とらドラ!(ラノベ・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『とらドラ!』とは、竹宮ゆゆこによる日本のライトノベルであり、これを原作としたラブコメ作品である。登場人物たちの感情表現が豊かであり、個性的なところが魅力であり見どころである。2008年10月より、全25話を放送。目つきの悪さから、不良と勘違いされてしまう高須竜児は、密かに同じクラスの櫛枝実乃梨に惚れていた。ある日、小柄で清楚な美少女だが、凶暴な性格である、逢坂大河は同じクラスの北村祐作宛のラブレターを間違えて竜児の鞄に入れてしまった事から、お互いの想い人がお互いの親友であることを知ってしまう。

『とらドラ!』の概要

『とらドラ!』とは、竹宮ゆゆこによる日本のライトノベルであり、これを原作としたラブコメ作品である。イラストはヤスが担当。2006年から2009年にかけて電撃文庫(メディアワークスおよびアスキー・メディアワークス)より本編全10巻、著者・イラストレーターによるスピンオフ『とらドラ・スピンオフ!』全3巻が刊行された。小説・漫画については日本国外において翻訳版が刊行されている。恋愛や家族関係など、それぞれに悩むところのある高校生たちの学生生活を描く作品。 タイトルは本作の登場人物、逢坂大河のあだ名「手乗りタイガー」(とら)と、高須竜児の「竜」(ドラゴン)に由来する。2008年10月よりテレビ東京系列6局およびAT-Xで放送、2009年2月よりKTS(鹿児島テレビ放送・ひようたん書店枠)にて放送。監督は長井龍雪、シリーズ構成は岡田麿里、キャラクターデザインは田中将賀。J.C.STAFFによるアニメーション制作で全25話完結。
高須竜児は、生まれつきの目つきの悪さから、不良と勘違いされてしまうような人間だが、温厚で優しい人間であり、密かに同じクラスの櫛枝実乃梨に惚れていた。逢坂大河は、小柄で人形のような清楚な美少女だが、凶暴な性格で手乗りタイガーと揶揄されており、密かに同じクラスの北村祐作に惚れていた。ある日、大河が間違えて竜児の鞄に北村宛のラブレターを入れてしまった事から、竜児は大河の好きな人が北村であることを知ってしまう。そして、竜児は実乃梨が好きだと大河にカミングアウトしてしまう。竜児と大河の好きな人がお互いの親友であったことから、共同戦線を結ぶことになり、お互いの恋を応援することから物語は始まる。

『とらドラ!』のあらすじ・ストーリー

「とら」と「ドラゴン」

高須家で朝ごはんを食べる大河(右)、竜児(左)、竜児の母親の泰子(真ん中)

4月。密かに思いを寄せる同級生の櫛枝実乃梨(くしえだ みのり)と同じクラスになれたことに心浮かれていた高校生の高須竜児(たかす りゅうじ)は、実家の窓越しに行き来できるところに越してきたクラスメイトの逢坂大河(おうさか たいが)に、実乃梨への恋心を知られてしまう。
小柄ながら気が強く、“手乗りタイガー”の異名で知られる大河は、実乃梨と親しい関係にあった。さらに彼女は竜児の友人である北村祐作(きたむら ゆうさく)に恋をしており、互いが互いの友人に想いを抱いていることが判明。大河にむりやり巻き込まれるような形で、竜児は彼女と祐作との仲を取り持つためにあれこれと働かされることとなる。

一方、竜児もまた大河に「実乃梨とうまくいくよう協力してほしい」と頼み込み、2人は互いの恋愛成就のために結託。しかし天然気質な実乃梨は竜児のアプローチにまったく気づかず、祐作を前にすると緊張でうまくしゃべれなくなる大河は彼と落ち着いて話すこともできず、2人の恋はそれぞれに遅々として進まないのだった。
そうこうする内、生活能力皆無で独り暮らしをしている大河は毎日のように高須家に押しかけるようになり、竜児の母親の泰子(やすこ)と意気投合。竜児は竜児で世話好きな気質を発揮して大河の日常生活を支えるようになり、2人は家族のような関係を築いていく。

交錯する恋心

それでも竜児と大河のそれぞれの恋は少しずつ進展し、やがて「よく一緒に遊ぶ異性の友人」といった関係を築くことに成功。4人で行動することが多くなる。その仕込みのために竜児と大河は交流を重ね、互いの良いところも悪いところも知っていき、それぞれの恋愛が進んでいくのを嬉しく思う一方で、どこか“寂しい”とも感じるようになっていく。

そんなある日、クラスに川嶋亜美(かわしま あみ)という少女が転入してくる。亜美はモデルをしていたのだが、ストーカーに狙われるようになり、休業と転入を余儀なくされるという身の上にあった。竜児たちはふとしたきっかけから彼女のストーカー退治に一役買うこととなり、亜美と親しく交流するようになる。
仕事柄人を見る目に長ける亜美は、竜児が実乃梨に、大河が祐作に恋をしていること、そして竜児と大河の間にも並みならぬ絆が芽生え始めていることに気付き、「自分もその絆の中に加えてほしい」との思いを抱く。しかし生来の天邪鬼的な気質が邪魔をして素直に言い出せず、彼らの恋模様を付かず離れずの位置から引っ掻き回すことに終始する。

本当に大切な人

もっとも惹かれた竜児の心に、本人も気付かない大河への強い想いがあることを察した亜美は、彼らから距離を取る道を選ぶ。ここに至って竜児と大河は自分たちが本当に求めているのが互いの存在であることを漠然と理解するようになるも、その大切な相手に協力させながら築いた実乃梨と祐作との関係を放棄することもできず、彼らの関係は迷走していく。
そんな中、竜児と大河は互いの家族が抱える問題を知ることとなる。高須家は母子家庭で、若くして竜児を産んだ泰子は「息子には大成してほしい」との思いを抱き、彼の大学の学費を稼ぐために無理を押して働いていた。一方の竜児は、「母親に楽をさせたい」との思いを持っており、そのために早く就職することを望んでいた。互いが互いを思うからこそ両者の気持ちは擦れ違い、泰子はむりやりにでも竜児を従わせようとする。

