スライドプリンセス(SLIDE PRINCESS)のネタバレ解説・考察まとめ

スライドプリンセスとは、bloom mushroom社が提供するステージ型の脱出ゲーム。
ある日、大きな音とともに古城の裏庭に現れた地下道の真実を解き明かしていくストーリーとなっている。
他の脱出ゲームアプリとは違い一人称視点でなく見下ろし視点での画面が特徴で、プレイヤーはキャラクターをスライドとタッチ操作でゴールに導いていく。

「お城の地下には何があると思う? そう、お宝にきまっているわ!」と姫は執事のヨーム(オウム)を連れてはしごを降りる。

順番に仕掛けを解いていき、姫は徐々に深部へと近づいていく。

「ねぇ、ヨームはどうしてついてきてくれたの?」
「それが約束でしたから」
誰にそう頼まれたのだろう。そもそも、他に誰か人はいないのか。様々な謎を胸に姫は先に進んでいく。

そろそろ最深部にたどりつく頃だろうか。
地上付近の浅い階層は緑にあふれていたというのに、あたりは機械ばかりの殺風景な風景に変わっていく。
ここまで来れば最早、地下に眠っているかもしれない財宝などどうでもよかった。
何故、地下道の探索に反対していたヨームはここまでついてきてくれたのだろうか。約束と言ったが、いったい誰との約束だろうか。この先に進んで真実を確かめなければいけないと、姫は直感していた。

そして、すべての仕掛けを問いた姫の目の前にあったのは、小さな脱出艇だった。
姫はそれに乗り、「古城の地下」を脱出する。

たどりついた先は大海原であった。遠くに船が見え、ヨームは大空を飛んでいく。

エンディングのあとはスタート画面が古城からこのように変化する。

『スライドプリンセス』の登場人物・キャラクター

プレイヤーが操作することになるキャラクター。
本名は不明で、同行者のヨームから「姫」と呼ばれるだけである。

城の裏庭に出現した地下道にお宝があるかもしれないと予想し、探検用の服に着替えて地下道を探索する。

ヨーム

姫の執事をつとめる。人語を喋る賢いオウム。

やや過保護気味で心配性であり、地下道を探索しようと提案した姫を止めに入った。
意思が固い姫に根負けして、その道中についていくことになった。

ゲーム中ではアイテムのヘルプテキストを担当し、「これはこう使えそう」とヒントを与える役になっている。

『スライドプリンセス』のストーリーの真実

ストーリーの真実は各ステージに隠されている「シークレットファイル」を見ることで明らかになる。

まず、姫が古城だと思っていたのは「宇宙空間にある医療施設のコロニー」である。
その医療施設コロニーでは特殊な病気の治療の研究をしており、患者は地球からこの施設に移されてきたのである。

病気についてだが、具体的にどのような病気なのかは説明されておらず、また症状も不明。
「宇宙という特殊な環境でのみ治療が可能」と説明されているのみである。

この治療の副作用には「幻覚・幻聴」があげられる。
ないものをあるように見たり、時間感覚がおかしくなっていたり、動物が喋っているように聞こえたりするのである。

その医療施設コロニーだったが、ある日、事故が発生する。
多数の人は脱出したが、一部の人は避難できなかったという記述があった。
そのコロニーは本来の軌道を大きく逸れ、地球からの接触は不可能だった。
長い年月が過ぎ、たまたま地球に最接近する日まで、コロニーは永遠に宇宙をさまようのである。

ほのぼのとしたイラストや可愛らしいキャラクターに惹かれてプレイを始めたユーザーにとって、このシナリオはかなりの衝撃であった。
スマホアプリの脱出ゲームといえば一人称視点でシナリオなんてあってないようなものである。
だからこの「スライドプリンセス」もキャラクターイラストがかわいい程度で、シナリオに関しては地下道ができました、奥には財宝がありましたくらいしかないだろうと踏んでいたユーザーの期待をいい意味で裏切ったのである。

姫が見ている世界

「シークレットファイル」では「毎日図鑑を眺め、オウムを欲しがっている少女」の話が出てくる。
研究員の娘であり、難病治療のためコロニーに移り住んできたこの少女こそが姫である。

研究員は研究のためと偽って、病気の娘にオウムを与える。
長生きな鳥は何十年も生きるため、治療の副作用によって時間感覚が狂った少女の相手をするのにはぴったりであった。

姫は治療の副作用の幻覚によってコロニーの風景が城に見えていた。
「姫」というのも、オウムが執事であることも副作用によるもので、自分がそう思い込んでいただけであった。
しかも治療がないということは、副作用の幻覚が起きないということである。
ステージが進むごとに風景が殺風景になっていったり、ストーリーの終盤、エンディング前のイベントシーンでヨームが一言も発さず姫だけが喋るシーンがその伏線となっている。これらは治療の副作用である幻覚が切れてきたため、意識が正常に戻りつつあるということである。

T_aokiu8
T_aokiu8
@T_aokiu8

目次 - Contents