CLOCK ZERO ~終焉の一秒~(Portable / ExTime / Devote)のネタバレ解説・考察まとめ

『CLOCK ZERO ~終焉の一秒~(Portable / ExTime / Devote)』とは2019年6月27日にアイディアファクトリーより発売されたNintendo Switch用ソフト。
2020年の「夢の世界」に意識を転送されてしまった小学6年生の九楼撫子が活躍するパラレルワールドストーリーである。本作は、PlayStation Vita版『CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ Extime』に新規要素を追加した移植作であり、本編・中学生編・現代後日談をプレイすることができる。

『CLOCK ZERO ~終焉の一秒~』の概要

『CLOCK ZERO ~終焉の一秒~(Portable / ExTime / Devote)』とは2019年6月27日にアイディアファクトリーより発売されたNintendo Switch用ソフトである。本シリーズは2010年11月25日にはPlayStation 2用ソフト『CLOCK ZERO 〜終焉の一秒〜』、2011年10月13日にはPSP版の『CLOCK ZERO 〜終焉の一秒〜Portable』、2015年4月23日にはPlayStation Vita版の『CLOCK ZERO 〜終焉の一秒〜 ExTime』が発売された。本作はPlayStation Vita版『CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ Extime』の内容に中学生編のシナリオが追加収録されている。そのためSwitch版である本作では、本編・中学生編・現代後日談をプレイすることができる。ジャンルは「君と壊れた世界を生きるAVG」となっている。
オトメイトパーティーへの参加、小説やCD等の関連商品の発売や舞台化も行われており、ファンに長く愛されている作品である。

本作は2010年の現実から2020年の「夢の世界」に意識を転送されてしまった小学6年生の九楼撫子が活躍する恋愛アドベンチャーゲームである。
主人公達の世界はパラレルワールドであり、同じ時間軸が無数に存在している。
そのため、元の世界である2010年と「夢の世界」である2020年ではキャラクター同士の関係性も異なっている。

2010年、秋霖学園の初等部に通う小学6年生の九楼撫子は幼馴染の理一郎と共に平穏な学生生活を送っていたが、ある時から撫子は毎日のように荒廃した世界の夢を見るようになる。
ある日、撫子と理一郎は新任教師の神賀に呼び出され、校内で問題児と噂される生徒たちと共に神賀先生から与えられた課題をこなすこととなる。
課題や慣れない仲間との関わりに苦悩しながらも充実した日々を過ごしていた撫子であったが、次第に身の回りで起こりはじめた数々の謎の出来事に翻弄されていく。
そしてそんな撫子の前に「夢の世界」で出会ったはずの人物が現れ、運命が動き始めることとなる。

『CLOCK ZERO ~終焉の一秒~』のあらすじ・ストーリー

本作は主人公達が小学生であった2010年を舞台とした共通ルートと「夢の世界」の2020年を舞台とした個別ルートがあり、2010年への帰還ED、2020年に残留ED、バットEDが数種類用意されている。

共通ルート

共通ルートでは主に課題パート、下校パート、夢パートがある。
各パートごとに選択肢があり、そこでの選択によりどの攻略キャラの個別ルートに入るかが決まる。
本作では基本的には攻略したいキャラをひたすら選んでいくとそのキャラの個別ルートに入ることができる。

課題パート

神賀先生が出した課題。

課題パートでは神賀先生に問題児として集められた主人公と攻略キャラ達、「CZメンバー」が協調性を養うために神賀先生が用意した課題を行う。
パートナーを選び、協力して課題に取り組み、最後にクイズ形式の問題が出題されるため、表示されるいくつか文字を並び替えて回答する。
不正解でも進めることは可能だが、誤答が続くと物語に影響が出る。

下校パート

下校パートでは「CZメンバー」の中から攻略したいキャラを選び、一緒に下校することができる。
選んだ選択肢により、趣味や苦手なものなどを知ることができる。
何度か一緒に下校したキャラクターはイベントが発生する。

夢パート

夢パートではある時から主人公が毎日のように見る荒廃した世界の夢の中で「夢の世界」の住人達と会うことができる。

個別ルート

個別ルートは共通ルートで主人公が見ていた「夢の世界」、荒廃した2020年の世界に意識を転送された主人公が各攻略キャラ達と様々な試練を乗り越えていくこととなる。

海棠鷹斗ルート

海棠鷹斗は主人公のクラスに転入してきた、大手製薬会社である海棠グループの一人息子だ。すでに研究者として名をはせている人物だが、気取ったところもなく社交的で、主人公もすぐに仲良くなれた。クラスでもすぐに人気者となった鷹斗だが、彼には自分が達観しすぎており、何でもできてしまってつまらないという悩みがあった。「研究も好きなだけで夢ではない」という鷹斗に、主人公は「好きなだけでいい」と言う。好きなことをやり続けていれば、それがいつか誰かの役に立つかもしれない。その言葉に鷹斗は救われた気がした。