一方、大河は資産家の娘ではあったが継母との折り合いが悪く、新しい妻との関係を優先した父から腫れ物扱いされていた。生活能力の無い彼女が独り暮らししていたのも、強がりを通り越してやたらと言動が攻撃的なのも、全ては父との関係がうまくいっていないことが原因だった。家族に散々に振り回されたあげく、経営する会社が倒産した父が継母と一緒に夜逃げしてしまったことで、大河は天涯孤独となってしまう。
互いの家庭問題を知った竜児と大河は、協力してこれを乗り越えようとするも、高校生でしかない彼らに「大人の事情」と「現実」という壁はあまりにも巨大な存在として立ち塞がった。ならばと、竜児は実乃梨との関係を清算して大河にプロポーズする。たとえ未成年でも、結婚さえしてしまえば、社会は自分たちを一人前として扱ってくれる。一番大切な人を守るため、自分の中にある本当の想いを貫くため、竜児は大河に「俺が18になったら嫁に来い」と告げるのだった。「自分が先に言うつもりだったのに」と憤慨しつつ、大河は竜児の告白を受け入れる。

想い重なる時

卒業式の日、かつて竜児たちと共に過ごした教室で、掃除用具箱の中から出てきた大河

共に生きていくことを誓い、駆け落ちする決意を固めた竜児と大河。実乃梨、祐作、亜美は「賛成できないが協力する」という立場を取り、自分たちの貯金を持たせて2人を送り出す。
取り立てて行くあても思いつかず、絶縁していた竜児の祖父母の家に向かった竜児と大河は、そこで改めて互いの想いを確かめる。その後「あれほど仲の良かった高須親子が仲違いしたままでいるのは悲し過ぎる」と考えた大河の提案により、竜児と泰子は和解。祖父母との関係も修復する高須家の人々を見て、大河は「自分だけいつまでも家族の問題から逃げていていいのか」と悩んだ末に竜児の前から去り、夜逃げした父や継母を追ってもう一度彼らと向き合う道を選ぶ。

大河が何も言わずに姿を消したことに戸惑うも、竜児は「きっと何か理由がある、いつかまた会える」と信じて彼女を待ち続ける。元の家に戻り、実乃梨や祐作、亜美たちと普通の高校生活を過ごし、やがてやってきた卒業式の日、竜児は学校の廊下を見慣れた小柄な少女が歩き去っていく姿に気付く。
これを追い、かつて共に過ごした教室で、竜児は大河と再会を果たす。「好きだ」と改めて伝える竜児に、大河は照れ隠しの頭突きを見舞うのだった。

『とらドラ!』の登場人物・キャラクター

主要人物

高須 竜児(たかす りゅうじ)

CV:間島淳司

本作品の主人公。父親ゆずりの目つきの怖さと三白眼から不良やヤンキーと勘違いされがちで、コンプレックスとなっているが、実際は温厚で面倒見が良く、かつ真面目で几帳面な性格、成績優秀・品行方正を地で行く優等生で、めったに怒ることはない。母子家庭で、母親である高須泰子と2人で暮らしている。家事は万能で、食事も竜児が作っており、裁縫と掃除も得意である。特に掃除に関しては没頭するほど好きで、小さな汚れも見逃さない掃除マニアである。実乃梨に好意を抱いており、ある出来事から大河の恋愛事情を知り、お互いの恋愛成就に向けて協力し合い、大河の生活やドジの後始末などの面倒を見るようになる。

逢坂 大河(あいさか たいが)

CV:釘宮理恵

本作品のヒロイン。小柄な体格をし、ふんわりとした長い髪で「人形のよう」とも評され、一時は多くの男子生徒から告白されたほどのルックスだが、実際は大変な凶暴さで恐れられている。その性格と一風変わった名前、小柄な体格から「手乗りタイガー」のあだ名を持つが、本人は変わった名前と体格に劣等感を抱いている。料理・洗濯・掃除・整理整頓・その他家事全般が苦手であり、キッチンのシンクを半年間放置し腐臭を漂わせた。自転車にも乗れない。カレーは甘口しか食べられない。高須家の隣にある高級マンションで一人暮らしをしている。生活能力はほとんどなく、親から振り込まれる金銭により生活している。実乃梨とは親友で非常に仲が良く、動物のように甘える。竜児の親友である北村祐作に好意を抱いているが、本人の前に立つと緊張し、言動・挙動がおかしくなり、ドジが災いして上手くいかない。竜児とはある出来事がきっかけで竜児の恋愛事情を知り、お互いの恋愛成就のために協力し合うことになる。二人で行動するうちに竜児に対して特別な感情を抱くようになり、それが裏目に出て竜児に依存している事に気付く。

櫛枝 実乃梨(くしえだ みのり)

CV:堀江由衣

大河と親友であり、同じ2年C組。愛称は「みのりん」。性格はとても活発で明るい。天然マイペースなキャラが特徴的。明るい性格故に誰とでも打ち解ける事ができ、竜児からは「太陽」と称される。女子ソフトボール部キャプテン。祐作とは部活関係から仲が良い。竜児が密かに思いを寄せている人物。竜児とはほとんど話したことがなかったが、ある時を境に好意を寄せることになる。しかし、大河のことを気遣うあまりに自分の気持ちをごまかしてしまうことが多くなり、その煮え切らない態度が一時的に亜美との不和を生むことになってしまう。

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