殺戮の天使(第1話「Kill me... please.」)のあらすじと感想・考察まとめ

『殺戮の天使』とは、星屑KRNKRN(真田まこと)による日本の探索型ホラーゲームをアニメ化したものである。見知らぬ館で目が覚めた主人公のレイチェル。わけもわからないまま、出口を求めてさまよっていると、顔を包帯で覆い、大きな鎌を持った殺人鬼ザックが現れる。今回は第1話「Kill me... please.」のあらすじ・ストーリーと感想・考察を紹介していく。
『殺戮の天使』第1話「Kill me... please.」のあらすじ・ストーリー

少女と白衣の男が真っ白な部屋に2人でいる。白衣の男が「怖い目にあったみたいだね、レイチェル…僕はダニー…君のカウンセリングの先生だよ。何があったのか話してくれるかい?」と声をかける。少女は男の言葉が聞こえていたのか聞こえていないのか分からないが、生気のない青い目を彼に向けていた。
窓から綺麗な、けれど偽物のような青い月が見える部屋の中で目覚めた少女、レイことレイチェル。見覚えのない部屋を不思議に思いながらも、早く両親のもとへ戻らないと、と部屋を出る。
しかし、部屋の先に広がっていたのは、無機質な壁に囲まれた廊下と、たくさんの監視カメラが設置された異質な空間だった。
おかしい。自分はたしか、病院に来ていたはず。でも、ここじゃない。ふと見ると、壁に「君はいったい誰で、何者か。自身で確かめてみるべきである。本来の姿か。望む姿か。天使か。生贄か。己を知れば、門は開かれる」と書かれていた。
導かれるようにして隣の部屋に入るレイチェル。すると、部屋の中央の機械が起動した。

自動的に紙に「あなたの名前は?」と文字が打ち込まれた。レイチェルは「…レイチェル・ガードナー」と疑問を抱きながら、機械の問いに答える。
「何故ここにいるのですか?」と問いかけは続く。「病院に来ていて、気が付いたらここに…」「何故病院にいるのですか?」「人が死ぬところ…殺されるところを見たから。だから、カウンセリングに連れてこられた。早くここから出たい」とレイチェルは答えた。
質問に答え終わると、エレベーターに続く門が開いた。これで外に出られると思い、レイチェルがエレベーターに乗り込むと、「最下層の彼女は、生贄となりました。皆さま、各フロアにて、ご準備をお願いします」という放送が響き渡った。
しかしレイチェルには何のことだかわからない。そのままエレベーターで上階に上がる。

エレベーターは階をひとつ上がったB6で止まってしまった。
そこはまるで路地裏のような場所で、本当に建物の中なのかとレイチェルは訝しみながらも、更に上へ続くエレベーターを探して探索を開始する。
途中、ケガをした小鳥を見つけたレイチェルは、ここから一緒に出ようと微笑みかけた。その時、目の前に鎌が振り下ろされ、小鳥がまっぷたつになった。何が起きたのか理解できていないレイチェルの前に現れたのは、顔を包帯で覆った殺人鬼の男、ザックだった。

「ヒャハハハ!お前は今、満ちた顔をしやがったな?でも、今は絶望だ!3秒数えてやる。だからさぁ、逃げてみろよ!もっと見せろ!絶望の顔を!」と楽しそうに笑うザック。たった3秒のカウントダウンが始まる。レイチェルは弾かれたように走り出した。
偶然逃げ込んだ部屋で見つけた大きな箱の中に身を潜め、なんとかザックをやり過ごすことができたレイチェルは、上階へ通じるエレベーターを探しに、来た道を戻り、道中で切り裂かれた小鳥の死体を見つける。
そして「…違う。こんな姿じゃなかった。こんな可愛そうじゃない。…私の小鳥に、直してあげる」と、小鳥の身体を縫い合わせてから地面に埋めた。
そして上へ続くエレベーターを見つけ、ザックの襲撃を何とか退け、B5へ向かう。
B5はB6とはまったく雰囲気が異なり、一般的な病院のような内装だった。しかし、廊下の奥から足音が近づいてくることに気付いたレイチェルは、先ほどの殺人鬼を思い出して咄嗟に逃げ出す。追いかけてくる足音はだんだんとレイチェルに迫り、ついにレイチェルは捕まってしまう。しかし怯えたレイチェルに、足音の主は「僕だよ、レイチェル。君のカウンセリングをしていた、ダニー先生だよ」と言った。

彼は自身をレイチェルを担当していた医師のダニーだと名乗り、レイチェルを安心させようとする。困惑するレイチェルに、少し混乱しているみたいだね、でも大丈夫、と繰り返すダニー。結局ふたりは一緒に出口を探すことに。
B5を探索するふたり。レイチェルは再び壁にメッセージが書かれていることに気付く。壁には「自分の望みを知っているか。欲望を知っているか。それが本望であるならば、抗う意味など無に等しい。何故なら、そんな意味すらここに居る君は持たないのだから。ただし、望みには対価がいる。ルールは破らぬように」と書かれていた。
「ルールって?」と問うレイチェルに、「ここにはルールがあるんじゃないかな」と答えるダニー。
「じゃあ、この望みって?」という言葉に、ダニーは「それは人によって違うだろうね。僕なら、綺麗な目が欲しいな。僕は、片目がよくなくてね。君のような目が僕のだったら、それはそれは素敵だろうね」と返した。
その言葉に、若干の違和感を覚えるレイチェル。更に下にメッセージが続いていることに気付き、それを読もうと壁の埃を払おうとすると、その手がダニーによって遮られる。彼は「やめなさい。目にゴミが入る」と呟いた。

