
『アサシン クリード シンジケート』(Assassin's Creed Syndicate)とは、フランスのユービーアイソフトより発売されたステルスアクションアドベンチャーゲーム。2007年に第一作が発売された人気ステルスアクションアドベンチャーゲーム『アサシン クリードシリーズ』の9作目にあたり、本作リリース前年の2014年に発売された『アサシン クリード ユニティ』の続編となっている。舞台は19世紀ロンドン。世界征服を目論むテンプル騎士団の支配に対し、自由を求めて立ち上がる双子の奮闘を描く。
『アサシン クリード シンジケート』の概要
『アサシン クリード シンジケート』(Assassin's Creed Syndicate)とは、フランスのユービーアイソフトより発売されたステルスアクションアドベンチャーゲーム。北米では2015年10月23日、日本では2015年11月12日に発売された。PlayStation 4やXbox One、Microsoft Windowsなどの端末でプレイすることができる。2007年に第一作が発売された人気ステルスアクションアドベンチャーゲーム『アサシン クリードシリーズ』の9作目にあたり、本作リリース前年の2014年に発売された『アサシン クリード ユニティ』の続編となっている。
1868年、産業革命期ヴィクトリア朝のロンドンを舞台としており、広大なオープンワールド形式で探索や戦闘が楽しめるほか、シリーズ中最も新しい時代を舞台としていることで話題となった。シリーズで共通した既存の三人称視点のワールド探査が踏襲されているが、移動、戦闘、ステルスなどのすべてにおいて、従来とはシステムが刷新されている。移動中の乗り物の上をパルクールで飛び越えてターゲットを追ったり、強奪した馬車を駆って何でもありのストリートレースに参加するなど、自由度の高いゲームが楽しめる。
犯罪組織によって世界を支配しようとする「体制側」のテンプル騎士団に対し、各組織をまとめ上げて対抗を目論むジェイコブ・フライとエヴィー・フライの双子。
得意分野も思想も違う彼らが、時には衝突しながらも、支配に苦しみ、貧困に喘ぐロンドンの市民たちを救うために奮闘する姿を描いている。
実在する当時の歴史上の偉人や、「切り裂きジャック」などの大犯罪者が登場していることでも知られている。
『アサシン クリード シンジケート』のあらすじ・ストーリー
立ち上がる双子のアサシン
1868年、産業革命のロンドンでは、蒸気機関と工場が街を覆い、市民たちの貧富の差が広がっていた。都市はクロフォード・スターリックが率いるテンプル騎士団の支配下にあり、警察も政治も腐敗しきっていた。そこで生きる民衆は搾取され、自由は失われつつあった。
そんな時代に、アサシン教団に所属する双子のジェイコブ・フライとイヴィー・フライの姉弟がロンドンに現れる。彼らは教団の理念に従い、テンプル騎士団の手から街を取り戻そうとロンドンへやってきたのだ。
ジェイコブは力と行動で敵を打ち倒すことを信条とし、イヴィーは知略と規律を重んじる慎重派。二人は同じ目的を持ち、手段の違いからしばしば対立しながらも強い志で任務にあたる決意をしていた。
ロンドンに到着したフライ姉弟は、テンプル騎士団の幹部たちが支配する各地区を調査し、まずはギャングチーム「ブライターズ」によって押さえられた街の支配構造を崩すことを決意する。ジェイコブは市民を味方につけ、自警団兼反乱組織である「ルークス」を立ち上げた。彼は圧倒的な武力で敵対勢力を打ち倒し、テンプル騎士団の拠点を次々と制圧していく。
この一方、イヴィーはアサシンとしての使命を重視し、古代遺物「エデンのかけら」を探し求める。かつて神話の時代に作られ、人の心を支配する力を持つとされるそれを、テンプル騎士団の手に渡らせるわけにはいかなかったからだ。
双子の衝突と和解
二人はそれぞれの信念に基づいて各自で行動を重ね、ロンドンの解放を進めていった。ジェイコブは発明家アレクサンダー・グラハム・ベルの協力で最新の武器や装備を手に入れ、工場主や武器商人、銀行家などに散りばめられていた、テンプル騎士団の有力者を次々に暗殺する。
市民たちは次第に彼らを「自由の象徴」として支持するようになるが、この一方でジェイコブの強引なやり方は思わぬ副作用も生んでいた。倒した勢力の空白地帯では新たな犯罪がはびこり始め、街は混乱に包まれ始めていったのだ。
イヴィーはジェイコブを諫めて「力で壊すだけでは意味がない」と忠告したものの、ジェイコブは聞き入れることはなく、二人の溝は深まっていく。
やがてジェイコブはスターリックの部下たちをすべて倒し、ついにロンドンを支配する勢力の中枢へと狙いを定める。その頃、イヴィーはついに「エデンのかけら」の在り処を突き止めていたが、これをスターリックがすでに手にしてしまっていることを知るのであった。
エデンのかけらの力は現実をねじ曲げ、心を支配するほどの強力な支配力を持つものだった。スターリックはこの力を使い、ロンドン全土を完全に掌握しようとする。
スターリックの計画が動き出し、街は再び混沌に沈んでいった。狂っていく街を目の当たりにしたジェイコブは、自らの行動が状況を悪化させていたことを悟り、イヴィーと再会して謝罪する。二人は和解し、協力してスターリックを止める決意を固めるのであった。
