ヒナまつり(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ヒナまつり』とは、大武政夫原作の漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。
暴力団『芦川組』に属するインテリヤクザ・新田のもとに、楕円形のマシンにくるまれた超能力少女・ヒナが突如現れた。マシンの拘束を解くや否や、素性も目的も明かさないまま謎の念動力で部屋の骨董品を次々破壊していくヒナに対し、身と家財の危険を感じた新田はしぶしぶ彼女を寝泊りさせることになった。
本作はこの2人をはじめとしたちょっぴり可笑しなキャラクター達が繰り広げる、笑いあり涙ありの非日常コメディーである。

アンズと共にテレビの投棄品を探していたヒナは、新田の金で何故か新品のテレビを購入。それを手に、テレビの売却先である吉田の元へタクシーで向かった。

運転手「どちらまで?」
ヒナ「川まで」
運転手「どこの!?」

ボーっと視聴していると聞き逃してしまいそうな、モブキャラとの然りげ無いやり取り。またヒナが手を置く段ボール箱にも、地味に『ビックリカメラ』なる某家電量販店のパロディネタが。本作品はメインキャラクター同士の賑やかな掛け合いだけでなく、細部に渡ってネタが隠れているので、繰り返し視聴してみるとまた新たな発見があるかもしれない。

「アンズちゃんの中には、大勢の人がいるんだ」

ギャグアニメの本作品において数少ないシリアスパートであり、また不覚にも視聴者の感動を誘った名シーン。

公園内の集落から立ち退きを余儀なくされ、バラバラになってしまったホームレス達。その一人であるアンズは、林夫妻に引き取られた後も孤独を感じていた。後日、店の手伝いを申し出たアンズが、やっさんをはじめ沢山の仲間に色々なことを教えてもらったということを夫妻に訴えると、それに感心した夫がアンズを優しく励ますのだった。

「ヒナちゃーん、お母さんだよー。ヒナちゃーん、お待たせー。笑ってー。ほら、笑ってー」

ヒナと新田、2人がメインのパートでは大抵ヒナが迷惑をかける側だが、新田と詩子のデート回においては新田がヒナを骨折させるなど唯一立ち位置が逆転している。

詩子を新たなお母さんとしてヒナの前に連れて来ることを誓う新田だったが、勝負のデートはあっけなく失敗に終わる。ヒナが病室で新田の帰りを待っていると、半開きになった扉から突然パペットが現れ、その奥からは哀愁漂う新田の裏声が聞こえてくるのだった。

「食べて寝るだけの存在かな」

瞳の無自覚な毒舌パート2。

ヒナが超能力を使っている所に偶然出くわしたマミは後日、ヒナが特殊な何かを持っているんじゃないかと瞳に尋ねる。しかしイマイチ反応が薄かったため、マミは瞳に対しヒナの印象を訊く。すると、返ってきたのは何とも辛辣な評価だった。

「ただい……ま!? 俺、死んでるーっ!」

新田の面白いツッコミは多々あるが、本台詞はその中でも最たる声量を誇る。

ヒナが出世祝いをしてくれるということで、新田は心を踊らせながら帰宅する。しかしいざ部屋の扉を開けてみると、そこは新田の葬儀会場と化していた。

「ついて来な。お金が足りないなら、増やせば良いじゃない」

アンズは林夫妻へのプレゼントとしてマッサージ器を買おうとするも、微妙にお金が足りず困っていた。瞳が不足分を立て替えようとした所、突然サブが現れ2人をついて来させると、辿り着いた先はなんと競馬場だった。

バーで担任教師と鉢合わせたときの瞳や、跡目問題の解決に奔走していた新田など、サブのせいで誰かが余計なピンチを背負う場面は度々あった。その中でもアンズに対するこの台詞が、「サブ=疫病神」を確立する決定打となる。

「オイオイ、瞬殺だよ」

11話が放送されて以降、動画サイトでの1話のコメント欄にも多く使われるようになるなど、本作品の代表的な台詞の1つとなった。

新田への密着取材を通じて、ジャーナリストの瀬田が作り上げたヤクザ特番。この台詞は本来、ヒナにゲームで負けた時に発しただけの言葉だったが、TV放送時には「そんな生き方では、敵だらけになりませんか?」と追加ナレーションが入ったことで、あたかも新田が歯向かうもの全てを薙ぎ倒す鬼畜であるかのような印象を視聴者に与えた。

「タダのうんこ製造機だと思ってた自分が情けねえ!」

ヒナが雪山にて、自分が能力者であることを明かした際にタカシが発した言葉。瞳の「食べて寝るだけの存在」発言といい、ヒナに対する周囲の評価は凄まじく低い。

この場面の後にも色々ネタを挟むため印象が薄れがちだが、初期は力づくで言うことを聞かせるだけだったヒナが、その能力で人を助けるようになったのは大きな成長と言えるだろう。

『ヒナまつり』の用語

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