哲也~雀聖と呼ばれた男~の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『哲也~雀聖と呼ばれた男~』とは、1997年から2004年まで『週刊少年マガジン』にて連載された、原案:さいふうめい、漫画:星野泰視による麻雀漫画である。全339話でコミックス全41巻、文庫版全22巻が発行されている。戦後復興期の日本で哲也が玄人として成長していく姿や、数多の玄人たちとの麻雀勝負など、勝負師としての生き様を描く。 本作品の名言・名セリフはギャンブルする人たちのみならず、ギャンブルをできない年齢層までも広く評価を得ている。

だからここから先は無い 俺の博奕は終わったんだよ…

ドサ健が哲也の”運・力・その全てを 金もろとも喰らう”と勝負を挑んだ理由は、戦争だった。
東京大空襲、昭和二十年三月十日未明。米軍機B-29による二時間半の爆撃の結果、死者十万・負傷十一万、百万人が家を失った。
アメリカはドサ健の母の存在そのものをこの世から奪っていった。ドサ健は『俺はアメリカから奪い取んなきゃなんねえんだよ 何もかもな!!』という復讐心でアメリカに渡り、アメリカのギャンブルで勝負し“全てを奪おう”としていた。
哲也との勝負に負けたドサ健は『俺の代わりにアメリカに行ってくれ そして俺の代わりに勝ってくるんだ』と哲也に頼む。
哲也の答えが名セリフとなった。

『俺は お前に負けた日からずっと… お前に勝つためだけに生きてきたんだ…』
『そして今日―― 俺はお前に勝ったんだ…』
『だからここから先は無い 俺の博奕は終わったんだよ…』

頂点を過ぎた哲也の感慨深いセリフである。

俺は今 確かに生きてる…

戦争への復讐心から哲也の”運・力・その全てを 金もろとも喰らう”と勝負を挑んだドサ健。
しかし哲也に負けてしまう。代わりにアメリカに行って勝ってくれ、と頼むが哲也は『俺の博奕は終わった』と断る。
ドサ健はまたタネ銭を作り、哲也へ挑む。哲也が卓から一瞬目を切ったところを狙い、”ツバメ返し”(房州曰く最高の芸術。積み込み時点でテンパイ若しくは天和の牌を積んで置き、配牌後に自分の目の前の山と入れ替えるイカサマ技)を繰り出す。それで国士無双をアガったドサ健は350万持って渡米し、アメリカへの復讐心を強くするのだが、そこへ哲也が800万持って挑むのだった。
哲也がまゆみママにお金を工面するように頼んだことをドサ健は見抜いて掴みかかるが、共に”人外の玄人”でありライバルでもあるため、ドサ健は勝負を受けた。

配牌は哲也は大三元確定、ドサ健は哲也のアガリ牌を止めつつの七対子。
哲也は大三元を落とし、ドサ健は五対子落とし、周囲は驚愕する。
哲也もドサ健も”大車輪”を狙っているのだった。静けさと緊張感の漂う場。
面子の一人が”山”を崩してしまう。東一局頭からやり直しかと思われたのだが、哲也もドサ健も『続行だ 勝手に積み直してくれ』と続行を望む。
崩れた”山”の中に互いのアガリ牌”四筒”があったのだ。
ドサ健のラスヅモは四萬となり、ドサ健のアガリは無くなったが、哲也のラスヅモ、さらに海底に結果は委ねられた。
『俺の運次第』と腹をくくった哲也は、かつての空襲を思い出していた。
それは空襲の中、一緒に工場で働く老人との思い出。空襲の中、工場に寝転がる老人に「逃げないのか」という哲也の問いに、『運の悪い奴が死ぬんだ』という言葉であった。
それを思い出しながら哲也は最後の牌を自摸り、その心情が名セリフとなった。

人外の闘牌を繰り広げた因縁のライバル、哲也は”四筒”を引き当て哲也の勝利で幕を閉じた。

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