エロマンガ先生(伏見つかさ)のネタバレ解説・考察まとめ

「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」で有名な伏見つかさが著者を務める電撃文庫のライトノベルと、それを原作にしたアニメ作品。
ラノベ作家の高校生の主人公と引き籠もりのイラストレーターの妹が、「世界で一番面白いラノベを書く」という夢のために二人三脚する物語を描いている。
2016年4月にアニメ化し、全12話が放映された。

第1話で初めて正宗を部屋に入れ、会話をした時に出てきた紗霧の台詞。「休みの日に家に居過ぎ!」と文句を言った時、「家で仕事してるに決まってるだろ」と正宗に返された後、夏休みの回想シーンに入る。
夏休みの正宗はボツ続きで仕事が思うように進まず、このように血相を変えて連日徹夜仕事に追われるほど、紗霧の食事を作ってやるほどの余裕がなかった。さらにイヤホンでラジオを聴きながらでも集中までしないといけない状況だったため、紗霧が必死で床を叩き、足を踏みならしても食事が全然来なかった。
「床をドンドンしてもご飯が来なかったときの絶望…兄さんに分かる!?」と、悲痛に訴えてくる紗霧だが、正宗は「飯くらい部屋出て食えよ」とツッコむ。すると紗霧はドヤ顔で、「部屋を出たら負けだと思っているわ☆」と、言い切った。これはまさに引き籠り系キャラの名台詞で、しかもここまで愛くるしい外見だからこそ、ファンの中にも「負けなら仕方ない」と思ってしまった人もいるだろう。

めぐみのあの手この手

第2話でいきなり和泉家を訪れためぐみは、紗霧と友達になれてないのが心残りとなっており、彼女を学校に連れていくことに熱意を燃やしていると豪語する。これに対し紗霧は、正宗が懐に忍ばせている携帯電話越しに「すっごく嫌いなタイプ。親切押し売り偽善者。帰れ!」と、こっそりと暴言を吐きつけている。
その後めぐみは、紗霧を部屋から引っ張り出すために、彼女が使っているネットを解約しようと提言したり、正宗に「チューしたことあります?」と、色仕掛けを使ったりしているうちに、ついに正宗の携帯越しに紗霧がこの会話を聞いていることを看破。正宗から携帯をブン捕って紗霧に一声かけようとするが、一瞬のうちに切られてしまう。
第3話ではなんと、クラスメートたちを連れて和泉家の前へと押しかけて紗霧に大声で呼びかけるという大胆な行動に発展。ここまでやってくることから、紗霧と友達になりたいという熱意が嘘ではないことがよくわかる。

兄妹として作家としての第一歩

第4話にてエルフと親しげにしている所を見てしまい、嫉妬のあまり心を閉ざしてしまう紗霧。そして正宗は一念発起して、紗霧に自分の本当の思いを伝えるため、彼女をヒロインにしたラノベを書き上げる。
しかし一方の紗霧も、実はイラストレーターとしての切磋琢磨に励んでいて、頑なに閉じ籠っている半月の間、数多くのイラストを描きあげていた。その見事な出来に目を見張る正宗に、「あなたの新作から私を降ろすなんてありえない。和泉先生が妹をヒロインにするって、究極のラノベを作ってみせるって、本当は嬉しかったから! 絶対私がイラスト描きたいって思ったから!」と、思いの丈をぶつける。紗霧はエルフと会うようになって正宗が作家としてもすごく前向きになったのも、正宗が彼女を新しいイラストレーターにするつもりだと誤解してしまったのだ。
そして、正宗はエルフがイラストレーターではなく自分と同じ作家だと打ち明け、自分はこれからも紗霧と一緒にラノベ作家とイラストレーターとしての道を歩いていきたいことを伝える。紗霧も正宗のその思いを受け止め、一緒にその道を行くことを決めた。こうして二人が兄妹とラノベの道の第一歩を歩み出す決意を固めたこのシーンは、間違いなく名場面としてファンの心に残っただろう。

「助けなさい!今すぐ!」

この名場面は、最初はこのメールから始まる。そのあとに「なにやってるの!早く!」というメールが立て続けに送られてくる。

第5話でエルフが担当編集者から逃げるべく正宗に泣きついてくる場面と、その時に彼女が正宗に送ったメールで、こちらもファンの印象に残った名言と名場面のひとつとして有名である。紗霧と企画書の打ち合わせをしている最中、突然エルフから届いた「助けなさい!今すぐ!」というメールに訝しげになるが、正宗は相手にせず打ち合わせを進める。
その後、「なにやってるの!早く!」という追伸と、直接の電話を何度かけても出てこないことに痺れを切らしたエルフは、ベランダから紗霧の部屋の窓目掛けておもちゃの弓矢を連発して助けを求めるという大胆な行動に出る。しかもわずか数秒でこれだけの矢を撃ってきたことに、唖然となったファンも数多いはずだ。
それからベランダから飛び降りて正宗に受けてもらい、なんとか彼の家に転がり込めたエルフは、担当編集者がちゃんと自分が仕事をしているかどうか監視しにくるというしょうもない理由を述べ、さらにこのように土下座してまで正宗に匿ってくれと本気で泣きついてくる始末である。こうした売れっ子のラノベ作家だと思えないこの姿に、ますます唖然とさせられたファンも少なくないだろう。