最終決戦とロンドンの解放
最終決戦の火ぶたは、バッキンガム宮殿で落とされることになった。ヴィクトリア女王を招いた正式な晩餐会で、スターリックは「エデンのかけら」の力を用いて自らを神に等しい存在へと変えようと目論んでいたのだ。彼の企みを見抜いたジェイコブとイヴィーは宮殿に潜入し、立ちはだかる護衛や騎士団の幹部たちを倒しながらスターリックのもとへ向かう。
激しい戦闘を乗り越えた双子は超人的な力を得たスターリックに挑み、ついに彼を打ち倒すことに成功する。
スターリックの死とともにエデンのかけらの力は失われ、ロンドンの街は再び静けさを取り戻した。双子は各々の使命を全うする道を選び、ジェイコブは街に残って人々を導き、イヴィーはアサシンとして、エデンのかけらを安全な場所に封印した。
こうして、ロンドンはテンプル騎士団の支配から解放された。ヴィクトリア女王は二人の功績を公に称える。
平和になったロンドンで、イヴィーが仲間のアサシンであるヘンリー・グリーンと共に教団の任務を継続する一方、ジェイコブはルークスのリーダーとして市民を守り続けていた。姉弟は道を分かち、それぞれの人生を歩みながらも、互いの信念を理解し合った上で、それぞれに課されたアサシンとしての使命を果たしていくのであった。
時は流れて現代。テンプル騎士団が率いるアブスターゴ社は世界征服を諦めることはなかった。彼らはエデンのかけらを探して再び動き始め、アサシン教団はそれを阻止するために動き続けていたのだ。
フライ姉弟の功績でロンドンは解放されたが、彼らの意志を継ぐものたちの戦いはまだまだ続いている。
『アサシン クリード シンジケート』のゲームシステム
二人の主人公システム
プレイヤーはジェイコブ・フライとイヴィー・フライという双子のアサシンを自由に切り替えながら進行する。本作最大の特徴ともいえるシステム。
接近戦やギャング運営に特化したジェイコブと、潜入などの隠密スキルや科学的知識に特化した、ステルスプレイ向きのイヴィーを切り替えることが可能。任務によって得意分野が異なっているため、ストーリーミッションの一部はどちらか限定で進行する。
この切り替え要素が、シリーズにおけるプレイスタイルの幅を大きく広げた。
産業革命期のロンドンを股に掛けるオープンワールド

前作『ユニティ』から続く、大規模なオープンワールド設計をさらに発展させたオープンワールドも本作の魅力だ。産業革命の真っ只中にあるヴィクトリア朝ロンドンを、ホワイトチャペル、シティ・オブ・ロンドンなどの6つの大区画に分け、細密に再現している。馬車・蒸気機関車などの交通手段や、一定エリアを制圧してギャング「ルークス」を拡大していく支配システムも導入された。その土地に住む市民たちの労働や貧困、産業など、時代的リアリティを背景にした群像演出を壮大なスケールで楽しむことができる。
ギャング運営システム
アサシン教団の拠点運営を現代的にアレンジした要素で、シリーズ初の「都市支配シミュレーション要素」として導入された。
プレイヤーはジェイコブを中心に「ルークス」という自警団兼ギャングを率い、テンプル騎士団系ギャングの「ブロウズ」という敵勢力と抗争する。
各地区での「ボス戦」や「誘拐」「救出」などのサブミッションをクリアして支配率を上げることで、その地区をルークスの支配下に置くことができる。この抗争中には、仲間を呼び出して戦闘に参加させることも可能となっている。
ロープランチャーによる垂直移動
新登場の便利アイテム「ロープランチャー」を使用することで、移動のテンポを劇的に改善することができる。高所へ一気に登ることや、建物間をジップラインのように滑走移動することはもちろん、ステルス潜入時の素早い屋上移動なども実現し、複雑なロンドンの街並みでも快適な移動が可能となっている。
現代編とデータ解析パート
本編の進行と並行して、現代ではアブスターゴ社が新たな遺伝子記録を探索する、現代編のストーリーも展開する。
プレイヤーはアニムスの新システムである「ヘリックス」を通じて過去を体験する形になっており、この設定は後のシリーズ(特に『オリジンズ』以降)へ繋がる重要な橋渡しとなっている。
『アサシン クリード シンジケート』の登場人物・キャラクター
アサシン教団関係者
ジェイコブ・フライ(Jacob Frye)
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目次 - Contents
- 『アサシン クリード シンジケート』の概要
- 『アサシン クリード シンジケート』のあらすじ・ストーリー
- 立ち上がる双子のアサシン
- 双子の衝突と和解
- 最終決戦とロンドンの解放
- 『アサシン クリード シンジケート』のゲームシステム
- 二人の主人公システム
- 産業革命期のロンドンを股に掛けるオープンワールド
- ギャング運営システム
- ロープランチャーによる垂直移動
- 現代編とデータ解析パート
- 『アサシン クリード シンジケート』の登場人物・キャラクター
- アサシン教団関係者
