こみっくがーるず(第11話『人生のピークがきたんです』)のあらすじと感想・考察まとめ

学校の進路希望調査票に、なんと書こうか悩む薫子。そんな中、退寮の日が迫るまんが家寮では、倉庫の整理がはじめられた。みんなで片付けているとき、柱の落書きを目にした薫子は、そこにあった先輩たちの言葉に励まされ、ネームを描きまくる。薫子の原稿を読んだ編沢は、掲載が決まったことを薫子に伝えた。
今回は「こみっくがーるず」第11話『人生のピークがきたんです』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「こみっくがーるず」第11話『人生のピークがきたんです』のあらすじ・ストーリー

琉姫 「みんな、書いた? これ」
食堂で、進路希望調査票を見せる琉姫。
小夢 「まんが家だよ」
琉姫 「さては、ちゃんと読んでないわね。第二希望まで書くことに、なってたじゃない」
小夢 「琉姫ちゃんは、なんて書いたの」
琉姫 「第二希望は保育士よ」
小夢 「なんで保育士?」
琉姫 「人手不足で需要あるし、資格を取れば、いろんな就職先があるからね」
翼 「るっきーなら、仕事の両立もできそうだね」
小夢 「わたしは、お菓子屋さんにしようかな。実家がお菓子屋さんだから」
薫子(かおす) 「わたしの実家も、いちおう小さな和菓子屋さんで」
小夢 「じゃあ二人で、和洋お菓子ユニットが組めるね」
琉姫 「まんが描くんだよね」
盛り上がっていた薫子と小夢は、ハッと我に返る。
琉姫 「つーちゃんは、なんて書くの」
翼 「まんが家以外、一ミリもやりたくない」
怖浦 「わたしはね、第二志望、介護系のお仕事って、いちお書いたよ。地元で働けそうなところ、けっこうあるから」
翼 「現実的に将来を考えているんだ」
怖浦 「ウソウソ。将来は立派なオバケになりたいの」
琉姫 「まともだと思われたくないの?」
そこへ花園が顔を出す。
花園 「もしかして進路のこと? わたしは悩んだ末、まんが家の道を選ばなかったのよ。こう見えても昔、わたしもあなたたちと同じような学生作家だったのよ。でもね、プロになると、すべて思い通りには描けないじゃない。この設定じゃ売れないとか読者が共感できないとか、そんなことばっかり考えてたら、なんか楽しくなくなってきちゃって」

以前から出ていた建て直し計画のため、寮の取り壊しが決まった。
『退寮のおしらせ 二月二日(土)までによろしくお願いします』
その掲示をながめた花園は、退寮の準備をするため、薫子たちを倉庫に案内する。
花園 「過去の寮生たちが、置いていったものがあるのよ」
翼 「これ初版本だ」
小夢 「カラーのラフスケッチとかもあるよ」
薫子(かおす) 「資料も、いっぱい」
花園 「いちいちお宝に感心してたら、今日中に終わらないわよ。テーマごとに分類して、箱にしまってね」

花園 「テーマごとに分類して、箱にしまってね」

薫子(かおす) 「翼さん、進路希望調査票、書きましたか」
翼 「第一希望も第二希望も、まんが家って書いた。かおすは、どうしたの」
薫子(かおす) 「わたし、まだ書けなくって。もちろん、まんが家の道を進んでいきたいです。でも、ずっと歩き続けられるのかなって思うと、不安で……」
翼 「わたしだって、不安がないって言えばウソになる。でも今は、それを考えないようにしてるよ」
柱のポスターを見る翼。
翼 「これ、はずしておこうか。ボロボロだし」
薫子(かおす) 「はい、そうしましょう」
ポスターをどうしたら良いか、翼が花園にたずねているあいだ、薫子は柱の落書きに気付く。突然、つぶやきはじめた薫子。
薫子(かおす) 「そうですよね」
翼 「かおす?」
柱に向かって話す薫子。
薫子(かおす) 「はい、わたしもがんばります」
翼 「え、さっきから、がんばってるよね。片付け」
薫子(かおす) 「はい、これからも、思いきり、がんばります」
なぜか分からないが、急に元気になった薫子を、翼は怪訝そう見た。

