PUI PUI モルカー（アニメ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『PUI PUI モルカー』の概要

『PUI PUI モルカー』（プイプイ モルカー）は、モルモットの車である「モルカー」が活躍する日本の人形（パペット）アニメで、全12話にわたってモルカーが主体的に登場する。放送時間が1話につき約2分半という超短編アニメである。
本作はテレビ東京系・キッズステーションにて放送されている児童向け番組『きんだーてれび』によって、2021年1月5日から同年3月23日まで毎週火曜日に放送された。監督・脚本は見里 朝希（みさと ともき）、アニメーション制作はシンエイ動画・ジャパングリーンハーツ。
『PUI PUI モルカー』は、モルモットの車であるモルカーの日常を描いたストップモーションアニメである。現実世界の車がモルモットになった、というコンセプトで制作された。舞台はモルモットが車になった世界で、人間とモルカーが共存し暮らす日常が描かれている。モルカーは乗り物でありながらも意志を持つ生き物で、人間を乗せたり働いたりする一方で自らの意志で自由を楽しんでいる者もいる。
アニメには車ならではのトラブルを中心に、友情・冒険・アクションなど多彩な要素が盛り込まれている。様々な種類のモルカーが活躍出来るよう、回によって主人公となるモルカーを変えている。『PUI PUI モルカー』はモルカー自体の人気が高く、モルカーたちのふわふわの質感や表情の豊かさ、ちょこちょこと走り回る動きなどの可愛らしさが多くの視聴者の心を掴んだ。またストーリーのダイナミックな展開やほっこりする結末、毒を効かせた社会風刺のような皮肉がチラリと垣間見え、大人も唸らせるアニメとして好評を集めた。本作は子供向けとして放映されながらも、幅広い世代が楽しめる作品となっている。
『PUI PUI モルカー』の制作方法には静止物を少しずつ動かしカメラで撮影するストップモーションが用いられた。ストップモーションには羊毛フェルトやミニチュアフィギュア、ジオラマを使用するほか、実写も組み合わせたことでよりリアルで見応えのある内容となっている。

『PUI PUI モルカー』のあらすじ・ストーリー

ポテトと渋滞

とある一方通行の車道、渋滞の最後尾にポテトが並んでいた。渋滞の原因は先頭のDJモルカーで、迷惑ドライバーがスマホに夢中で青になった信号に気づかず発進しないのだ。
ひたすら待つポテトの後ろに重症患者を乗せた救急モルカーが並ぶ。いっこうに進まない渋滞に焦る救急モルカーは、患者を早く病院に連れていきたくて泣いてしまう。ポテトは救急モルカーを助けるため、救急モルカーを自分の頭上に持ち上げてモルカー渋滞の頭上を進むよう進言する。渋滞を越えていく救急モルカーとポテトの行動を見て、後続のモルカーも前のモルカー渋滞の頭上を進んでいく。先頭のDJモルカーは後続のモルカー踏まれ続けてボロボロになり、運転手を吐き出し逃げていった。
ポテトの活躍により渋滞は無事解消され、救急モルカーも病院へ向かうことができたのだった。

アビーがヒーローに変身

初心者マークをつけているアビーは、人を助け活躍するスーパーヒーローに憧れていた。
アビーは自分のドライバーであるオタクのお兄さんに、自分の外見をヒーローのようにしてほしいとお願いする。ウキウキして完成を待つアビーだが、出来上がると痛車モルカーに改造されてしまっていた。側面には魔法天使もるみのイラスト、派手なカラーリングにキラキラしたデコレーション、自分の想像していたヒーローとは違う姿にアビーはすっかり落ち込んでしまう。アビーはオタクのお兄さんと一緒に出かけるも、周りの視線が気に路地裏に隠れてしまう始末だ。
そんなアビーは、目の前の高い木に猫が登り降りられなくなっていることに気づく。人前に出ていきたくないアビーは路地裏からハラハラしながら見守っていると、ついに木の枝が折れ猫が空中に投げ出されてしまう。アビーが思わず走り出すと体の側面のイラストが光り魔法天使のもるみの力でアビーの両脇に翼が生え、猫をキャッチし救出できた。
外見はアビーの望んだような姿ではなかったけれど、スーパーヒーローのように活躍できたのだった。

