時には寄り添う優しい一面もある。身長が低いことがコンプレックスであり、家族1人だけ低いことが気になり、この家の子供じゃ無いかもしれないと思うぐらい本気の悩みである。同級生の一寛のことは「カズ」と呼び非常に仲が良い。野球もバッテリーを組んでおり、常に一緒にいる仲間である。苦手な物は虫。
山野一寛(やまの かずひろ)
6人兄弟の長男で、しっかり者である。中学や高校でも野球を続けたいが、兄弟が多く経済的にも厳しいので働くことにしている。遥と渡と同級生で同じ「リトルキャッツ」のキャプテンである。下級生にも慕われており、怒らない優しい性格。ポジションはキャッチャー。遥のことが好きで、1度は両思いとなり付き合うことになるが、遥にその気が無いことを知り落ち込む。そして、相手が健だと分かると、「敵わない」とコンプレックスを感じている。成績も優秀であり、クラス委員長も務めている。本当はずっと野球を続けたいと思っているが、働かないと厳しい家計状況から、今のうちに勉強も野球も全力で励むと決めている。高校生になった一寛は、通信制の学校に通いながら仕事も頑張るようになる。
三木 勇馬(みき ゆうま)
遥が引っ越しする前の野球チームで一緒であった。「集英リトルリーグ」に所属している。引っ越しをして同じ地域に住んでいるが、遥達と小学校は違う。遥のことが昔から好きで、健から引き離そうとアドレスを操作するなど色々イタズラをしながら、これから先もずっと遥の側にいると誓っている。家族関係が複雑で、母親が父親に暴力を振られていたことがあり、そのせいで母親は病んでしまい祖父母のもとに引き取られた。ライバルには負けないという強い心と、大好きな遥のことをなんとかして手に入れようとする頭脳派である。健の「母親のことはお前が守ってやれ、お前は俺が守ってやる」という言葉に張り詰めていた気持ちが軽くなる。
小玉 小絵(こだま さえ)
担任の江島先生に恋をしている。先生が結婚したと聞いた時はショックで寝込んでしまい、ネガティブな発言しかできなくなってしまうこともある。親はエステティシャンであり、遥がニキビで悩んでいる時に相談した。小学生とは思えないほど大人びており、遥や萌香の姉的存在として頼りにされている。クールでクラスの揉め事や問題にも一歩引いたところから見ている。作文の将来の夢というテーマに、「先生のお嫁さん」と書いている。相手にしない先生に対して、1人の人間として「ちゃんと向き合って」と本気で伝える。「まだ誰にも分からない未来のこと、今は叶わないと思うことでも簡単には諦めない」と言い、先生に対する本気度が分かる。
池口 萌香(いけぐち もか)
夢はモデルになることで、おしゃれが大好きな女の子。読者モデルの養成所に通うことになる。姉の美咲との関係に悩んでいたが、次第に関係が良くなっていく。美咲も遥も両方が健のことを好きだと知り、2人を密かに応援することとなる。可愛らしい容姿から、同性に反感をかうことがあり、悩むこともある。後に高校生になり、読者モデルとして活躍することとなる。
健の友人・同級生
田辺 健(たなべ けん)
高校1年生の時に甲子園でピッチャーとして活躍した経歴を持つが、肘を痛め野球を止めてしまった。遥や渡の頑張る姿を見て、もう1度野球と向き合うことを決意する。
同じ団地に住む遥のことを可愛がっており、次第に女の子として気になり始める。小学生達のヒーローでありとても面倒見が良いことから「健兄」と呼ばれ、みんなから慕われている。それぞれ悩みを持つ小学生たちに、真っ直ぐな言葉で伝え成長を見守っている。大学を卒業し、理学療法士として仕事をしている。自分が、怪我で野球ができなくなった苦しみを持つ経験から就いたと思われる。弟の渡のことが幼い時から大好きで可愛がっていた。渡の猫毛に触りたいと常日頃感じている。友人のヒロシと仲が良い。波月凛とは少年野球チーム時代で知り合い、中学は同じ学校である。野球部の先輩に絡まれている健を助けたこともある。凛の友人星野は、かつての交際相手である。
波月 凛(はづき りん)
女子校に通っている。健とは中学が同じ学校である。少年野球チームに所属をしており、野球が大好きだが、周りの男子の体格差や体力に差を感じ、諦めてしまった。健のことが好きで、渡にラブレターを渡して欲しいと頼んだが、健に渡ることなく会えないまま中学を卒業した。高校になり、健とは偶然再開する。再度想いを伝えるが、失恋する。同級生の花帆と仲良くなり、健との仲を協力してほしいと頼まれるが、最終的には自分も好きになるので協力できなくなる。そのことを、しっかり花帆に伝えた上で健に告白しているので、律儀な性格と言える。
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目次 - Contents
- 『少女少年学級団』の概要
- 『少女少年学級団』のあらすじ・ストーリー
- 健兄との出会い
- 野球が大好きだけど女の子は甲子園に行けない
- 思ってもいない突然のファーストキス
- 健兄のこと好き仲間
- 一寛との恋愛
- 波月への嫉妬
- 健兄の旅立ち
- 将来の夢はプロ野球選手と健兄のお嫁さん
- 番外編 甲子園行きを決めた瞬間
- 『少女少年学級団』の登場人物・キャラクター
- 遥の友人・同級生
- 中谷遥(なかたに はるか)
- 田辺 渡(たなべ わたる)
- 山野一寛(やまの かずひろ)
- 三木 勇馬(みき ゆうま)
- 小玉 小絵(こだま さえ)
- 池口 萌香(いけぐち もか)
- 健の友人・同級生
- 田辺 健(たなべ けん)
- 波月 凛(はづき りん)
- ヒロシ
- 花帆(かほ)
- その他登場人物
- 池口 美咲(いけぐち みさき)
- 中谷 忍(なかたに しのぶ)
- 江島啓一(えしま けいいち)
- 『少女少年学級団』の用語
- 若草第一小学校
- リトルリーグ
- タイムカプセル
- 『少女少年学級団』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 健兄「人を殴ったら自分も痛い思いすんだよな」
- 小絵「親がよく、自分の子供の頃は携帯もデジカメも無かった。数十年でこんなに世の中が変わるなんて思っても見なかった。大人だって想像もつかない未来がある。だから叶わない夢なんてないと思っている。諦めない限りいつかは叶うはずよ」
- 中谷忍「自分の思っていることを相手に伝えるのは難しいけど、すっごい大切なこと。嫌われても、今度は好かれる努力をしたらいい。試合に負けたら次勝てるように努力することと同じで勇気を出して相手に伝え、嫌われても好かれるようにすることが大切だよ。」
- 遥「なりたくないものじゃなくてなりたいものの話」
- 健兄「やりたい事あったら諦めないで道探せよ?」
- 勇馬「高校もその先もずっと俺が遥の側にいるよ」
- 『少女少年学級団』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 渡の虫嫌いはセミがきっかけ
- 中学の時健は先輩からいじめにあっていた
- 『学級×ヒエラルキー』が本作の前身