Arcaea(アーケア)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Arcaea(アーケア)』とは、イギリスに本拠地を置くゲーム制作会社lowiro limitedにより制作・リリースされたスマートフォン向け音楽ゲーム。基本的なリズムゲームのシステムを採用しながらも、200曲以上の収録楽曲や二人の少女「光」と「対立」を主人公とした奥深いストーリーによって独自の世界観を生み出している。楽曲が多いだけでなくそれぞれに幅広い難易度が設定されており、音楽ゲーム初心者から完璧を求める上級者まで様々なプレイヤーに人気な作品となっている。

Side Storyは、光と対立以外の特定のキャラクターごとに語られるストーリーであり、いくつかの楽曲パックに対応した名前がついている。それぞれのキャラクターで特定の楽曲をクリアすることで順に解放され、読むことができるようになる。アップデートによりストーリーが追加されることもある。

全てのキャラクターが、「アーケア」の浮かぶ失われた世界で物語を紡ぐ。アーケアの映す記憶は時に幸福なものであり、時に学びを得るものであり、時に絶望的でありと、彼女たちに様々な感情を起こさせるものである。彼女たちは硝片に閉じ込められた記憶を呼び起こすことで、生きる意味を見出していく。

原文はすべて、以下のサイトでも閲覧可能である。

wikiwiki.jp

Absorute Reason(サヤ)

出典: www.youtube.com

「ラヴィニア」と呼ばれる女は、自身の婚約者「ドノヴァン」とともに、パーティーに参加していた。彼女はドノヴァンが他の参加者と話しているのを聞いていたが、やがてそれを止めて会場の外を探検し始めた。彼女はその世界のあらゆるものに興味を示し、世界の外を見たいと感じていた。ラヴィニアが飽きるほどの探索を終えて会場に戻ると、ドノヴァンが話しかけてきた。彼らが先刻話していたことによると、どうやらそこにはもうひとつの人工世界が作られたらしい。彼女はそのことについて、それは硝子製のものではないだろうかとドノヴァンに問いかけた。ドノヴァンはそんなものではないと答える。それを聞いて、彼女は失望した。

決意を込めた彼女は、ブレッドナイフでドノヴァンの首元を切り裂いた。血も吹き出ることがなく、そもそも「惨憺」に欠けたその記憶世界では、その惨憺たる状況はあり得なかった。世界は壊れてゆき、視界もぼやける。そうして彼女、「サヤ」はもといたアーケアの世界に戻ってきた。

アーケアの世界で、サヤは記憶もなく目覚めた。目覚めた時から、彼女の右目には花が咲いていて、片方の目しか見えなかった。そのことも含めて、この世界には未知なるものが多すぎた。彼女は硝片に映される記憶によって様々な世界を訪れ、そして様々な発見をする。未知をすべて解明するのだと決意し、彼女は冒険を続ける。そうしてアーケアの世界を受け入れることによって、世界もまた彼女を受け入れるようになる、と彼女はそう考えるのであった。

Crimson Solace(紅)

出典: www.youtube.com

「紅」は、見知らぬ世界に目覚めてからというもの、夜を目にすることがなかった。この世界は常に明るく、時間というものが存在しているのかも分からないが、少なくとも夜を迎えることだけは決してなかった。彼女は夜が恋しかった。

ここには「アーケア」という硝片がいたるところに散らばっているが、紅はそれではない物質を自由に操ることができた。彼女はアーケアを除けばこの世界を自由に改変することができるのだ。ある時、この夜の来ない世界に太陽はあるのかと気になって、彼女は空高くまでものを積み上げて探検をすることにした。はじめは周囲の建物などを全て使い尽くして塔を作ったが、その塔では空まで全然届かなかったので、今度は螺旋階段状にものを積むことにした。一番上までたどり着いたら、下にあるものを上に引き寄せて階段を伸ばす。そうして彼女は永久的に上に登っていけるはずだった。しかし、空には限界が存在した。彼女の操る物質は最上部にある空気の壁のような何かで押し返されてしまうのだった。

紅は落胆したが、ふと周りを見ると、数十のアーケアが近寄ってくるのが確認できた。彼女はそれが自身に関係する記憶を映すものだとなんとなく悟ることができた。その記憶は、彼女が目を見開いて素敵だと感じるほどの賑やかな街(のような場所)の世界を映し出した。彼女はその記憶の中に強く干渉することはできなかったが、その街の賑わいを肌で感じたり、売られている食べ物に味を感じたり、あるいは書物を読んで世界のことを知ったりすることができた。彼女にとってそこはとても居心地が良いところであった。上空で見つかる限りのアーケアの記憶を探索し終わったころ、最後に彼女はある夜のお祭りの喧騒の記憶に出会った。その夜は彼女にとって本当に素敵なものであるはずだった。しかし彼女は、なぜその人々がそこにいるのかということも、その世界が終わりゆくということも、思い出してしまったのだった。それで、彼女の心は痛みを持った。

