錆喰いビスコ(ラノベ・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『錆喰いビスコ』とは瘤久保慎司によるライトノベル、およびそれを原作とするアニメ、漫画である。原作は『このライトノベルがすごい!』初の快挙となる、総合と新作の1位にランキングされた。舞台は防衛兵器が暴走したことが原因ですべてを錆びつかせてしまう錆び風が吹き荒れる日本。その中で、赤星ビスコと猫柳ミロがタッグを組みお互いの信頼の深め、運命にあらがっていく様子を描いた物語である。

錆びの海に沈むビスコが自分を殺すようにミロに頼んだ際に、ミロが言った言葉が「いつか僕が引きちぎれて粉々になって、魂だけになったら…君にまた会える?」である。この言葉にビスコは「うん、また会えるさ」と返す。相棒として、ずっと一緒にいられると思っていたビスコが目の前で死を迎える。それを受け入れたくないミロに対し、ビスコは魂は死なずずっとそばにいると言うのだ。ミロはその言葉を受け入れ、ビスコに止めを刺すことを決心する。いつの日にか必ず再会できると信じるミロの気持ちが伝わるセリフである。

ビスコ「俺のことはお前が分かっている。それでいい」

最後の決戦で甦ったビスコは異常な体質になっていた。原因を分析するミロとは対照的に、ビスコはそれほど自分の変化に関心を見せない。ミロから気にならないのかと問われたビスコは、「俺のことはお前が分かっている。それでいい」と答えた。シンプルだが、旅を共にして築いてきた二人の信頼関係を感じ取ることができる名セリフである。

『錆喰いビスコ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作品テーマは「愛」

ライトノベルの著者・瘤久保慎司は、作品のテーマは「愛」であり、人間の生命力やどんな境遇でも生きていく力をに対する賛歌を書きたかったと語っている。本作には家族愛、師弟愛、姉妹愛といった様々な形の「愛」が登場する。ビスコとミロの関係も「相棒愛」のようなひとつの愛情の形である。ビスコとミロの間の愛は特に多く描かれており、ミロがビスコのことを「愛している」と言うシーンもある。このシーンを受けてファンの間には「ミロは女性で、二人は恋人同士では?」という反応もあった。しかし、実際にはミロは男性であり、二人は恋愛とは異なる別の形の愛情で結ばれた関係である。

作者の療養中に生まれた作品

以前はゲーム会社のプランナーだった瘤久保慎司。しかし体調を崩して療養することになり、その時に『錆喰いビスコ』を書いた。その後退社した瘤久保は、本格的に小説を書き始める。そして第24回電撃小説大賞で銀賞を獲得し、デビューすることになる。

キノコは中立の存在

『錆喰いビスコ』ではキノコが中心に話が進んでいく。原作者の瘤久保慎司がキノコを取り上げたのは善悪もなく、ただ生きている、中立で生命力のあるものであると捉えたからである。作中でもキノコが使用するものによって良い使われ方も悪い使われ方もされているところからも、そのことが伺える。

ジャビの包帯の巻き方は『ルパン三世』のオマージュ

3話でジャビの体に包帯が巻かれているシーンがある。このシーンの包帯の巻き方は、映画『ルパン三世 カリオストロの城』のオマージュ。傷付いたルパンの体に包帯を巻いている時と同じ巻き方になっている。

錆び風によって変化した日本

錆び風の影響で日本列島は以前とは全く異なる場所へと変化している。画像にあるように、場所によっては錆が強くて立ち入れないところや、壁や関所が設けられたところもある。そのほか、生物も錆び風の影響で異形へと進化している。

『錆喰いビスコ』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):JUNNA「風の音さえ聞こえない」

作詞はeijun、作曲・編曲はR・O・Nが担当。

ED(エンディング):ビスコ(鈴木崚汰)、ミロ(花江夏樹)「咆哮」

ビスコ役の鈴木崚汰とミロ役の花江夏樹によるデュエット曲。作詞・作曲・編曲は椿山日南子が担当。

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