パレス・メイヂ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『パレス・メイヂ』とは、2012年7月より久世番子(くぜばんこ)が『別冊花とゆめ』にて連載した宮廷ロマンス系少女漫画。架空の明治時代を舞台に、少女天皇・彰子と、彼女に仕える子爵家の次男・御園公頼が互いを尊重し、身分の差を飲み込みながら緩やかに惹かれあう様を描いた物語。筆者はデビューこそ少女漫画であったものの、『暴れん坊本屋さん』をはじめとしたエッセイコミックをメインに活動しており、少女漫画はこの作品が6年ぶりとなっていた。
宮中の雑用を務める仕人(つこうど)で、先帝の時代から宮殿に仕えている。侍従職出仕の任を解かれ、下働きとなった公頼の指導に当たる。長く宮殿に身を捧げてきたことから忠義者と評されていたが、その心にあったのは忠義ではなく、明慈帝への思慕であった。公頼に指輪を返却し、威彦に見つかる前にその指輪を彰子に返すべきだと進言する。
宮殿外の人々
お律(おりつ)
御園家の使用人。常に優しく接してくる公頼に好意を寄せている。それ故に彰子のことで思い悩む公頼に彰子を諦めるよう進言することもあれば、逆に彼自身を信じるよう激励することもある。仕事が早いだけでなく、当時の女性としては珍しく文字を読むこともできる。
佐伯(さえき)
帝都日日新聞の記者。宮殿内のゴシップ記事を書きたがっているが、必ず取材に基づいた記事を書くという信念を持っている。そのため震災時に他社が出した流言飛語に溢れる新聞に憤っていた。
御園子爵家当主
公頼と静子の兄。名前は未登場。かつて侍従職出仕として出仕したこともあるが、女官たちの悪口を言って嫌われ、一日でやめた過去を持つ。現在御園家が借金を背負っているのは彼らの父親と彼の金遣いのせいである。小心者、見栄を張り勝ちな身勝手さが目立つが、震災時にはぐれた公頼を探して共に避難しようとするなど、家族への愛情はある。
御園 静子(みその しずこ)
公頼の姉。金銭的な援助目当てに成金の虎田に嫁がされそうになるのを嘆いていたが、それを防ぐために公頼が出仕することになる。公頼を可愛がっているものの、着物や遊ぶことが大好きで即物的な面も目立つ。そのため後に兄に「着物を売るか、虎田に嫁ぐための花嫁衣裳を着るか」と選択を迫られ、豪華な花嫁衣装に喜んで虎田に嫁いでいった。
お富(おとみ)
御園家の使用人。よく仕えていたが、膝を悪くして職を辞する。
虎田(とらだ)
成金。家名欲しさに静子を後妻にもらおうとしていたが、一度は保留にされる。後に改めて静子と結婚し、御園家の借金を肩代わりする。
黒田(くろだ)
修学院に通う公頼の友人で、学年主席。成績のあまりよくない公頼に勉強を教えたり、負傷時に見舞いに来るなどいい友人関係を築いている。
『パレス・メイヂ』の用語
侍従職出仕(じじゅうしょくしゅっし)
公家華族の十代の子息が学校に通いつつ、帝に仕える制度。期間は二、三年で、報酬も幾許か支払われる。宮中に上がるのは大変名誉なこととされる。
表御座所(おもてござしょ)
帝が政務を行う場所。女子禁制であり、侍従達が仕える領域。
奥御座所(おくござしょ)
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目次 - Contents
- 『パレス・メイヂ』の概要
- 『パレス・メイヂ』のあらすじ・ストーリー
- プロローグ
- 惹かれあうも、障害は多く
- 災害にて気付くもの、変わるもの
- 変えるでも、捨てるでも、壊すでもなく
- エピローグ
- 『パレス・メイヂ』の登場人物・キャラクター
- 宮殿の人々
- 御園公頼(みその きみより)
- 彰子(あきこ)
- 鹿王院宮威彦(ろくおういんのみや たけひこ)
- アスター夫人
- 東宮(とうぐう)
- 真珠の掌侍(しんじゅのしょうじ)
- 久我理彦(くが みちひこ)
- 東辻実親(とうつじ さねちか)
- 松葉の典侍(まつばのすけ)
- 侍従長(じじゅうちょう)
- 明慈帝(めいぢてい)
- ロン
- 徳大寺(とくだいじ)
- 柏木(かしわぎ)
- 宮殿外の人々
- お律(おりつ)
- 佐伯(さえき)
- 御園子爵家当主
- 御園 静子(みその しずこ)
- お富(おとみ)
- 虎田(とらだ)
- 黒田(くろだ)
- 『パレス・メイヂ』の用語
- 侍従職出仕(じじゅうしょくしゅっし)
- 表御座所(おもてござしょ)
- 奥御座所(おくござしょ)
- 渡御廊下(とぎょろうか)
- 鶏の杉戸(とりのすぎと)
- 天長節(てんちょうせつ)
- 『パレス・メイヂ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 公頼「陛下の籠になりとうございます!」
- 威彦「鳥と番になれるのは鳥だけだ」
- 『パレス・メイヂ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「宮殿」のモデルはかつて実在した「明治宮殿」
- 『パレス・メイヂ』は当初、1話読み切りで終わる予定だった