ナイツ&マジック(Knight's & Magic)のネタバレ解説・考察まとめ
『ナイツ&マジック』とは天酒之瓢によるライトノベル、オンライン小説で、異世界転生や魔法、巨大ロボットを軸としたファンタジー作品である。2010年に小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載され、2016年に漫画化。2017年にはアニメ化された。交通事故で命を落としたロボットオタクの倉田翼は、「幻晶騎士(シルエットナイト)」と呼ばれる巨大ロボットが存在する異世界で、エルネスティ・エチェバルリアに転生する。幻晶騎士のパイロットを志して努力し続けた彼は、やがて「銀鳳騎士団」の団長となる。
『ナイツ&マジック』の概要
『ナイツ&マジック』とは天酒之瓢によるライトノベル、オンライン小説で、異世界転生や魔法、巨大ロボットを軸としたファンタジー作品である。2010年に小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載された。
2013年から主人公の設定やストーリーを一部変更した文庫本が。スクウェア・エニックスの『ヒーロー文庫』より刊行されている。イラストレーターは黒銀が担当。シリーズ累計部数は300万部を突破している。
2016年より加藤拓弐が作画を担当したコミカライズ版が『ヤングガンガン』にて連載開始となる。2022年に第一部が完となり、連載終了となった。
2016年9月にはテレビアニメ化が告知され、2017年7月から9月まで放送された。テレビアニメ化に伴い、公式略称が『ナイツマ』と定められた。
交通事故で命を落としたロボットオタクの倉田翼(くらたつばさ)は、「幻晶騎士(シルエットナイト)」と呼ばれる巨大ロボットが存在する異世界で、エルネスティ・エチェバルリアに転生する。幻晶騎士のパイロット「騎操士(ナイトランナー)」を志して努力し続けた彼は、やがて「銀鳳騎士団」の団長となる。その後もエルネスティは、西方諸国(オクシデンツ)で起きた大乱に派遣されたり、人類未踏の地「ボキューズ大森海」の探索に深く関わったりと、数々の功績を打ち立てていく。
異世界転生モノといわれるジャンルに入るが、SFロボットアクションとファンタジーを融合した独特の世界観が多くのファンを惹きつけている。
『ナイツ&マジック』のあらすじ・ストーリー
異世界への転生
現世では腕利きプログラマーでモデラーだった主人公の倉田翼(くらたつばさ)は、仕事帰りプラモデルを購入した後に交通事故に遭う。しかし前世の記憶を持ったまま、エルネスティ・エチェバルリア(通称エル)として、シルエットナイトと呼ばれる巨大ロボットと魔法が存在する異世界のフレメヴィーラ王国に転生する。
前世では夢でしかなかった二足歩行ロボット「幻晶騎士(シルエットナイト)」が存在する世界で、それを操縦する「騎操士(ナイトランナー)」を目指すため魔法の訓練に没頭する。
やがて祖父が経営するシルエットナイトを操縦する騎操士養成学校のライヒアラ騎操士学園に入学したエルは、己が野望「自分専用の巨大ロボットを作る」事に目覚め、騎操士学科だけではなく鍛冶師学科の講義にまで出席して操縦する事と製作する事を学んでいく。
ロボット作りに没頭するエル
その後、中等部に進級したエルは、野営訓練中に魔獣陸皇亀(ベヘモス)の襲撃に出くわす。先輩騎操士のディートリヒ・クーニッツのシルエットナイト「グゥエール」に勝手に乗り込み撃退するものの、現在の量産機では自分の望む機動力が得られないと気づき、先輩や同級生達を巻き込んでシルエットナイトの改造に乗り出す。前世の記憶をもつエルが考えた技術は革新的な物となり、国王はおろか他国の密偵からも注目される物となる。
その結果生み出された新型シルエットナイト「テレスターレ」の1機が他国に強奪されるという事件「カザドシュ騒乱」が発生する。
技術の秘匿性を考えた国王アンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラの計らいで、エル達とその技術を守るため、エルを団長とする銀鳳騎士団が設立された。そして国立機操開発研究工房がテレスターレの技術をベースとして正規改修したシルエットナイト「カルダトア・ダーシュ」との模擬戦が催される。そこでエルは国王と約束したエーテルリアクター製造の秘を明かすに足る半人半馬のシルエットナイト「ツェンドルグ」を披露し、同時に自分の趣味を追求した研究機「トイボックス」を持ち込み、銀鳳騎士団の力を披露する。
国王アンブロシウスは、その模擬戦を引き分けと見なす。「カルダトア・ダーシュ」をさらに改修した制式採用シルエットナイト、後に「カルディトーレ」と命名されるロボットの製造を命じ、エルには秘を明かすに足るシルエットナイトを作り出したと見なした。
大西域戦争の勃発と終息
