【超大作】教科書に載らない暗い歴史…「親なるもの 断崖」を徹底紹介!
曽根富美子の『親なるもの 断崖』は、昭和初期の北海道に実在した幕西遊郭を舞台にした物語。思わず目をそらしたくなるような生々しい描写が特徴的なヘビーで残酷な作品ですが、史実を元にした物語は一見の価値があります。
ネット広告などで紹介され、じわりじわりと知名度を増している『親なるもの 断崖』について紹介します。
この時代、北海道で大規模な鉄道工事が行われていました。これにより、室蘭にはタコ部屋と呼ばれる重労働など、男性移住者がたくさん押し寄せ、遊郭が発達したようです。
出典: ameblo.jp
遊廓に身を投じた女性達は、沢山単身で北海道に乗り込んだ男共の一夜妻として、開拓の最前線にいたのです。
幕西遊郭の文書は殆ど残っていないそうですが、数年前に見つかった「精算帳」には1000円で家一軒立つ時代に娼妓1人平均の借金が963円、1カ月の稼ぎである「玉代(たまだい)」は11円から49円との記述があったそう。
そういう生活を強いられていた女性が江戸時代ではなく、昭和32年まで存在していたとはかなり衝撃でした
出典: blog.goo.ne.jp
幕西遊廓跡@室蘭・北海道赤線遊郭跡巡り鉄旅08 - 世界潜水旅行倶楽部の世界潜水旅行ガイド
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裏口から遊女が逃げようとしてもそこは断崖絶壁だもの
昭和32年に法律によって遊郭は廃止になったけれども密かに続いていたのではないでしょうか
江戸時代のイメージが強い遊郭が、戦後まで存在していたのには驚き。
身売りされた女郎の運命
江戸時代ではないのですが、昭和初期の遊女は一日平均して五人以上の客を取っていたようです。大正時代、娼妓として売られた森光子の『光明に芽ぐむ日』によると、一日十二人を相手にすることもありました。
出典: hiwa.sarashi.com
おらは女郎よ、人間としての扱いを受けて生きることを許されてはいない。おらは家畜にも劣る身の汚れた女よ。 ―夕湖(お梅)。
— oyadan_bot (@oyadan_bot) May 5, 2015
10代前半の少女の言葉だと思うと切ない。(夕湖とは梅の源氏名)
生理中も見世側が許す休みは二日程度であり、それ以上休みたければ馴染みの客や間夫(恋人)に来てもらうか、『身上がり』といって自分で自分の玉代(花代)を支払わなければなりませんでした。借金が増えることを恐れて二日の休みも取らないで働く妓は多く、その分 体を壊すことになりました。
出典: hiwa.sarashi.com
女郎のほとんどが淋病・梅毒などのあらゆる性病(花柳病と婉曲に表現)に感染していたことが知られております。
出典: okwave.jp
足抜き(逃亡)を企てれば折檻による死が待つのみ、誰が親かも判らない子を妊娠したら強制的に堕胎させられ、体を売っての稼ぎもピンハネされていつまで経っても借金を返済できない…。
梅は遊郭で妊娠するが、子を堕ろしたその日も客を取らされた。
何人もの男に抱かれても化粧品代、着物代などで けして消える事のない借金
出典: sps.k-manga.jp
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結婚を機に遊郭を脱したとはいえ、生きにくいのは想像に容易いですが、その実際は想像上回りました。酷いです。子供の道生の成長にもずっと付きまといまうのです。
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史実に基づいたリアルな描写
資本主義社会の底辺でひもじい思いをした民衆、また歴史の中でもあまり語られる事のない労働者や遊郭の女郎達のリアルな生き様、葛藤がリアルに描写されてます。