「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」について徹底解説!賛否両論を呼んだ異色作!

『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』は大きな話題となり評価を得た一方で、賛否両論を呼んだコナン史上最大の異色作でもあります。この記事では、この作品のテーマ性と世界観について解説していきます。なお、ネタバレ満載な上に文字ばかりなので、すでにご覧になった方、長文を読むのが好きな方にオススメです。

そうそうたるテーマ性ですよね。流石野沢さんといったところでしょうか。こういった脚本が最近のコナン映画、もとい邦画にないのが残念でなりません。

しかし野沢さんは自殺されてしまい、この作品が最後に手掛けた映画の脚本だそうです。「ミュウツーの逆襲」の首藤さんといい、素晴らしい脚本家の方々が亡くなってゆくのが哀しいです。

◎世界観

◆パラレル・ワールド - 過去の意志が現在に及ぼす影響

出典: m.facebook.com

ヒロキ君が作り上げた1年で5歳分成長する人工頭脳は、2年の時を経てコナンたちのいる現在へと影響を及ぼします。つまり、人工頭脳さえ作らなければ決してコナンたちとは出会うこともなければ、影響もありません。ここにパラレル・ワールド性(=決して交わることのない平行世界)を見出せるように思えます。パラレル・ワールドというのは「時をかける少女」といった作品にもみられるように、ファンタジー作品に多く見られます。すなわち、この作品はある意味ファンタジーなのです。コナン世界は(一応)物理的法則や一般的な世界観に則ったリアリティを重視していますが、コナンでファンタジーを見せるといった新鮮味がこの作品では味わえます。当時の興行収入が高かったのも、この影響もあるのではないでしょうか。

◆仮想体感ゲーム「コクーン」

出典: www.geocities.jp

人間を催眠状態にして、意識のみをゲーム内で活動させるというシステムです。人間の五感はすべてコンピューターに支配されます。「マトリックス」とかにあるアレと似たようなものです。ここにもこの作品のファンタジー性が伺えます。

*ちなみに…

私が大学の哲学の授業を取っていたとき、試験の論述問題で「脳死は人の死ではないと一般的に考えられている。その根拠を述べよ」といった問題が出まして、私はこの作品をもとに論述を完成させました。
子供たちは「コクーン」に人間の意識を吸い取られ、またノアズ・アークにゲームを支配され、意識が戻らない《疑似脳死状態》へと陥いる。しかしこのことについて見ている親たちは、当初進んで体験をさせようとしていたばかりか、そのなかの一人が怒って助け出そうとするまで何の行動も起こそうとはしない。これは人間の意識はなくても、身体活動が行われていれば(=心臓が動いていれば)、人間は死んでいるとはいえないという一般的な考えを示しているように思える。よって一般的に脳死は人の死とは言い難い。
といった内容でした。この作品には哲学的に考察をする余地もあるという、余談でした。

まとめ - コナン世界では珍しくファンタジー要素を取り入れた内容で、普段とは異なるコナン作品を楽しめる。

いかかだったでしょうか。子どもの頃に見たけど、こんなに深い作品だったんだ!と思っていただければ私もうれしいです。メディアで引っ張りだこに遭うような「話題作」とは違います。しっかりした「中身」があるのです。是非とも、この傑作を、改めて観てみてください。

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