過去を思い出し、かつての親しい人の名前も思い出したが、紅は今では一人でアーケアの世界にいた。それでも痛む心を押さえつけ、涙を拭き、前を向いて生きていくことを決意した。

Ambivalent Vision(レーテー)

出典: www.youtube.com

少女「レーテー」は、死者の霊魂を鎮めることを生業としていた。その仕事には仲間もおり、彼女は日常的に死者が世界に干渉するのを緩和してきた。しかし、今となっては彼女は一人、失われた世界で歩みを進めている。この世界に存在する不可思議な硝片「アーケア」は、彼女に様々な記憶を映し出してくれた。

レーテーは、硝片が自然に漂流してくる庭園のような場所を住処にしていた。素敵な記憶などを見ては感傷に浸っていたりしたが、ある時、ひときわ目立ったアーケアに目を奪われた。レーテーには、ここに映された記憶が実際に自分に起きた記憶であるという確信があった。そこには、自分がかつての同輩に話しかけている様子があった。同輩はレーテーに言う。「あの谷に行った時、どんな理由できみはこの道を選ぶと言ったんだい?」 レーテーが何かを答える。するとさらに同輩が言う。「ほらね、みんなそう言うんだ」「それをしっかり覚えておくんだよ。そうしたらきっと、大丈夫だから」 レーテーは、ここで自分が何を答えたのか、その重要な部分だけが思い出せなかった。

レーテーはその忘却に失望した。確かで、しかしひどく欠落した記憶を目にして、彼女はひどい辛苦に顔を歪ませた。それでも彼女には、絶対に涙を見せないという強い信念があった。忘却が命を失うことに比べればよっぽどマシなものだと自分に言い聞かせた。彼女の前の人生は終わったのだと、今はこの世界で生きているのだと、そう言い聞かせた。『魂の担い手』から『記憶の担い手』へ、その変遷を噛みしめて、強く生きることを決意するのであった。

『Arcaea』のゲームシステム

『Arcaea』は、基本プレイ無料、一部有料とされている。具体的には、DLは無料であり、無料でプレイできる楽曲が一部存在するが、楽曲の多くは有料コンテンツとなっている。

プレイモードについて

『Arcaea』には大きく二つのプレイモードが存在する。一つは「Music Play」モードで、いわゆるフリープレイができる。もう一つは「World」モードで、このモードを進めていくことで、新しい楽曲の解禁やパートナーキャラの獲得ができる。

出典: arcaea.lowiro.com

『Arcaea』のモード選択画面(英語版)。

また、「Network」ではオンライン接続を行うことができ、インターネットを通じて世界の人々の記録やフレンドの記録を見るということも可能である。さらに「Story」モードでは、楽曲のプレイにより解禁したストーリーを読むことができる。

「Music Play」と「World」ではどちらも現在解禁している楽曲をプレイすることができる(基本的にどちらかのモードでしかプレイできないような楽曲はない)。DLは無料で、無料の楽曲も数十曲程度存在しているが、「メモリー」を購入して楽曲や楽曲パックと交換することによって、全部で200曲以上の楽曲をプレイすることが可能となる。

楽曲のプレイについて

「Music Play」または「World」を選択すると、実際に楽曲をプレイすることができる。楽曲の難易度には数字が振られており、最も低い難易度が1、以後数字が増えるほど難易度が高くなっていく。また、各楽曲ごとに「Past」「Present」「Future」という3つの難易度が設定されており、ほとんどの場合後者ほど高難易度である(例外あり)。また、一部の楽曲には追加の高難易度譜面「Beyond」が設定されており、これは該当楽曲を特別なWorldマップで解放することによってプレイが可能になる。

出典: play.google.com

楽曲選択画面。

楽曲を選択すると、プレイ画面に切り替わる。プレイヤーが求められることは単純で、画面奥から画面手前に流れてくるオブジェクト「ノート」を、音楽に合わせてタイミングよくタップまたは長押しをするというだけである。ノートには「フロア」、「ロング」、「スカイ」、「アーク」、「トレース」の5種類存在し、それぞれの種類に応じて求められる操作が異なる。

フロアノート

最も基本的な水色のノート。画面中央に存在する4つのレーンのいずれかに流れてくるので、それが画面下部のラインに重なったタイミングでそのレーンをタップする必要がある。

ロングノート

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