LOST SONG(第12話『始まりの歌』)のあらすじと感想・考察まとめ

星歌祭の日、満を持してフィーニスは「終滅の歌」を歌う。それは空に浮かぶ星に届き、その星はゆっくりとリン達の住むエテルジオイドへと迫って来る。そしてついに、リンはフィーニスの元へと辿り着く。リンのまっすぐな言葉は、次第にフィーニスの心を解きほぐしていく。星が目前に迫った時、リンとフィーニスの歌は世界に響き渡り、本当の奇跡を生み出す。
今回は「LOST SONG」第12話『始まりの歌』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「LOST SONG」第12話『始まりの歌』のあらすじ・ストーリー

自分に出来ることをするために、アルはレオボルト達を助けに行くことを選択する

ようやく訪れた星歌祭の日、「終滅の歌」によって今度こそ世界を滅ぼすために、フィーニスは宮廷楽団の演奏に乗って歌を歌い始める。
フィーニスに黒い精霊が纏わり始めると、青かった空がみるみるうちに暗い空へと変わっていく。
兵士「フィーニス様と宮廷楽団が演奏を始めたようです!」
バズラ将軍「なんだと! この異様な空は、歌の力か!?」
飛空艇に乗って王都を目指していたリン達の方でも、空の異変に動揺し始める。
レオボルト「間もなく王都だ! リン、フィーニスを頼む!」
リン「うん!」
フィーニスの「終滅の歌」はさらに勢いを増し、それに呼応して空に浮かぶ星はリン達の住む惑星・エテルジオイドへと近付いてくる。
兵士「星が、あんな近くに!」
バズラ将軍「狼狽えるな! なにが起きている!?」
兵士「空から、なにか来ます!」
バズラ将軍が見上げると、暗い空にレオボルト率いる天空の獅子団とリン達の乗った飛空艇の光が現れる。
レオボルト「これより、王都を奪還する!」
「終滅の歌」は歌い終わり、フィーニスは一人、流扇の広場に佇む。
フィーニス「歌は届いた。あの星はもう止まらない。すべては、消える……ようやく終わる」
王宮の門前では、フィーニスが独断で「終滅の歌」を歌ったことにバズラ将軍を始めとした王都軍は戸惑いの色を見せる。
しかしレオボルト達が真っ直ぐに王宮へと向かったことから、バズラ将軍は兵士達に指示を飛ばす。
バズラ将軍「狙いは王家の人間か! 新型歌奏兵器を起動させろ!」
王宮に辿り着いたレオボルトは、王と王子を保護するためにベロウとスノアを連れて王の間へと急ぐ。
残りの獅子団達は、レオボルトの支持によって空からの援護と遊撃体制、そして民衆の避難を行うために、各自の持ち場へと散開する。
そしてリン達は、星歌祭が行われているはずの流扇の広場へと向かう。
彼らの左側では、空の星が真横に見える程に近付いてきていた。
アリュー「なあ、あそこ!」
アル「あれは、宮廷楽団?」
流扇の広場で演奏を行うはずの宮廷楽団は、誰もが一目散にその場から逃げ出していた。
ポニー「よし! リンは先に、フィーニスのところに行ってな! 私達は宮廷楽団のところに行く!」
アリュー「なんならさ! 癒しの歌を演奏してもらおうよ、リン! 夢、叶うかも!」
モニカ「かも!」
リン「みんな……ありがとう!」
ポニー達と別れ、リンとアルは流扇の広場付近に飛空艇を下ろす。
アル「僕は、レオボルトさんのところに行きます。出来ることをする、それが、男だからです!」
ここでアルは、リンへの恋心を打ち明けようとするが、それを止めてこう言葉をかける。
アル「リン。僕は、リンのこと……リンのこと、信じてますから!」
レオボルトを援護するために飛空艇に乗って飛び立つアルの背を見つめて、リンは呟く。
リン「私も、信じてる」