様々な部屋を回り、手術室にたどり着くふたり。
「レイチェル、その目をよく見せてくれないか」という言葉に怯えるレイチェルに、ダニーは更にたたみかける。
「本当に綺麗な目だ!それなのに、恐怖に怯えた目をしてしまって、まるで普通の目だ。僕は悲しい。この悪夢から目を覚ませば、君の瞳に、あの青い月のような美しい静けさが戻ってくるのかな。レイチェル、僕はね、その瞳の傍で生きていたいんだよ」
ダニーの発言に「せん、せい…?」と困惑するレイチェル。
しかしダニーは言葉を切り、レイチェルに探し物を頼んだ。奥の部屋に行き、自分が置き忘れた大切な物を見つけてほしいと言う。
「僕が何を探しているのか、忘れてしまったのかい?ヒントをあげる。僕の瞳は、アレキサンドライト」と告げた。

奥の部屋は義眼だらけだった。
その中のひとつを、ダニーは自分のものだと言い、今からこれをつけるから、向こうの部屋で待っているようにレイチェルに告げる。そして、逃げちゃ、許さない、とも。
そこでようやくレイチェルはダニーが異質であることに気付き、こっそり部屋を抜け出そうとする。しかしダニーに見つかり、捕まってしまう。
ダニーは「ここはね、僕のフロアだよ。このフロア以外に逃げたら、この手で君をどうにかできなくなるじゃないか」と迫ってくる。怯えるレイチェルに構わず、「君の生きた目を、傍で見続けることが望みだったのに。もう駄目だ!仕方ないんだ!君はもう理想の、僕の生きた青い目じゃない!だから、レイチェル…」「その目を僕にちょうだい」と言葉を続けた。
必死に逃げようと暴れるレイチェルを手術台に押し倒すダニー。そして、「やめて」「お父さんとお母さんのところへ帰りたい」と懇願するレイチェルに、ダニーは「君のお父さんとお母さんは、地獄で待っている」と答えた。
その言葉を聞いた途端、レイチェルの顔から表情が、目から光が消えた。
するとダニーは、「レイチェル!それだよ!君はなんて素敵な目をするんだ!」と興奮し、レイチェルに共に生きようと言い始める。

ダニー「僕はなんて幸福なんだ!」
しかし次の瞬間、喜ぶダニーの身体の中心に深々と鎌が突き刺さった。
「ヒャハハハ!おいおいダニー!なんて幸せそうな声出してやがんだ!我慢できずに斬っちまったじゃねえか!」
B6の殺人鬼、ザックが、レイチェルを追ってB5へ上がって来て、ダニーを斬ったのだ。ダニーは床に崩れ落ち、動かなくなった。
次いでザックは、手術台の上のレイチェルに鎌を突き付ける。
「なぁ、生きたいか?なら今すぐ逃げろよ。希望を抱いてな。そこをブッ刺してやるよ!」

しかしレイチェルはまったくの無反応。
ザックはその様子を見て、「俺はまともな成人男性だから、お人形さんを切り裂く趣味はねーんだよ」と、つまらなさそうに鎌を下ろす。
すると、再び施設内に「フロアB6の者がフロアB5の者を攻撃しました。ルール違反により、裏切り者が生贄になりました」という放送がかかった。
それを聞いたザックは、「冗談じゃねえ」と言って、その場を離れる。
取り残されたレイチェルは、しばらく呆然としてから、ぽつりと、「そうだ…私は、生きてちゃ…」とつぶやき、ザックに続いて手術室を出た。

エレベーターの前には、苛立っているザックの姿があった。エレベーターは止められていて、鎌で破壊を試みるものの堅くて壊すことができない。
レイチェルはザックに追いつくと、「あのね、お願いがあるの」と声をかけた。
怪訝そうな顔をする殺人鬼に向かって、レイチェルは「お願い…私を殺して?」と続けるのだった。
『殺戮の天使』第1話「Kill me... please.」の感想・考察
殺戮の天使、第一話見たけどいい作画してるな〜
— アキ (@aki_nichidai) September 8, 2018
話は変わりますが、殺戮の天使一話やっぱり最高でしたね!!!
— 96猫 (@96__neko) July 6, 2018
声優さん(個人的には)とてもピッタリだったし。絵も素晴らしく綺麗だったし。キャラクター一人ひとりに声と細やかな動きが加わる事で、魂がしっかりと宿った感じがして続きが早く観たいです。僕の瞳はアレキサンドライト☆