『仮面ライダー555』とは2003年1月よりテレビ朝日系で放送された特撮テレビドラマ作品で、平成『仮面ライダー』シリーズ第4作である。
「ドライバー」と呼ばれる変身用アイテムを巡る複雑なベルト争奪戦や、怪人「オルフェノク」側の人間ドラマを描いた群像劇が大きな特徴である。人間に適合しないと変身できない仕様や、主人公以外の人物・怪人も変身可能な独自の設定を導入。主人公の乾巧と木場勇治を軸に、怪人の苦悩や人間との共存といったシリアスなテーマを展開した。
『仮面ライダー555』(ファイズ)の概要
『仮面ライダー555』(かめんライダーファイズ)とは、2003年1月26日から2004年1月18日までテレビ朝日系で放送された特撮テレビドラマ作品で、平成『仮面ライダー』シリーズ第4作である。シリーズで初めて地上デジタル放送に対応した作品となった。キャッチコピーは「疾走する本能」。
劇中では「仮面ライダー」という名称は用いられず、外付けで自由に携帯可能な変身用アイテムが「ドライバー」と定義された点が特徴である。適合しないと変身できない仕様や、複数の人物や怪人が変身者となり得る複雑なベルト争奪戦が物語の軸となっている。
本作の最大の特色は、従来描かれることの少なかった怪人(オルフェノク)側の人間ドラマにもスポットを当てた点にある。人間の死と再生によって覚醒するオルフェノクたちの苦悩や、人間との共存を模索する姿が描かれ、単純な善悪二元論では割り切れない群像劇が展開された。
登場人物同士の誤解や謀略、感情のすれ違いによるドラマに加え、体の灰化やベルトによる人体消滅などホラー要素や死の描写も盛り込まれた。主人公の乾巧と、オルフェノクとして生きることになった木場勇治の二人を軸に、難解でシリアスなテーマを描き出している。
『仮面ライダー555』(ファイズ)のあらすじ・ストーリー
運命の出会いとファイズの誕生
西暦2003年。九州で気ままな一人旅をしていた青年・乾巧(いぬい たくみ)は、バイクのトラブルを通じて、同じく旅をしていた少女・園田真理(そのだ まり)と出会う。真理は巨大企業「スマートブレイン社」から送られてきた謎のアタッシュケースを所持しており、その中身を狙う正体不明の怪物「オルフェノク」の襲撃を受ける。
真理はケース内の「ファイズドライバー」を装着して変身を試みるが、エラーを起こして失敗。絶体絶命の窮地に陥った真理は、偶然居合わせた巧へ無理やりベルトを装着させる。条件を満たした巧は超戦士「仮面ライダーファイズ」へと変身を果たし、襲い来るオルフェノクを見事に撃破した。戦うことに消極的な巧だったが、ベルトの適合者を求める真理に巻き込まれる形で行動を共にすることになる。その後、二人は親切なクリーニング店店主の青年・菊池啓太郎(きくち けいたろう)と出会い、彼が東京に持つ店舗兼自宅で3人による奇妙な共同生活を開始した。
もう一人の主人公・木場勇治
一方、東京に住む青年・木場勇治(きば ゆうじ)は、2年前の交通事故によって両親を失い、自身も昏睡状態の末に死亡判定を受けていた。しかし、奇跡的に病院で蘇生を果たす。混乱のまま帰宅した彼を待ち受けていたのは、身勝手な親族に財産を根こそぎ奪われ、恋人までもが従兄弟に寝取られているという絶望的な現実だった。
裏切りへの激怒と不条理への絶望から、勇治の身体は怪人「ホースオルフェノク」へと変貌を遂げ、衝動的に従兄弟と元恋人を手にかけてしまう。犯した罪に打ちひしがれる彼のもとに、スマートブレイン社の案内人・スマートレディが現れ、彼が一度の「死」を経て人類の進化形である「オルフェノク」として覚醒した事実を告げる。
スマートブレイン社は人類を排除しオルフェノクの社会を築こうとしていたが、勇治はその姿勢に強く反発。同様にオルフェノクとして覚醒した少女・長田結花(おさだ ゆか)や青年・海堂直也(かいどう なおや)を引き取り、「怪人となっても人間として生きる」ことを決意して共同生活を始める。
正体を知らないまま出会った巧と勇治は、互いの悩みや人間性に共鳴し、親友のような深い絆を育んでいく。しかし、裏では人間を守るファイズと、仲間を守ろうとするホースオルフェノクとして、幾度となく刃を交える皮肉な運命に翻弄されていくのだった。
交錯するベルト
