GALS!・GALS!!(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『GALS!』・『GALS!!』とは少女漫画雑誌『りぼん』で1998年から連載された藤井みほなによる漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。2019年よりマンガMeeにて続編『GALS!!』が連載中。舞台は東京渋谷で最強カリスマ女子高生・寿蘭を中心としたコギャル3人が街で遊ぶ様子や、恋愛模様を描く青春物語である。さらに「家庭問題による親や大人への反発」をコンセプトとして家庭問題やいじめ、不良行為、援助交際など当時の社会問題も題材として扱う熱いヒューマンドラマであり幅広い年齢層から支持されている。

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交際1年記念日に初めて達樹に愛情表現を素直に伝える蘭。

「GALS!」第6巻
クリスマスが近づいた頃、達樹は蘭が試しで作ったクッキーを偶然会った麗に食べさせて笑顔でいた場面を目撃してしまう。ショックを受けた達樹は、裕也とマミに相談すると、マミは「麗にタツキチは勝てない」と正直に言われてしまい自分は蘭の彼氏としてちゃんと役割を果たしているのかと不安になり、さらに落ち込んでしまう。そしてクリスマス当日に自信が無くなり、もう渋谷から町田へ帰ろうとしていた達樹を発見した蘭は激怒し、達樹を殴り「あたしはタツキチでいいんじゃなくて、タツキチがいいんだよ!」と大声で言い、照れながらこの日までに苦労しながら編んだ手作りのマフラーをプレゼントして、交際1年記念を祝った。いつもは恥ずかしさで愛情表現が少なく、自分の気持ちを素直には言わない蘭が、初めて達樹に全力で愛を伝えた場面。

寿 沙夜「どうせ…どうせ死ぬ覚悟なら、もうちょっと生きてみよ?」

「GALS!」第8巻
沙夜が高校入学後、校内で流行っていたメル友募集サイトで「はーと」と名乗る情報屋が、脅迫メールやデマ情報を流していたことで複数の生徒が困っていた。蘭も被害に遭い、沙夜と正体を探ると沙夜と同じクラスの原澤葉子だった。葉子は家庭環境のストレスが原因で自傷行為を繰り返し、「はーと」として問題を起こしていた。沙夜は葉子を心配して優しく接するが聞き入れてもらえず、ついに葉子はビルの屋上から飛び降りて自殺を図る。沙夜と蘭は危機一髪で葉子の手を掴み、救出。葉子は「死にたい」と話し、リストカットの傷だらけの腕を見た沙夜は、泣きながらこれは生きたいと思っている証拠だと伝えて優しく話を聞いた。そして「どうせ…どうせ死ぬ覚悟なら、もうちょっと生きてみよ?」と葉子を説得した。沙夜の真っ直ぐな優しさに触れた葉子は、無事に改心することが出来た。普段は中坊刑事として遊び半分で刑事ごっこをしていた沙夜が、初めて中心となって活躍して事件解決をしたエピソードである。

乙幡 麗「返事の代わり、これでいい?」

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綾からの告白の返事として突然キスをする態勢になった麗。

「GALS!」第9巻
高校3年のクリスマス、受験目前となり勉強に必死だった綾は、麗と会える時間も減っていて2人の間には距離が出来ていた。そんな時に麗からデートに誘われる。束の間の休息として久しぶりの麗との時間を楽しみ、麗にペンダントをプレゼントする。麗は特にプレゼントを用意していなかったため、「なんか欲しーもんある?」と綾に聞くと、何もいらないと綾は答えるが、「たったひとつ、私のお願いを聞いてもらえるなら、もう一度…告白させてください。心から…あなたが好きです」と再度麗に告白した。驚いた麗は、「よく考えたら俺も不器用かもな。気の利いたセリフとか浮かばねーし。…返事の代わり、これでいい?」と言って、キスをする態勢となった。麗のあまりにも大胆な行動に綾は驚き未遂となってしまうが、これまですれ違い続きだった2人の関係を一瞬で修復するかのような麗の行動に綾は喜び、ぎこちなく付き合っていた2人が少しずつ発展するきっかけとなる。