シロモが問題解決

シロモが駐車していると、近くの銀行が騒がしくなり銀行強盗たちが飛び出してくる。お金をパンパンに詰め込んだ袋を抱え拳銃を片手に周囲を脅す銀行強盗たち。そんな銀行強盗たちはシロモに目をつけ、逃げるための車にしようと無理やり乗り込んでくる。シロモは涙目になり嫌がるが拳銃で脅され、仕方なく銀行強盗たちを乗せてアジトへ向けて発進した。しかし道中、シロモは自分の中に積まれたお金をお尻から少しずつ出し、自分たちの進む方向の手がかりをこっそり残していた。
アジトに着き祝杯をあげる銀行強盗たち、シロモの中からお金の袋を取り出すと中は空っぽになっていた。そこへシロモの残した手がかりを追ってきた警官とパトモルカーが現れ、銀行強盗たちはその場で逮捕された。シロモは逮捕の手助けをしたと警官から感謝され、お礼の印に勲章をもらったのだった。

Let's モルカーパーティー

深夜、ポテトは疲れているドライバーのお姉さんを乗せて帰路につく。家に着いた途端お姉さんは寝入ってしまい、ポテトはお姉さんを優しくソファーに移動させてあげた。
しかしここからポテトのお楽しみが始まる。ポテトはお姉さんのスマートフォンでチャットを開き、友達のモルカーをパーティーに誘った。ポテトのお誘いに乗ったモルカーたちがポテトの家に続々と現れにぎやかなパーティーが始まる。冷蔵庫の中にはお酒と大好物のサラダ、DJモルカーが音楽を流し、サッカーやゲームをしたりと思い思いに楽しむモルカーたちによってパーティーは夜中じゅう続いた。
翌朝、お姉さんが目を覚ますと部屋中はスヤスヤと眠るモルカーで埋め尽くされていたのだった。

ゾンビと対決

舞台は荒れ果てた広大な大地、テディとシロモはゾンビの群れに追いかけられていた。
そんな大群の反対側からハンバーガーモルカーがやってきて、追いかけっこに巻き込まれてしまった。周りをぐるぐる回るシロモたちにハンバーガーモルカーは目を回し、頭上のハンバーガーが転げ落ちてしまう。
ハンバーガーモルカーから落ちたハンバーガーを食べるため追いかけっこは一時休戦。ハンバーガーの中身を分け合い、テディとシロモは野菜、ゾンビたちは肉を食べていく。すると肉を食べていたゾンビがうっかりシロモを噛んでしまい、シロモはゾンビモルカーになってしまった。驚いたテディとハンバーガーモルカーは逃げ、ゾンビになり肉食になったシロモは残った肉を持ち逃げし、それを追いかけるゾンビたちでまた追いかけっこが始まったのだった。

モルカーでサプライズ

街は冬、車道は地面が凍り、通行するモルカーたちはツルツル足を滑らせて大変そうだ。
交差点でカップルがデートの待ち合わせをしている。カップルの男性は彼女にプロポースしようと指輪を準備してきたが、なかなか渡す行動に移せない。じれったいカップルの横をツルツル足をすべらすモルカーを見て、DJモルカーがダンス音楽を流す。するとモルカーたちはまるでアイスダンスのようになめらかに滑り出し、カップルを巻き込んで踊り出した。
ダンスの最後、ついにカップルの男性が彼女にプロポースをする。プロポーズは見事成功、彼女は指輪を受け取り2人はウェデングモルカーに乗り込みハネムーンへと向かっていったのだった。

『PUI PUI モルカー』の登場人物・キャラクター

メインのモルカー

ポテト

茶白の体色、ピンクの手足のモルカーの男の子。
のんびり屋だが困っている者を見逃せない勇敢な性格。渋滞に困る救急モルカーを担ぎ、頭上を乗り越えられるよう助けてあげた。
ドライバーはお姉さん。ニンジンが好物。

シロモ

白の体色、緑の手足のモルカーの男の子。
臆病な性格でトラブルに巻き込まれがち。銀行強盗に襲われたが、機転を効かせた行動によって逮捕を手伝った。
テディを姉のように慕っている。ドライバーはお兄さん。レタスが好物。

アビー