仮面ライダーのベルトはファイズだけではなかった。真理と同じく養護施設「流星塾(りゅうせいじゅく)」の出身者である青年・草加雅人(くさか まさと)が現れ、二本目のベルトを用いて「仮面ライダーカイザ」へと変身する。草加は文武両道の好青年を装いながらも、内面は歪んだ独占欲と激しい人間不信を抱えていた。真理に執着する草加は、彼女と親しい巧を危険視し、さらにはすべてのオルフェノクを「悪」と断じて徹底的な殲滅を目論む。
草加の陰湿な策謀と謀略により、巧と勇治の間には拭い去れない誤解と不信感が植え付けられていく。さらに、スマートブレイン社が誇る最高幹部集団「ラッキークローバー」の介入や、強力な第三のベルト「デルタ」を巡る泥沼の争奪戦が勃発し、流星塾の塾生たちが次々と戦いの犠牲となって灰へ姿を変えていった。
明かされる真実とウルフオルフェノクの覚醒
戦いが激化する中、巧の秘められた過去と正体が白日のもとに晒される。巧の正体は、異形の狼型怪人「ウルフオルフェノク」であった。かつて流星塾のキャンプ地で起きた惨劇の際、オルフェノクの襲撃から塾生たちを救うため、自らも怪人の力を解放して戦ったという罪悪感に苛まれていたのだ。
正体を知られた巧は自嘲気味に仲間のもとを去ろうとするが、真理と啓太郎は「巧が怪人であろうと、巧は巧だ」とその存在を優しく受け入れる。温かい絆を取り戻した巧は、人間として生き、人間を守るために戦う覚悟を再確認する。真理から新たなる力「ファイズブラスター」を授かった巧は、最強形態であるブラスターフォームへと進化を遂げ、襲い来る強敵たちを圧倒していくのだった。
オルフェノクの王の出現
人間とオルフェノクの共存を誰よりも切望していた勇治だったが、残酷な運命が彼の心を打ち砕く。心を通わせ合っていた結花が、人間側の理不尽な害意とラッキークローバーの手によって非業の死を遂げたのだ。絶望の底に突き落とされた勇治は「人間は救う価値がない」という過激な思想へと変貌。スマートブレイン社の社長代行・村上峡児(むらかみ きょうじ)の誘いに応じ、社長代行の座を引き継いで人類滅亡の指示を出す立場へと翻った。
時を同じくして、全オルフェノクを統率し、彼らの抱える「短命ゆえの身体の灰化」を克復させる絶対的存在「オルフェノクの王」が、無垢な少年・鈴木照男(すずき てるお)の体内で覚醒を開始する。王は周囲のオルフェノクを捕食しながら急速に成長し、世界に終末をもたらそうとしていた。
自身の寿命が尽きかけていることを悟りながらもオルフェノク全滅に執念を燃やす草加だったが、ラッキークローバーとの過酷な連戦の末に破れ、冷酷に変貌した勇治の手によって介錯され、砂となって消滅する。
最終決戦と託された未来
オルフェノクの王の覚醒を阻止すべく、巧は決意を固めてスマートブレイン本社へと乗り込む。かつて心を許し合った巧と勇治は、それぞれの信じる未来を懸けて最後の激突を果たした。死闘の末、巧の放った必殺技「クリムゾンスマッシュ」を受けた勇治は致命傷を負うが、その瞬間に本来の温かな心を取り戻す。
完全覚醒を果たしたオルフェノクの王に対し、勇治は自らの身体を投げ打って王の動きを拘束。「君が守ってくれ……この世界を」と、最後の希望を巧に託して息絶えた。勇治の命を賭したサポートを受けたファイズは渾身の一撃をたたき込み、オルフェノクの王を撃破して昏睡状態へと追い込んだ。
指導者と王を失ったスマートブレイン社は瓦解し、世界に束の間の平和が訪れる。しかし、戦いを終えた巧の身体もまた、オルフェノクの遺伝子改変と激闘の代償により、ゆっくりと灰化への死期が近づいていた。
晴れ渡る青空の下、巧、真理、啓太郎の3人は芝生の上に横たわり、静かな時間を過ごしていた。巧は自らの手がゆっくりと灰になり始めていることを見つめ、残された時間がわずかであることを静かに受け止める。だが、彼はそのことを真理たちには告げず、穏やかな微笑みを浮かべながら「世界中の洗濯物が白くなるように、みんなが幸せになりますように」と自らの夢を口にする。誰かが明日を笑顔で迎えられる未来を自らの手で守り抜いた青年は、静かに目を閉じるのだった。
『仮面ライダー555』(ファイズ)の登場人物・キャラクター
主人公
乾巧(いぬい たくみ/演:半田健人)
出典: ameblo.jp
本作の主人公。口が悪く一見すると冷淡で、猫舌の青年。
オルフェノクに襲われた時に真理から無理矢理ファイズに変身させられたことで、「ファイズドライバー」を巡る戦いに巻き込まれ、怪人オルフェノクと戦う仮面ライダーファイズとなる。その後、啓太郎や真理と共同生活を送ることとなる。