時は流れ、エルは中等部を卒業すると同時に銀鳳騎士団専従する事になり、国王アンブロシウスは、良い時期と王位を息子のリオタムス・ハールス・フレメヴィーラに継承させる。その代替わりの直後にフレメヴィーラ王国のエーテルリアクターの生産地が魔獣に襲われる事件が発生し、エル率いる銀鳳騎士団が魔獣を撃退する。その結果、シルエットナイトの核であるエーテルリアクターの製造法を習得したエルは、これまで製造してきたシルエットナイトの技術蓄積を元に、満を持して自分専用のシルエットナイト「イカルガ」の製作に乗り出す。
その頃、カザドシュ騒乱で強奪されたテレスターレをベースに作られたシルエットナイト「ティラントー」を量産したジャロウデク王国は、西方諸国に侵攻開始する。
シルエットナイトの技術差により瞬く間に西方諸国を平らげたジャロウデク王国は、さらにフレメヴィーラ王国の隣国のクシェペルガ王国に侵攻する。クシェペルガ国王は侵攻軍指揮官のクリストバル・ハスロ・ジャロウデク王子と一騎打ちの末に討ち死にし、王女エレオノーラとクシェペルガ国王王弟フェルナンド大公に嫁いでいたフレメヴィーラ王国のリオタムスの妹マルティナ、そしてその娘イサドラは囚われた。
政治的配慮からフレメヴィーラ王国は大々的にクシェペルガ王国を支援する訳にはいかず、王子エムリスに銀鳳騎士団をさずけ銀鳳商会と商人に艤装する形で派兵する。エル達はエレオノーラ王女達を救出し、対イカルガ用に作られた飛竜戦艦を激闘の末に撃墜してジャロウデク王国侵攻を阻止し、「大西域戦争」に終止符を打つのだった。
『ナイツ&マジック』の登場人物・キャラクター
主要人物
エルネスティ・エチェバルリア/倉田翼(くらた つばさ)
CV:高橋李依、阪口大助(倉田翼)
本作の主人公。通称「エル」。学園編の最中は9歳~12歳(中等部)。大西域戦争時は16歳で描かれる。
作中では周りの迷惑を顧みず目的へと一直線に邁進する性質を持ち、その行動の数々は暴走と表されている。
前世は重度のロボットオタクの日本人・倉田翼で、中堅ソフトウェアメーカーに勤める「最終防衛ライン」と称される天才プログラマー。
給料日にプラモデルを購入した帰りに飲酒運転の自動車に轢かれ死亡(享年28歳)。その後、前世の記憶と知識を持ったまま、異世界にあるフレメヴィーラ王国ライヒアラ学園都市のエチェバルリア家に転生する。
前世の記憶があるため知識や理解力・思考力こそ大人並だが、この世界に生きる年齢相応の子どもとして描かれている。
男性だが、小柄な体格で紫銀のセミロング、母譲りの美形な顔立ちなどから美少女と誤解される事もあった。
前世で身につけたプログラム言語の論理法則がこの世界の「魔法術式」にも応用できることに気づき、天才プログラマーの才能を活かして既存の魔法を組み替えて改良し効率化を図るなど、新しい術式を生み出す事に長けている。
前世のロボットオタク知識を活かした、それまでの常識に捕らわれない新しい発想でシルエットナイトを作り上げていく。
これにまつわる一連の騒動を経て、国王直属の「銀鳳騎士団」が設立され団長に就任。次々と新しい幻晶騎士を開発する傍ら、自分の趣味を追求したシルエットナイト「イカルガ」の製造に着手してゆく。
銀鳳騎士団関係者
アーキッド・オルター
CV:菅原慎介、東内マリ子(幼少期)
エルネスティと幼馴染となる双子の一人でアデルトルートの兄。通称「キッド」。
8歳の時、家出を考えていた妹のアディに付き合おうとしている最中、独自トレーニングに励んでいたエルと屋根の上で出会い、運命が変わった。
父親はセラーティ侯爵家当主ヨアキム・セラーティだが、母親は庶民出の妾。そのため、嫉妬深い正妻に対する母親の配慮で母子共に別の家に住んでいる。
兄妹揃って魔法に長けたエルに師事して彼のトレーニングを共にこなして来たことで、規格外のずば抜けた魔力・体力・魔法演算能力を獲得するに至り、兄妹共にエルに次ぐレベルの魔法の使い手となっている。
人馬シルエットナイト『ツェンドルグ』の試運転を行うなど、騎操士としての確かな腕を備えている。作中では、対空魔導飛槍(ミッシレジャベリン)複数を同時誘導し、飛竜戦艦に致命傷を与えるなど、赫々たる戦果を上げている。
銀鳳騎士団結成後も団長補佐という立場で常にエルの傍らにあったが、大西域戦争で出会ったクシェペルカ第一王女エレオノーラの騎士となる事を誓い、彼女を支えて戦う内に想いを寄せるようになる。他国の騎士ということで戦争終結とともに帰還せざるをえなくなったが、エムリスの計らいで新生したクシェペルカ王国に出向することになり、以後は別行動をとる事となる。
アデルトルート・オルター
CV:大橋彩香
本作のヒロイン。通称「アディ」。アーキッドの双子の妹で勝気な性格。
可愛いものが大好きで、それさえ愛でていれば機嫌が良くなるが、無ければ不機嫌になる。そのためよくエルを抱っこする(抱き枕にする)などの表現がされる。
父親の事があまり好きではなく、会いたくないという理由でキッドと家出をしようとした時、トレーニングに励むエルと運命的な出会いをする。原作では家出ではなく、先に出会ったキッドからエルのことを聞かされ、普通に待っていたとされている。