ポニーが行方不明だったアレア王女だったということに、周囲は驚きを隠せない

レオボルト達はようやく王の間へと辿り着くが、突如彼らの眼前が炎に包まれる。
やがて炎が止むと、そこにあったはずの王の間が、まるで削られたように跡形もなく焼失していた。
バズラ将軍「また会ったなレオボルト!」
呆然とするレオボルト達の前に、新型歌奏兵器に搭乗したバズラ将軍が現れる。
新型歌奏兵器に装填した炎の歌によって、王の間を焼き払ったのである。
バズラ将軍「これで王家の血は途絶えた!」
レオボルト「バズラ! 貴様なんということを!」
バズラ将軍「安心しろ! ゴルト王国が滅びることはない! 俺が全てを変えてやる! 誰にも邪魔はさせん!」
そこにレオボルトを援護しようと、獅子団の一員が歌奏兵器に攻撃の矢を放つ。
しかしその矢は届かず、逆にバズラ将軍は手元の反響装置に手を添えて獅子団達に攻撃を仕掛ける。
そしてその攻撃は王宮にまで届き、次々と人や建物を破壊していく。
その頃リンは、ようやくフィーニスの元へと辿り着く。
リン「やっと会えた……助けに来たよ、フィーニス」
フィーニスは目を見開くが、やがて悲しげな表情を浮かべ、背を向けて空を見上げる。
フィーニス「終滅の歌は、星に届いた」
リン「どうして、歌っちゃったの?」
フィーニス「あの人のいない世界なんて、意味がないから」
リン「そんなの、間違ってるよ!」
一方、リン達と別れて宮廷楽団のところへ向かったポニー達は、彼らから既に「終滅の歌」が歌われてしまったことを聞かされる。
ポニー「なに勝手に演奏してんだよ、全く! 本っ当あんた達昔から空気読めないねえ」
突然こちらに横柄な態度を取るポニーに、楽団の一員であるパットとアロンドは抗議の声を上げる。
するとポニーはさらに畳み掛けるように、二人の前に歩み寄る。
ポニー「王家の人間を忘れるとは、何事だ!」
アリューはいつもの被害妄想と思ったのか慌ててポニー引き留めるが、ポニーの勢いは止まらない。
ポニー「パット! アロンド! 忘れたのか!?」
パット「え、なんで名前を?」
アロンド「まさか、行方不明だった!?」
パット達の様子にポニーは呆れながら、留めていた髪を下ろす。
ポニー「私がゴルト王国・第一王女、アレア・ゴルトだ!」
突然の思いもよらないポニーの発言に、その場にいた全員が驚きの声を上げる。
アロンド「確かによく見れば、でも……」
パット「琥珀色の乙女と呼ばれた姫が、五年でこんなに老け……大人びて!」
ポニー「誰が老けてるって、こらぁ!」
パット「い、言ってません!」
アロンド「このやりとりは、本物!?」
楽団の中でもはや定番となっていたこのやりとりを見て、宮廷楽団達は速やかにポニーの前で跪く。
ポニー「間に合うかわからないけど、全員でリンの歌の演奏へ向かうよ!」

ずっと一人で苦しみ続けた想いを、初めてリンに吐露するフィーニス

新型歌奏兵器の脅威に晒されたレオボルト達天空の獅子団は、次第にその数を減らしていく。
するとそこへ、飛空艇に乗ったアルが考えがあるとレオボルトに声を掛ける。
アル「バズラのいるコア(核)部分を破壊します! 飛行装置を僕が装着すれば、この小型飛空艇をぶつける直前に飛んで、脱出できます! レオボルトさん達は、バズラを引き付けてください!」
レオボルト「ダメだ! 危険すぎる!」
アル「やらなきゃ明日は来ないんですよ! 僕はリンに約束してきました! だから絶対やり遂げます! やり遂げるんです!」
リンはフィーニスにどうか世界を滅ぼすことを思いとどまってもらおうと、なおも熱心に対話を続けていた。
リン「意味のない世界なんてない。消しちゃっていい世界なんてあるわけ……」
フィーニス「大切な人を! 失ったこともない癖に! なにも知らない癖に……それでも忘れられなくて、なのに私だけが残されて、永遠に……そんなのもう、耐えられない」
リン「……私も、同じだよ。もう二度と大切な人を失いたくない、大切な人に笑っててほしい。だから私は、守りたいの。どうして終滅の歌を歌っちゃうの? ほんとは歌いたくないのに、ほんとは消したくないのに……」
フィーニス「私は……」
リン「助けてって聴こえたの! 助けてほしかったんでしょう? 私聴こえたよ……ちゃんと聴こえたの!」
フィーニス「……どうしてそんなに?」
リン「私が、フィーニスの癒しの歌だから」
フィーニスがかつて愛したヘンリーへの想い、どんなに時が経とうとも彼を忘れられなかった想い、それなのに捨ててしまった想い。
ヘンリーと過ごした思い出の場所で歌った「癒しの歌」の光によってリンが生まれたことに、フィーニスは驚き、涙を流す。
リン「だから私は歌うよ、フィーニス」