- ジェイコブ・フライ(Jacob Frye)
- エヴィー・フライ(Evie Frye)
- ヘンリー・グリーン(Henry Green)
- ジョージ・ウェストハウス(George Westhouse)
- ロンドンの人々
- フレデリック・アバーライン(Frederick Abberline)
- クララ・オディー(Clara O'Dea)
- アレクサンダー・グラハム・ベル(Alexander Graham Bell)
- ネッド・ワイナート(Ned Wynert)
- ロバート・イグナティウス・トッピング(Robert Ignatius Topping)
- アグネス・マクベイン(Agnes MacBean)
- ナイジェル・バンブル(Nigel Bumble)
- チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)
- チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)
- リチャード・オーウェン(Richard Owen)
- カール・マルクス(Karl Marx)
- フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale)
- ベンジャミン・ディズレーリ(Benjamin Disraeli)
- メアリー・アンナ・ディズレーリ(Mary Anne Disraeli)
- ウィリアム・グラッドストン(William Gladstone)
- ドゥリープ・シング(Duleep Singh)
- ヴィクトリア女王(Queen Victoria)
- ヘンリー・レイモンド(Henry Raymond)
- アーティ(Artie)
- ブリンリー・エルズワース(Brinley Ellsworth)
- 敵対組織の人物
- クロフォード・スターリック(Crawford Starrick)
- ルパート・フェリス(Rupert Ferris)
- デイビット・ブルースター(David Brewster)
- ジョン・エリオットソン(John Elliotson)
- ルーシー・ソーン(Lucy Thorne)
- マルコム・ミルナー(Malcolm Millner)
- パール・アタウェイ(Pearl Attaway)
- フィリップ・トゥーペニー(Philip Twopenny)
- マクスウェル・ロス(Maxwell Roth)
- 第7代カーディガン伯爵 ジェームズ・トーマス・ブルデネル(James Thomas Brudenell, 7th Earl of Cardigan)
- バネ足ジャック(Spring-heeled Jack)
- 現代の人物
- ショーン・ヘイスティング(Shaun Hastings)
- レベッカ・クレイン(Rebecca Crane)
- ビショップ(Bishop)
- ガリナ・ヴォロニナ(Galina Voronina)
- イザベル・アーダント(Isabelle Ardant)
- アルヴァーロ・グラマティカ(Álvaro Gramática)
- ユハニ・オッツォ・ベルグ(Juhani Otso Berg)
- ヴァイオレット・ダ・コスタ(Violet da Costa)
- ジュノー(Juno)
- コーンスス(Consus)
- 第一次世界大戦の関係者
- リディア・フライ(Lydia Frye)
- ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)
- 切り裂きジャックの関係者
- 切り裂きジャック(Jack the Ripper)
- ネリー(Nellie)
- オルウィン・オウワーズ(Olwyn Owers)
- アーサー・ウィーヴァースブルック(Arthur Weaversbrook)
- ジョン・ビリングワース(John Billingsworth)
- 『アサシン クリード シンジケート』のアイテム
- 武器
- 仕込み杖
- リボルバー
- ナイフ
- ブラスナックル
- スモークボム
- 回復アイテム
- 医療キット
- その他便利アイテム
- ロープランチャー
- クローク
- ガントレット
- ベルト
- 『アサシン クリード シンジケート』の用語
- 登場する組織
- アサシン教団
- テンプル騎士団
- ルークス
- ブライターズ
- 先駆者関連の用語
- 先駆者
- 最初の意思の使徒(Instruments of the First Will)
- エデンのかけら
- エデンの布
- エデンの果実
- 現代編関連の用語
- アブスターゴ社
- アブスターゴ・フューチャー・テクノロジー
- アニムス
- ヘリックス
- デズモンド・マイルズ計画
- 登場エリア/場所
- ホワイトチャペル
- シティ・オブ・ロンドン
- ウェストミンスター
- サザーク
- ランベス
- サウスワーク
- ザ・ストランド
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