実は自身も過去の事故によって覚醒したウルフオルフェノクだったが、仲間との絆を経て人間として生き、人々の夢を守るために戦う覚悟を決める。
仮面ライダー555の怪人オルフェノクまとめ - RENOTE [リノート]
renote.net
オルフェノクとは、『仮面ライダー555』に登場する人類の進化形態であり、同時に人類を脅かす敵対勢力である。一度死を迎えた人間が、体内の進化因子により知性と怪力を備えた異形として覚醒した姿を指す。灰色を基調とした姿は死を象徴し、動植物の特性を持つ。事故等で覚醒する「オリジナル」と、他者に襲われ覚醒する「使徒再生」の2パターンがある。木場勇治のように人間との共存を望む者もいるが、種としては短命であり、急激な進化に耐えきれず最後は灰化して滅びる運命にある。名称は「オルフェ」と「エノク」を合わせた造語。
出典: news.mynavi.jp
仮面ライダーファイズ(通常形態)
装着者が適合者となるオルフェノクあるいはその記号を持った者ならば変身できるが、不適合者あるいはオルフェノクの記号が無い者ははじき飛ばされる。
仮面ライダーファイズ(アクセルフォーム)
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目次 - Contents
- 『仮面ライダー555』(ファイズ)の概要
- 『仮面ライダー555』(ファイズ)のあらすじ・ストーリー
- 運命の出会いとファイズの誕生
- もう一人の主人公・木場勇治
- 交錯するベルト
- 明かされる真実とウルフオルフェノクの覚醒
- オルフェノクの王の出現
- 最終決戦と託された未来
- 『仮面ライダー555』(ファイズ)の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 乾巧(いぬい たくみ/演:半田健人)
- ヒロイン・友人
- 園田真理(そのだ まり/演:芳賀優里亜)
- 菊池啓太郎(きくち けいたろう/演:溝呂木賢)
- 流星塾生
- 草加雅人(くさか まさと/演:村上幸平)
- 三原修二(みはら しゅうじ/演:原田篤)
- 阿部里奈(あべ りな/演:河西りえ)
- 徳本恭輔(とくもと きょうすけ/演:佐伯俊)
- オルフェノク
- スマートブレイン関係者
- スマートレディ(演:栗原瞳)
- 警察・研究機関
- 添野錠二(そえの じょうじ/演:石田太郎)
- 沢村刑事(さわむらけいじ/演:岩川幸司)
- 南雅彦(みなみ まさひこ/演:小川敦史)
- その他
- 鈴木照夫(すずき てるお/演:渡辺彼野人)
- 『仮面ライダー555』(ファイズ)の用語
- オルフェノク
- 使徒再生
- ラッキー・クローバー
- 『仮面ライダー555』(ファイズ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 乾巧「俺には夢がない。でもな、夢を守ることはできる」
- 木場勇治「知ってるかな。夢っていうのは呪いと同じなんだ」
- 草加雅人「俺のことを好きにならない人間は邪魔なんだよ!」
- 仮面ライダー555(ファイズ)の幻の51話
- 『仮面ライダー555』(ファイズ)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 綾野剛の俳優デビューは『仮面ライダー555』
- 仮面ライダーシリーズで一番かっこいいとも言われている『仮面ライダー555』
- 『仮面ライダー555』(ファイズ)の主題歌・挿入歌
- 主題歌:ISSA『Justiφ's』(第2 - 49話)
- 挿入歌:石原慎一『Dead or alive』(第2 - 19話)
- 挿入歌:RIDER CHIPS Featuring m.c.A・T『The people with no name』(第21 - 32話・第39話)
- 挿入歌:ICHIDAI『EGO 〜eyes glazing over』(第33・37・38・41・45話)
- 挿入歌:ISSA『Justiφ's -Accel Mix-』(第40話)
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