その後はエルと共にトレーニングを重ね、ライヒアラ騎操士学園に入学した。
出会ったときからエルに好意的ではあったが、学園で起こった異母兄バルトサールとの諍いを機にその感情は恋へと変化する。
エルの直弟子として鍛えてきたために兄と同様の規格外の能力を見せ、特に魔法に関しては緻密な制御が得意とする。
銀鳳騎士団結成後はキッドと共に団長補佐をしているが、大西域戦争の最中にキッドの想いに気づき、戦争終結後に彼をクシェペルカ王国に置いていけないかと提案する。
大西域戦争後は、飛翔騎士の操縦を行うようになり、数多くの銀鳳騎士団の機体に関わっていく。ただ、理論より感覚に頼る面がとても強く、他人に物を教えるのが恐ろしく下手で擬音混じりの彼女の説明を行う為に、常人にその理解は困難を極める。
エドガー・C・ブランシュ
CV:内匠靖明
騎操士学科の先輩の1人。
純白の幻晶騎士・アールカンバー(後にアルディラッドカンバー)の搭乗者で、守りを得意とする。真面目かつ質実剛健な性格で、学生時点でその実力は正騎士に匹敵しており、騎士科筆頭騎士の肩書きを持つ。
陸皇亀戦で規格外の動きをするエルのグゥエールを目撃して以降、彼の規格外の才能と暴走の数々に驚かされ、呆れつつも彼を補佐してテレスターレの製造に関与していく。
銀鳳騎士団設立後は第一中隊長となる。
少々朴念仁であり、ヘルヴィから頬にキスされるまでその気持ちにまったく気づいていなかった。
銅牙騎士団団長ケルヒルトにヘルヴィのトランドオーケスをベースにしたテレスターレを奪われ敗北したことを悔やみ続け、大西域戦争において再度対峙した際に彼女を討ち取った。
数々の戦いを経てその実力は王国屈指のものとなっており、その功績を評価され他の貴族より騎士団長にならないかと誘いを受けていた。後の銀鳳騎士団組織再編に伴い第1中隊を独立させ、白鷺騎士団団長となる。
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『ナイツ&マジック』の概要
- 『ナイツ&マジック』のあらすじ・ストーリー
- 異世界への転生
- ロボット作りに没頭するエル
- 大西域戦争の勃発と終息
- 『ナイツ&マジック』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- エルネスティ・エチェバルリア/倉田翼(くらた つばさ)
- 銀鳳騎士団関係者
- アーキッド・オルター
- アデルトルート・オルター
- エドガー・C・ブランシュ
- ディートリヒ・クーニッツ
- ヘルヴィ・オーバーリ
- バトソン・テルモネン
- ダーヴィド・ヘプケン
- フレメヴィーラ王国・ライヒアラ騎操士学園関係者
- アンブロシウス・タハヴォ・フレメヴィーラ
- リオタムス・ハールス・フレメヴィーラ
- エムリス・イェイエル・フレメヴィーラ
- クヌート・ディクスゴード
- ヨアキム・セラーティ
- オルヴァー・ブロムダール
- ガイスカ・ヨーハンソン
- ラウリ・エチェバルリア
- マティアス・エチェバルリア
- セレスティナ・エチュバルリア
- ステファニア・セラーティ
- バルトサール・セラーティ
- クシェペルガ王国関係者
- アウクスティ・ヴァリオ・クシェペルカ
- フェルナンド・ネバレス・クシェペルカ
- エレオノーラ・ミランダ・クシェペルカ
- マルティナ・オルト・クシェペルカ
- イサドラ・アダリナ・クシェペルカ
- ジャロウデク王国
- バルドメロ・ビルト・ジャロウデク
- カルリトス・エンデン・ジャロウデク
- クリストバル・ハスロ・ジャロウデク
- カタリーナ・カミラ・ジャロウデク
- ケルヒルト・ヒエタカンナス
- ドロテオ・マルドネス
- グスターボ・マルドネス
- オラシオ・コジャーソ
- 『ナイツ&マジック』の用語
- 幻晶騎士(シルエットナイト)
- 騎操士(ナイトランナー)
- エーテルリアクタ
- 銀鳳騎士団
- ライヒアラ騎操士学園
- 魔獣陸皇亀(ベヘモス)
- フレメヴィーラ王国
- ジャロウデク王国
- クシェペルガ王国
- 『ナイツ&マジック』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 転生後の世界を謳歌するエル
- 『ナイツ&マジック』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ウェブ版に投稿された『Knight's & Magic設定資料兼備忘録』
- 幻晶騎士2体のロボットフィギュア化にファン歓喜
- 『ナイツ&マジック』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):fhána「Hello! My World!!」
- ED(エンディング):大橋彩香「ユー&アイ」