レオボルトとアルは、ついにバズラ将軍を討ち取ることに成功する

天空の獅子団達の誘導によって、王都付近の民衆は避難をし始める。
その中には、王宮を破壊し、王族すらその手に掛けたバズラ将軍の狂気に恐れをなした兵士達の姿もあった。
そしてレオボルトと別れたベロウとスノアは、偶然にもゴルト王国の王子を見つける。
ベロウ「ご無事ですか、王子」
王子「……いったい、なにが?」
ベロウ「王宮ごと、吹っ飛ばされたんです」
スノア「運よく、あんたは滝に落ちて……」
王子「ち、父上は! ゴルト王は!?」
ベロウとスノアが沈黙したことで、王が助からなかったことを悟る王子。
王子「バズラ……あの反逆者め!」
レオボルトは引き続き、バズラ将軍が搭乗する歌奏兵器周囲を飛空艇で飛び回る。
するとバズラ将軍は、もはや王宮は必要ないと王宮に砲口を向ける。
バズラ将軍「この歌奏要塞が新たな王都だ。消え失せろ!」
アル「今だー!!」
飛空装置を背負い、飛空艇にしがみ付いた形でアルは単身、歌奏要塞に特攻する。
さらにその飛空艇には、アルの発明品である星弾をあるだけ詰め込んだ荷物を括り付けている。
アルは手を放し、飛空艇をバズラ将軍がいるコアにぶつける。
見事に命中し、コア部分は星弾の爆発によって煙と光が舞う。
これだけの爆発ならコア部分は破壊されているはずだと、アルとレオボルトは喜びの声を上げる。
しかしその煙から、突如として氷の刃がアルに襲い掛かり、アルの左胸に突き刺さる。
さらに竜巻のような風がアルを吹き飛ばすと、バズラ将軍が反響装置を装填した弩(いしゆみ)を持って高らかに笑う。
バズラ将軍「無駄死にだったな! ガキが!」
レオボルトは怒りのまま、バズラ将軍に特攻を掛ける。
引き抜いた剣は弩を破壊するが、バズラ将軍へは届かず、レオボルトは腹部を蹴られてそのまま落下する。
しかしそこに、吹き飛ばされたはずのアルが飛空装置を活かしてレオボルトを救出する。
そしてそのまま急上昇し、レオボルトはもう一つの剣を引き抜き再びバズラ将軍へと特攻する。
応戦しようとバズラ将軍は剣を引き抜こうとするが、アル達の速度が勝り、ついに彼はレオボルトに貫かれる。
バズラ将軍「小僧、貴様、何者だ!?」
アル「僕は、アル……アル・ホークレイ!」
かつて王都の大将軍であったホークレイの名前を呟き、バズラ将軍は事切れる。