「いい度胸じゃオラァァァァァァ!! 戦闘民族足立区民をなめるなよぉぉぉ!!!」

第6話のたかさご書店にて、自分が愛好するラノベをめぐみに悪気なしで「キモオタ小説」と言われたことに智恵がブチギレた時の台詞。これもまた原作とアニメにおいてファンの心に残った名シーンとなっている。
紗霧に一歩近づくための新たな方法として、「キモオタ小説」としてラノベを読もうと笑顔でアピールするめぐみ。すると突然、智恵が不気味な笑顔となり、めぐみを「小娘」呼ばわりするなど態度と雰囲気も一変したかと思うと、「いい度胸じゃオラァァァァァァ!! 戦闘民族足立区民をなめるなよぉぉぉ!!!」と、このように烈火の如く怒り出してめぐみに襲いかかる。
それを見て慌てて正宗が間に割って入って止めようとするが、この後から僅かな間は書店の入り口の様子だけ映し出されており、あとは智恵が暴れる音と正宗の悲鳴が聞こえてくるだけで、正宗がとばっちりを食ったとしか考えられない。
その後、正宗に宥められてなんとか落ち着きを取り戻した智恵だが、それでもラノベを「キモオタ小説」呼ばわりしためぐみの無神経さは見過ごせず、逆にラノベを売り込んでその世界に夢中にさせてやろうと画策する。急に笑顔になり、態度もめぐみが不自然がるほど丁寧なものへと一変させ、ラノベをこれでもかとばかりに売り込み、そしてその目論見通り、一晩もしないうちにめぐみをラノベへと夢中にさせることに成功したのだった。

喧嘩腰になるムラマサの本心は……?

「和泉マサムネ君、君の夢は叶わない…いや、叶えさせはしない! 甘ったるい君の夢は私の夢の邪魔なんだ…だから私が必ずここで潰す!!」

第6話のラストと第7話のオープニングで、文字通りの喧嘩腰で正宗に食ってかかり、さらにラノベ天下一武闘会の参加枠に堂々と自分の名前を書き込んだムラマサの初登場シーン。これもまた、数多くのファンの印象に残った名言と名場面だが、この後のムラマサの本心を知ったことにさらに驚かされたファンも数多い。
第7話でいきなり和泉家にやってきた時のムラマサは、初登場の時と打って変わってやけに穏やかな態度になっていた。そんな穏やかさに不審がる正宗に、ムラマサは大胆にもこう告白した。「君、私のものになりなさい」それは正宗がムラマサに従うラノベ作家となり、代わりに十分な報酬を支払うという意味だった。
そしてムラマサは、理由として正宗が書いたバトル小説が自分にとって世界で一番面白いもので、それをラブコメに変えてしまうことが受け入れられないと言った。しかも、その世界で一番面白いという、正宗がWeb作家時代に書いた小説までパソコンに保存しているという(ちなみにその小説は「テイルズオブファンタジア」の二次創作で、正宗によるとあまり触れてほしくはないもので、今すぐ削除してくれと頼むほどらしい)。
さらに第7話のラストでは正宗も正宗の作品も愛していると大胆に告白までしている。ここまでの展開で、「そんな理由で正宗の夢を潰そうと?」「ならばあんな風に啖呵切る必要があるのか?」と、思ったファンはもちろん、何より素直に思いをうまく伝えられないムラマサのキャラの愛らしさが印象に残ったファンも多いだろう。

これぞエロマンガ先生!

原作と同じようにアニメの「エロマンガ先生」において、なんといっても忘れてはいけないのが、紗霧の女の子に対するセクハラぶりである。エロマンガ先生としても、紗霧個人としてもエルフ、めぐみ、ムラマサといった綺麗な女の子に全く目がなく、平然とセクハラまがいの発言や要求を投げつけるこれらの場面も必見だ。

その1:売れっ子作家に平然とセクハラ要求

「エルフ先生、間近で見たら超可愛い!ねぇねぇ、今どんなパンツ履いてんの!? エルフちゃんって呼んでいい?本名?何歳?ブラってもう着けてるのかなぁ~」

第5話で企画書の書き方を教えてもらう代わりに、家へ匿うついでとして紗霧ことエロマンガ先生に会う約束を取り付けてもらったエルフ。早速、正宗が用意したパソコンの映像通信越しで出会い頭、そのペンネーム通りのセクハラ発言に唖然となる。
しかしすぐに、雑談をしたりオンラインゲームをしたりとですぐに打ち解けており、正宗も映像ごしでゲームという形とはいえ友達ができたことに安心した。ところが、注目するべき場面はこの後にある。
お菓子の買い出しで一度家を空けた正宗が戻ってきたときには、なんとエルフがスカートを捲り上げて下着を見せているという予想外の展開になっていた。呆然となる正宗に「下着見せてくれたらイラスト描いてくれる」と赤面しながらエルフが説明し、紗霧は「可愛い女の子を見たら下着を見たくなるのはしょうがない」と開き直ったのだった。

その2:「欲望を抑えきれなかった…」

「わぁっ…! こ、こっち!」初めて出会うめぐみと、しかも目隠しと手縄の姿に紗霧は大興奮。お面をほっぽり出して部屋の中へと連れ込む姿に、正宗も一瞬目を見張っている。

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