それから鷹斗は主人公のことを意識するようになった。しかしある日、時計台へ向かった主人公の前で世界が暗転、目覚めると主人公は自分の姿が大人になっていることに気づく。そこは元いた世界とは違う時空軸の10年後の世界だった。
そこで成長した鷹斗と出会い、主人公が中学生に上がると事故に遭い植物状態になってしまうこと、そして主人公を助けるために鷹斗が研究に没頭したがそのせいで時空の歪みが起き量子エネルギーが爆発してしまい世界が壊れてしまったこと、ちがう時空の事故に遭う前の主人公の意識だけをこちらに連れてくる計画をしたことを聞いた。
主人公は自分が知る鷹斗の優しさを思い出し、今対面している鷹斗の自分を想う気持ちを怖く感じる。
それから主人公は軟禁状態で暮らすことになる。その中でこの世界が鷹斗の独裁によりひどく荒れていることを目の当たりにする。主人公は鷹斗の取り巻く環境を目にし、やがて今の鷹斗を支えて救いたいと思うようになっていく。
しかしある時、軟禁されているクロックゼロで火事が起きる。この火事は鷹斗をよく思わない人たちの仕業だった。鷹斗は火事の中、主人公を元の世界に戻そうと意識を飛ばすカプセルの中に入れた。主人公は鷹斗を心配して抵抗するが、カプセルは閉められ、気が付くと10年前の学校に倒れていた。
近くには鷹斗も倒れていた。目を覚ました鷹斗は「嫌な夢を見たんだ、大きな鳥籠に閉じ込められて誰もいない君もいない夢」と言う。主人公が「どこにもいかないで」と泣き、鷹斗は驚きながらも優しく抱きしめた。

加納理一郎ルート

加納理一郎は主人公の幼馴染だ。小さい頃は仲が良かったが、大きくなるにつれてクールになっていった理一郎とは喧嘩ばかりするようになった。しかし理一郎も、主人公が「理一郎が敵になっても私だけは絶対に味方でいる」という約束と同時に交わした約束を忘れていることに寂しさを感じていた。
お互いが不安に思っていたが、主人公は少し素直になって理一郎に他の人より大切であることを告げた。理一郎の方も素直に話すことができ、2人の距離は縮まった。
しかしそんな時、主人公が夢で何度もあった男性ビショップに攫われそうになるという事件が起きる。鷹斗や理一郎が助けに向かうものの、時間が停止して10年後の世界へと誘われる。

主人公が目を覚ますとそこは夢で見た壊れた世界だった。そこには大人になった理一郎もいた。主人公はこの世界にはクロックゼロという科学技術で征服する政府という存在がいること、クロックゼロの総帥であるキングが事故に遭って植物状態になってしまった主人公の精神をこちらの世界と入れ替えたことを知る。
主人公はクロックゼロとそれに対抗する有心会とのいさかいに巻き込まれていく。その中で幼い頃から一緒にいた理一郎が心の支えとなった。ある日理一郎は主人公を元の世界に戻すと言い、カプセルの中に入れた。元の世界の学校で目を覚ました主人公は、理一郎を見て「ずっと一緒にいよう、何年も何十年も隣にいて」と言った。

英円ルート

主人公の一つ年下である英円と主人公は、特別課題のメンバー同士であることから距離が縮まった。円は英家の本当の息子ではなく血が繋がっていないことを悩んでおり、「兄の央の言うことは正しい」と言わないと英家にいられないと思い詰めていた。まどかを大切に思う主人公は「もっとわがままになっていい」と言う。その言葉は円に響き、2人の距離はさらに縮まっていく。
そんな時、主人公は10年後の世界に飛ばされてしまう。そのきっかけとなったビショップと名乗る男は、10年後の円だった。円は10年後の世界の主人公の意識と、10年前の主人公の意識を入れ替えた張本人であるキングこと鷹斗の前に主人公を連れていく。主人公は鷹斗の執着を怖いと思い、円を頼りにしたかったが、今の円に主人公と過ごした記憶はなかった。この時空軸の円と主人公はかかわりがなかったのだ。
主人公には親しい円がいないことがつらかった。さらに荒廃した世界を見て心がすさむ主人公。円はそんな主人公をやさしく抱きしめた。主人公はこの円も、あの優しい円と変わらないことに気づく。そこから主人公と円は交流を深めていったが、主人公と鷹斗の結婚話が持ち上がったことを契機に、主人公は元の世界へと戻ることに。
元の世界で目を覚ますとそこは病院だった。傍には円がいて、主人公のことを心配していた。主人公は円を見て涙を流した。

西園寺寅之助ルート

西園寺寅之助は見た目通りの不良で、特別授業のメンバーにもかかわらず活動に参加しようとはしなかった。主人公は彼に参加してもらおうと何度も声をかけるうちに、彼が他のメンバーよりも常識的で、情が深いことを知る。
そんな時寅之助が不良の絡みの事件で犯人だと疑われる。教師は話も聞かずに寅之助のことを疑うが、主人公は「寅之助は仲間だ」と言って庇った。そこから2人の距離は徐々に縮まっていく。
そんな時主人公は10年後の世界へと飛ばされてしまう。そこには10年成長した寅之助もいた。しかしこの寅之助は主人公のことなど知らなかった。ある時、寅之助が主人公を庇って刺されてしまう事件が起きる。看病をする主人公と寅之助は仲良くなっていくが、「CLOCK ZERO」という名の政府との交渉のため、有心会の長が勝手に主人公を引き渡してしまう。寅之助が主人公を助けるが、2人は政府からも有心会からも追われる立場になってしまった。
寅之助は主人公を元の世界に戻すべく、有心会に反旗を翻す。寅之助のおかげで元の世界に戻れた主人公。そこには10年後の寅之助もいた。彼が血まみれのまま「長生きしろよ、ずっと見守ってるから、好きだったよ」と言うと、主人公の意識は途絶えてしまった。

英央ルート

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