『GALS!』・『GALS!!』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

アニメ版「超GALS! 寿蘭」ではパロディネタが豊富

アニメでは実在するアニメやドラマを元ネタとしたパロディネタが多く登場した。後半は特にパロディネタに拍車がかかり、数多くのネタシーンが放送された。
・蘭の担任である中西先生の口癖が「教師生活25年」を多用する。元ネタは、アニメ『ど根性ガエル』の町田先生の台詞。
・沙夜が作中で好きなドラマ「走れ!お台場COP」の真似をして匡人や直樹と刑事ごっこをしている。元ネタは、ドラマ『太陽にほえろ!』や『踊る大捜査線』である。
・蘭が問題解決する際に、披露することがある必殺技「ダブル厚底ブーメラン」の元ネタは、アニメ『ゲッターロボ』のダブルトマホークブーメンである。

蘭が警察官になることを辞めた理由は、服装規定があるから

代々警察官一族で、小学生までは自分も警察官になることを志していたが、服装に厳格な規定があり、婦人警官の制服ではお洒落が出来ないと知り、警察官になることを辞めてコギャルへと成長した。その後は警察官を目指すことを嫌がっていたが、大和の事故をきっかけについに警察官になることを決心して高校卒業後、採用試験に向けて勉強に勤しむ。

「超こち亀」とのコラボ漫画にて、蘭は婦人警官になり渋谷警察署に配属される

原作者の藤井みほなが、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の作者である秋本治のアシスタントを務めていた関係で、こち亀連載30周年を記念して2006年に発売された書籍「こちら葛飾区亀有公園前派出所連載30周年記念出版 超こち亀」にてコラボレーションを果たす。作中の1ページトリビュート漫画にて、蘭は婦人警官となって渋谷警察署に配属されている様子を描かれている。

黒井直樹の存在は初期から決められていた物語のキーパーソンだった

第10巻で直樹の従兄弟・恭平が渋谷でひったくりに遭い、直樹が無茶をして追いかけてトラックに撥ねられそうになった瞬間に後から追ってきた警察官の大和が庇い、直樹は助けられる。しかし、代わりに大和は交通事故に遭って意識不明の重体になるエピソードは連載初期から決まっていて、この事件をきっかけに蘭はずっと嫌がっていた警察官を目指すことを決意する。そのため、この物語には無くてはならない重要人物として直樹は登場したと原作者の藤井みほなは語っている。

「GALS!」を描いたきっかけは、原作者藤井みほなのコギャルへの単純な好奇心

コギャルは何を言われても意に介さず『ギャハハ』って笑ってて、バカみたいに輝いてたの。そういう明暗のコントラストがハッキリしていたのをそのまま描きました。あの時代にしか描けなかった作品だとは思います

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原作者の藤井みほなは、90年代後半にメディアで紹介されていた明るいコギャルたちを見て「この子たち、一体なんなんだろう!? もっと知りたい!! 」という好奇心から、コギャルを知るために渋谷に通いつめ、自らもコギャルファッションで流行りの店を潜入し情報収集をしていた。当初は良い印象を抱かなかったが、彼女たちの底抜けの明るさと自信満々に人生を楽しんでいる様子に憧れ、もっと追いかけたいという思いから、「GALS!」が構成されていった。

続編「GALS!!」が制作された理由は、ファンの「麗と綾の恋愛模様をもっと見たい」という願望からだった

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『ニッポン制服百年史 ―女学生服がポップカルチャーになった!』展のポスター。

2002年に漫画「GALS!」が完結してから17年後の2019年4月~6月に東京・弥生美術館にて開催された『ニッポン制服百年史 ―女学生服がポップカルチャーになった!』展に「GALS!」が展示された。この展覧会の宣伝をしようと期間限定でツイッターを開始した藤井みほなだった。すると、「GALS!」の登場人物たちの恋愛をもっと見たい、と連載当時子供だったが時が経ち大人になった多くの読者からメッセージが届いた。特に麗と綾の話題に対する反響が大きく、驚きを隠せない作者だった。その後、展覧会が終了しツイッターを閉鎖しようと、最後に手売り用で麗と綾が主役の読み切り漫画を描いたが、想像以上に構想が膨らみ担当へ相談すると、「続編にしちゃえば?」という一言をきっかけに、最終回の続きを描き始めた。

『GALS!』・『GALS!!』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):dicot『ア☆イ☆ツ』

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