鹿楓堂よついろ日和(第4話『天丼サバイバー / ハプニングにゃー』)のあらすじと感想・考察まとめ

ときたかは、陶芸教室の講師もつとめている。ある日、教え子たちと海鮮丼を食べに行くと、店の前には長蛇の列ができていた。食べたかったものを食べられなかった教え子たちの無念に、ときたかは翌日になっても心を痛めていた。ときたかはその夜、同じように楽しみにしていた天丼を食べられず、空腹で倒れてしまったサラリーマンの柴野を助ける。
今回は「鹿楓堂よついろ日和」第4話『天丼サバイバー / ハプニングにゃー』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「鹿楓堂よついろ日和」第4話『天丼サバイバー / ハプニングにゃー』のあらすじ・ストーリー

天丼サバイバー

TVの丼特集では、ときたか(右)が食べたかったしらたけの海鮮丼が取り上げられていた。

椿がダイニングルームで遅い朝食をとっている時、TVでは丼特集をしていた。『しろたけ』という海鮮丼の名店が紹介されているところに、ときたかが恨みがましい顔つきで入ってきた。
昨日、ときたかは陶芸教室の生徒たちとしろたけに出かけた。しかし、三時間待ちの行列に耐えきれず蕎麦に変更したという。知る人ぞ知る名店だったしろたけは、先月雑誌に取り上げられてから、評判はさらにうなぎのぼりになっていた。
「食べたいものが食べられないなんてかわいそう」と、ぐれと椿は共感する。ピンとこないスイに、猫カフェにお目当ての猫がいなかったときに置き換えて、ぐれは説明した。猫好きのスイはそれで理解した。スイは椿とともに、客に悲しい思いをさせないサービスを提供すると張り切る。ときたかは、「食べそびれるのも、悪いことばかりじゃないんですけどね」と、物事を別の側面から見て気持ちを切り替えようとしていた。
その夜、門前に看板を片付けに出たときたかの前で、よろよろ歩いていたサラリーマンの柴野が倒れた。

天丼を食べられずに行き倒れになり、鹿楓堂には天丼はなく、ときたかの天丼は海老天もない。がっかり天丼三連発の会社員・柴野。

柴野もTVの丼特集を見て、今日は天丼を食べると決めていた。ところが、この日は仕事で忙しく昼食を食べられず、目当ての店も臨時休業だった。失意と空腹のどん底にある柴野は、看板のあんみつの絵を天丼と見間違え、鹿楓堂に入った。
鹿楓堂に天丼がないと知って、柴野は絶望に打ちひしがれる。ときたかは、昨日の自分たちの姿を重ね合わせて、柴野の注文に応えることにした。運ばれた丼がとり天であることは、海老天だと思いこんでいた柴野の気分を下げる。しかし、数口かきこんで、柴野は評価を変えた。やわらかい鳥胸肉の天ぷらのおいしさを手離しでほめて、ゆっくり味わうのだった。

陶芸教室の生徒たち(右3人)は、ときたかが時代劇の主人公のように華麗な人助けをしたと思いこむ。

ときたかが柴野を見送っている間、スイはとり天の話をする。子供の頃、唐揚げを食べそこねたときたかは、代わりに入った店でとり天に出会った。ときたかのおかげで、ぐれや椿はとり天を知り、早とちりするほど空腹だった柴野を満足させることができた。「食べそびれるのも悪いことばかりじゃないかもしれませんね」とスイが締めくくった。
後日、ときたかは陶芸教室の教え子たちと『しろたけ』に赴いた。柴野は、しろたけの息子だった。息子の礼にと、店主が招いてくれたのだ。ときたかたちは、他に客のいない店で、ゆっくり海鮮丼を食べることができたのだった。

ハプニングにゃー

迷い猫になつかれて迷惑そうなきなこを、ご機嫌で撮影するスイ(右)

ある日、鹿楓堂の愛猫きなこが門前で昼寝をしていると、黒い子猫につきまとわれた。スイは、子猫ときなことのからみに我を失うほど夢中になる。
子猫の様子から飼い猫ではないかと踏んで、鹿楓堂で保護して飼い主を探す。スイ以外の三人も、子猫のいる生活を楽しんでいた。いつも気ままにのんびりしているきなこは、じゃれる子猫に迷惑顔だった。
スイたちは、きなこの子猫時代を知らない。スイがきなこを拾ったときには既に成猫だった。スイは突然連れてきたボロボロの野良を、ときたかたちに相談せずに飼いはじめたのだ。子猫の飼い主がなかなか見つからないため、椿たちは捨てられたのでなければよいのだけどと心配していた。

子猫を慰めているうちに、一緒に眠ってしまったきなこ。

みんなが寝静まった夜、きなこは子猫の鳴き声を聞いた。子猫が寝かされているダイニングの段ボール箱にきなこは入って慰めた。翌朝、スイは箱のなかで寄り添って眠る二匹を見つけた。
数日が過ぎ、キャリーバッグを担いだ女性が鹿楓堂に駆けこんできた。その女性は子猫の飼い主だった。友人の持ってきた飼い主探しのチラシを見て、慌てて迎えに来たのだ。飼い主はチラシのそっくりな似顔絵で自分の猫だと確信したのだった。チラシを作ったスイの意外な才能に、椿たちは驚く。
伝蔵という子猫は泣きながら帰っていった。スイたちも別れを惜しみながら、「帰れるおうちがあってよかった」と、子猫に待つ人があったことに安堵した。

「鹿楓堂よついろ日和」第4話『天丼サバイバー / ハプニングにゃー』の感想・考察

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