一枚の図形譜に二つの歌が書かれているのは必ず意味があると見抜いたアルに思いを馳せるリン

宮廷楽団を引き連れ、流扇の広場へと辿り着いたポニー達に気付いたリンは、笑顔で彼らを迎える。
リン「癒しの歌と終滅の歌。同じ図形譜だったのには絶対意味がある……私、なんだかわかった気がするよ、アル」
一方、アルとレオボルトは、本来一人用であった飛空装置が限界を迎え、地上に降り立っていた。
先程バズラ将軍が放った氷の刃によって左胸を貫かれたアルをレオボルトは心配するが、それは杞憂に終わる。
アルは氷を引き抜いた後、左胸のポケットに入っていた犬の鳴き声を真似するおもちゃを取り出す。
それはアルの発明品の一つであり、偶然にも身を守ってくれていた。アルの代わりに貫かれてしまったそのおもちゃは無残に砕け散る。
するとそこへ、アル達を研究所で見送ったドクター・ヴァイゼンが姿を現す。
彼が現れたのは、アル達に伝えなければならないことがあるからだという。
空に浮かぶ星は、手を伸ばせば届きそうな程に迫って来ていた。
ポニー達は演奏の準備をしながら、その星の大きさに危機感を抱く。
リン「目覚め、誘う、歌を、人は心で、繰り返す」
ポニー「あれは、癒しの歌?」
フィーニス「……嘆きで、消してしまえ……芽生える、願いの音を」
パット「終滅の歌……」
ポニー「二つの歌が、一枚の図形譜に……」
リン「光り、消えた空に、愛を」
フィーニス「絶望を」
リン・フィーニス「灯すように」
アリュー「そうか、そういう意味だったのか!」
モニカ「癒しの歌と終滅の歌」
ポニー「もともと、一つの歌だった」
その頃アルは、全速力で流扇の広場へと向かっていた。
ドクター・ヴァイゼンから、リンが消滅してしまうことを聞かされたからである。
リンはフィーニスの希望であった癒しの歌から生まれた存在。
そしてリンの歌が、その想いが、フィーニスの心へと届いた時、リンは歌としての役目を終えてしまうことを意味する。
それは人生に例えるならば、死と同義であると語るドクターに、アル達は目を見開く。
ドクター「もはやフィーニスを救うことが世界を救うこととなるが、上手くいったとしても、その時リンは……」
アル「そんなの、そんなの~!!」

奇跡を起こし、フィーニスの願いを叶えたリンは精霊の光と共に消えてしまう

アルはようやく、流扇の広場へと辿り着く。
リンは振り返り、まっすぐアルを見据えて微笑む。
そして再び前を向き、今や目前に迫った星を見上げる。
辺りが静寂に包まれる中、宮廷楽団の演奏が始まる。
リンは「癒しの歌」を、フィーニスは「終滅の歌」を歌い、やがてそれは一つの歌に混ざりあう。
次第に強い風が吹き荒れ、青かった星が赤く染まっていく。
それでもリンとフィーニスは歌い続け、ポニー達宮廷楽団の演奏が途切れることはない。
そしてリンとフィーニスはそっと手を取りあうと、やがて世界は星に飲み込まれる。
全ては消え失せた、かに思われた。
リンとフィーニスの歌は世界を包み、精霊の光によって大地も動物も人も、全てが蘇る。
その光は再び流扇の広場の中心に戻り、最後にフィーニスが姿を現す。
そして精霊の光はフィーニスの目の前に降り立ち、リンという少女だった姿を象った後、光は散らばりやがて消え失せる。
リンが消えてしまったことに、フィーニスは涙を流して項垂れる。
ポニーやアリュー、モニカが涙を浮かべる中、アルは流扇の広場へと歩き、空を見上げる。
そこにはもう、空に浮かぶ星はない。
そしてアルもまた、リンに思いを馳せて涙を流す。
フィーニスはふと胸元に手を当て、脈打つ鼓動を感じ取り、息を呑む。

アルの故郷であるダンデラ村の丘で、レオボルトの剣が突き立てられる

その後、王都は再建に向けてレオボルトを将軍に据え、ポニーは王族であるアレア・ゴルトとして女王の座に就く。
アリューとモニカは実家の店を手伝いながら、変わらずに音楽を続けている。
ドクター・ヴァイゼンは隠居生活を謳歌しつつ、細々と研究を勧めている。
アルは、そのドクター・ヴァイゼンを引き継いだ最年少科学者と呼ばれ、王都で研究に勤しんでいる。
そしてフィーニスは、女騎士・コルテと共に、旅をしている様子。
コルテ「フィーニス! こんなところに一人で、また迷子になったの?」
フィーニス「コルテ!」
コルテ「あなたのことは私が守ってあげるけど、その子を守ってあげられるのは、あなただけなんだからね?」
フィーニスは涙を浮かべながら、自分のお腹に宿った新しい命に手を添える。
アル達はダンデラ村の丘に集まり、そこで赤紫色の花が咲く場所にレオボルトの剣を突き立てる。
そしてアルは誰かに呼ばれたのか、振り向き、微笑む。
アル「ねえリン。リンの歌が聴こえます。その歌は、星の運命すら変えた。その歌は、いつもそこにいてくれた。その歌は……」

「LOST SONG」第12話『始まりの歌』の感想・考察

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