『いっき』とは、1985年にサン電子が開発したアクションシューティングゲームである。農民のごんべとたごが、自動追尾する鎌を武器に悪代官へ殴り込みをかける。味方が最大2人しかおらず、敵が忍者という荒唐無稽でコメディチックな一揆を描いている。元はアーケードゲームだがファミコン版が有名で、最大16人でプレイできる『いっき団結』などリメイクが続いている。イラストレーターのみうらじゅんが初めて「クソゲー」と評した作品として広く知られ、公式も愛称として自虐的に用いるサンソフトの代表作である。
『いっき』の概要
『いっき』とは、サン電子が開発し、1985年7月より稼働開始したアーケード用アクションシューティングゲームである。1985年11月28日にファミリーコンピュータ(以下ファミコン)版が発売され、以降も様々なプラットフォームに移植されている。
本作は、悪政による生活苦にあえぐ農民の「ごんべ(権べ)」および「たご(田吾)」を操作し、悪代官の屋敷へと殴り込みをかける内容となっている。百姓一揆をモチーフにしているものの、味方の参加者はプレイヤーの最大2人のみであり、襲いかかる敵がなぜか忍者であるなど、荒荒無稽でコメディチックな世界観が特徴である。ジャンルは多方向スクロールのアクションゲームとされることが多いが、自動追尾する鎌を投げて戦うなどシューティングゲームの要素を強く持つ。また、作中に縦書きの日本語メッセージが多用される点も独特の雰囲気を醸し出している。
元はアーケードゲームであり、サン電子開発・ナムコ販売の形態で稼働していたが、ファミリーコンピュータ向けの移植版の方が知名度が高い。ファミコン版は70万本を売り上げるヒットを記録した。本作の成功により、後に『かんしゃく玉なげカン太郎の東海道五十三次』や『水戸黄門』といった時代劇シリーズが展開されることとなった。後年には様々なリメイクや派生展開が行われており、2006年配信の携帯電話アプリ『いっき萌バイル』、2010年発売のPlayStation 3用ソフト『いっき おんらいん』、2011年配信のソーシャルゲーム『いっき〜みんなで米騒動の巻〜』を経て、2023年には最大16人での同時プレイが可能な『いっき団結』が発売されている。
なお、本作はイラストレーターのみうらじゅんが初めて「クソゲー」という言葉を使用したソフトとして広く知られている。サン電子(サンソフト)側もこの評価を自虐的に用いることがあり、2022年のプレスリリースでは「多くのみなさまにいじられる『クソゲー』という名を、私たちは『愛称』として心に受けとめております」と表明した。サンソフトの代表作として知名度が高いため、同社の他作品にごんべらがゲスト出演する機会も多い。
『いっき』のあらすじ・ストーリー
悪政による農民たちの苦境と蜂起の決意
ある地方の農村では、冷酷な悪代官による度重なる年貢の取り立てや飢饉により、農民たちが限界を迎えるほどの生活苦にあえいでいた。飢えと貧しさに耐えかねた農民の「ごんべ(権べ)」と「たご(田吾)」は、村を救うために現状を打破することを決意する。彼らは周囲の農民たちを巻き込んだ大規模な百姓一揆を企てるが、過酷な現実を前に他の村人たちは誰一人として立ち上がろうとしなかった。
孤立無援の一揆
結局、賛同者が一人も現れないまま、ごんべとたごのわずか二人だけで一揆を決行することになる。彼らは農具の鎌を武器に携え、悪代官が待ち構える屋敷を目指して進撃を開始した。
しかし、道中にはなぜか悪代官が雇ったと思われる無数の忍者や鉄砲隊が配備されており、二人の行く手を阻む。さらに、行く手を惑わす幽霊や執拗に迫る腰元といった奇怪な妨害に遭いながらも、二人は自動追尾する鎌を投げ、襲いかかる刺客たちを撃破していく。
悪代官の拘束
二人は各地に散らばる小判を回収して資金源を断ちながら、ついに敵の本拠地である代官屋敷へと乱入する。警備の忍者を切り抜け、屋敷の奥へと突入したごんべとたごは、ついに諸悪の根源である悪代官を発見。逃げ回る悪代官を捕らえることに成功する。こうして二人の執念が実を結び、見事に代官を懲らしめて一揆は成功を収めたかに見えた。
終わらない闘争
しかし、悪代官を一度捕らえただけでは村に真の平和は訪れなかった。代官を懲らしめても新たな役人が立ちはだかり、あるいは配置を変えた新たな地域での戦いが幕を開け、再び小判集めと代官追跡の日々へと戻っていく。
他の仲間が一人もいない孤立無援の状況のまま、ごんべとたごの二人は、村に本当の安息が訪れるまで終わることのない戦いのループへと身を投じ続けるのだった。
『いっき』のゲームシステム
基本操作
8方向レバーで移動、1ボタンで攻撃を行う。武器である「鎌」を投げて攻撃するが、軌道はプレイヤーが任意で指定できない。ボタンを押すと、その時点で最も近くにいる敵へ向かって鎌が自動的に投擲される。
画面構成とマップ機能
画面右側にはスコアやマップを確認できるスペースが設けられており、マップ上では「小判」の設置場所が把握できる。ただし、実際の地形には壁などの障害物があるため、小判を獲得するには迂回が必要な場合もある。なお、ファミリーコンピュータ(FC)版ではこのマップ表示機能が廃止されている。
ゲームオーバーの条件
黒装束や赤装束の忍者、爆弾忍者、イノシシなどがプレイヤーの行く手を阻む。特に赤装束の忍者は素早く動き回るため迎撃が困難だが、撃破時のスコアは黒装束の2倍に設定されている。また、FC版では一部の敵キャラクターが登場しない仕様に変更された。
忍者の体当たりを受けるか、忍者や鉄砲隊が放つ飛び道具に接触するとミスとなり、プレイヤーの残機が1つ減少する。残機が尽きた状態でミスをすると、その時点でゲームオーバーとなる。
ステージクリア
エリア内に配置された8枚の小判をすべて回収するか、稀に出現する悪代官を捕らえることでステージクリアとなる。全8ステージ構成であり、FC版では4つの通常マップと小判の配置が異なる裏マップ4つを合わせた計8ステージが存在する。最終ステージをクリアすると最初のステージへ戻り、ゲームオーバーになるまで無限に周回が続く。
iアプリ版は表・裏を2周(全16ステージ)クリアした時点でゲーム終了となる。
『いっき』の登場人物・キャラクター
ごんべ(権べ)
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