柱に向かって話す薫子

部屋で薫子が、ネームを描きまくっている。その様子を見た小夢。
小夢 「やっぱり、わたしも、もう少しがんばることにした」
薫子(かおす) 「はい、一緒にがんばりましょう」

原稿を編沢に渡す薫子。
編沢 「いっきに四本ですか」
薫子(かおす) 「もうすぐ寮にきて一年で、このまま終えると自己嫌悪で、つぶれてしまいそうで」
編沢 「さっそく拝見しますね」
一本目は、ラブコメまんがだ。
薫子(かおす) 「少女まんが家の子と話して、男性キャラの魅力をメインに考えてみたんですけど」
編沢 『男性キャラの魅力、かおす先生の考える。いったい、どんな』
そう思いながら、編沢は原稿をめくる。
編沢 「なんで薪割りしてるんですか、この人」
薫子(かおす) 「力強くて生命力に、あふれている魅力的なシーンって考えたら」
編沢 「学園ものですよね、休み時間に薪割りって……」

薪割りをする男性キャラクター

次のネームは、エロまんがだ。
薫子(かおす) 「深夜のテンションで、すごくやりすぎてしまって」
編沢 「大丈夫です。かおす先生の絵なら、どんなエロ展開をやられても、真顔で目をそらすことなく読める自信があります」
原稿に目を通す編沢。
編沢 「パンチラ? この男子キャラ全然エロくないし、むしろエロより薪割りに必死だし。かおす先生の中で、パンチラは最大のエロですか。よくそれで、こういうのを描こうと思いましたね」
三本目は、異世界ファンタジーものだ。
編沢 「どこかで聞いたことのある要素だらけですね。ですがまあ、主人公のキャラしだいでバケますからね。主人公の魅力を印象づけるシーンが、上手く描けてさえいれば」
現われたのは、薪割りシーンだった。編沢は頭をかかえる。
四本目は、女子高生の日常的な話だ。
編沢 「これ悪くないかも。登場人物がすごく生き生きしていて、なによりカワイイ」
薫子(かおす) 「それ、いろいろ考えられなくて、なんとなく頭に浮かんだものを描いただけで」
編沢 「それゆえに、よけいな設定や小細工がなくて読みやすい。力が抜けて、自然体のかおす先生らしさが出てる、ような気もするんですが、ちょっと判断力がにぶってきたので、明日もう一回読んで連絡します」
寮への帰り道、薫子は倉庫の落書きを思い出していた。
『祝ボツ地獄脱出!! 頑張った甲斐があったわぁ!!』
『努力に勝る天才なしっ!!』
『プロになる秘訣。漫画が好きであること! 続けていくこと! そして踏み出せ、小さなこの勇気が、いつか輝けるように』

倉庫の落書き

部屋で、編沢の連絡を待っていた薫子の電話が鳴る。
編沢 「掲載、決まりました」
ショックのあまり、言葉が出ない薫子。
編沢 「連続ゲスト前後編で、いけますか? 反応が良ければ連載につながりますよ」
連続ゲストという言葉に感激しすぎて、ベッドから落ちる薫子。一度だけの掲載にとどまらず、前編と後編の二度もゲスト掲載してもらえるのだ。
薫子(かおす) 「人生のピークが、きたんです。もう悔いはありません」

薫子は小夢たちに、掲載のことを報告した。
翼 「ホント良かった」
琉姫 「かおすちゃん、がんばってたものね」
小夢 「やったね、かおすちゃん」
薫子(かおす) 「はい、なんとか」
学校で、進路希望調査票を取り出す薫子。第一希望欄には 『まんが家さんです』 と書かれていた。

「こみっくがーるず」第11話『人生のピークがきたんです』の感想・考察

「こみっくがーるず」アニメ全話のネタバレ解説まとめ

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