ボス・ベイビー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ボス・ベイビー』とは、2017年公開の3Dコンピュータアニメーションコメディ映画。マーラ・フレイジーが2010年に発表した絵本『あかちゃん社長がやってきた』を原作としている。幸せな家庭で育った主人公のティムは、ある日やってきたボス・ベイビーによって幸せな日々を壊されてしまった。家族との日々を取り返そうとするティムは、ボス・ベイビーに立ち向かう。見た目と中身が正反対なボス・ベイビーが生み出す笑いと、ティムとの絆が魅力的な作品となっている。
『ボス・ベイビー』の概要
『ボス・ベイビー』とは、2017年にアメリカ合衆国で公開された3Dコンピュータアニメーションコメディ映画である。監督を務めたのは、『マダガスカル』シリーズにて共同ディレクターや共同著作者として原案を務めた、トム・マクグラスだ。主役の声優を務めたのは『ミッション:インポッシブル』にてアラン・ハンリー長官役等を演じた、アレック・ボールドウィンだ。原作は2010年に発表された絵本『あかちゃん社長がやってきた』となっている。
2017年3月12日にマイアミ国際映画祭にてプレミア上映され、3月31日にアメリカ合衆国で公開された。全世界で5億2800万ドルの興行収入を記録。アカデミー賞、アニー賞、ゴールデングローブ賞で長編アニメ賞にノミネートされた。
空想が大好きな7歳の少年・ティムは、ある日やってきたボス・ベイビーによって家族との幸せな日々を奪われてしまう。
勇敢に戦うティムであったが、ボス・ベイビーの任務を知ったことで2人は協力関係に。
本当にたたかうべき相手はワンワン社であり、それは両親の働く会社であった。ボス・ベイビーが務めるベイビー社とそのライバルであるワンワン社の存在を知ったティムは、ボス・ベイビーと共にたたかうことを決意する。
『ボス・ベイビー』のあらすじ・ストーリー
幸せな少年ティム
物語は、大人になった主人公ティムの語りから始まる。想像の世界に生きる7歳半の少年、ティム(ティモシー・レズリー・テンプルトン)は両親からの愛を全身に受け、伸び伸びと暮らしていた。想像の世界では、冒険家や深海ダイバーにもなれる。親を助け、親に助けてもらい、テンプルトン一家は3人家族として完璧ともいえる暮らしを送っていた。両親は多忙な「ワンワン株式会社」に勤めているが、どれだけ忙しくてもティムのために歌を歌ったり、絵本を読んだりと時間を使っていた。ティムは今が幸せだと満足していたが、両親は「弟が欲しくないか?」と問いかける。「赤ちゃんはどこからやってくるのだろうか」そんな疑問を抱き、ティムは眠りにつく。
弟がやってきた
いつもの朝、テンプルトン一家に弟がやってきた。いつものように、想像の世界で冒険をしているティムのもとへ、なんとタクシーで現れる赤ちゃん。スーツを着こなしバッグを片手に家へやってきて、弟として迎え入れられたのだ。両親はさっそく赤ちゃんにかかりきりになってしまう。そんな状況で両親からの愛を奪われたと感じたティムは、弟の身辺調査をすることに決めた。スーツを着てブリーフケース(ビジネスバッグ)を持っている赤ちゃんに違和感を覚え、必死で両親に訴えるティムだが、両親は聞く耳をもたない。そんなある夜、電話が鳴っておりティムが取ると、電話は別の場所で鳴っている。音の鳴る部屋へ足を運ぶと、そこには渋い声で誰かと電話をしている弟の姿があった。当たり前のように言葉を話す弟が話している内容は邪魔なガキ(ティム)をどうにかするという内容だった。そうはさせないと意気込むティムに気付く弟は、話せる限りのことをあっさりと教えたのである。弟は自身の事を「ボス」と呼んでおり、お前はもう用なしだと伝えるのだった。
ボスとの真剣勝負(遊び)
翌朝、ティムは親から見捨てられるのではという不安な気持ちから、何もやる気が起きなかった。しかし、相談役であるウィジーに愚痴を吐いている中で、ボスを追い出すために証拠を掴めばいいということに気付いたのであった。ボスが会話しているところを録音すれば、親も分かってくれるはずだと動き出すティムは、自作の録音機とテープを抱えてボスの元へと忍び足で向かった。そこには、なんとボスの仲間であるベイビーが家に召集され会議を行うことになっていたのだ。ティムはチャンスと思い、会議の録音をしようと試みる。しかし、ベイビー達にことごとく邪魔をされ、思うようにいかないのであった。そんな中ベイビーチームは、赤ちゃんへの愛が薄れ子犬への愛が高まっているという現状に対しての対策を話し合っていた。ティムは、話し合いの中で動揺していたベイビーたちの隙をつき、録音に成功した。そこで録音テープを両親に渡そうとしたが、またしてもベイビーチームの邪魔が入ってしまう。武装したベイビーチームと本気で遊ぶティム。最終的に録音テープは窓の外へ投げ出され車に轢かれてしまった。庭と部屋を荒らした責任を問われたティムは、両親から懲罰を受け外出禁止を言い渡されたのだった。
一時休戦、そして和解へ
ティムは大好きな両親から懲罰を言い渡され、部屋でメソメソしていた。そんなティムのもとへ「話があるんだ」とボスがやってくる。親からの愛を奪われていじけているティムに、全てを明かすことを決めたのだ。2人はボスのおしゃぶりをチュウチュウと吸って意識だけベイビー株式会社へやってきた。そこでティムは、赤ん坊の様々な秘密を知ることになるのだ。なんと、赤ん坊は全てここからやってきており、普通の赤ん坊は会社の記憶を忘れるが、エリートに選ばれた赤ん坊は会社の任務につくのだという。そのため、エリートな赤ん坊たちは成長を止めるミルクを飲み、長年の仕事を経て伝説のボス・ベイビーを目指しているのだ。伝説のボス・ベイビーになれたら、肖像画が飾られるだけではなく、昇格し角部屋のオフィスまで与えられるのだ。さらには、角部屋のオフィスには専用のおまるが付いているのである。伝説を目指すボスは仕事が成功すれば会社に帰るというのだ。そこで、ボスを追い出したいティムと、仕事を成功させたいボスの目的が一致したのだった。そんな中、ペット会社のイベントは2日後に迫っていた。未だ何も情報を掴んでいないボスは、残り2日で成果を出さなければクビになってしまうのだ。もしクビになれば、特殊ミルクを飲むことは出来ずテンプルトン一家の赤ん坊として暮らしていくことになるという。そんな事は絶対にごめんだという2人は、なんとか協力してボスのクビを阻止するように、行動を始めるのであった。
潜入作戦、始動
両親が寝静まったころ、ペットに関する情報を探し対策を講じる2人は、決定的な方法を見つけ出すのだった。それは、2人が愛し合っていると親に証明し、両親が勤めるワンワン社の家族dayに参加をすることだ。そこで、ワンワン社の秘密を暴こうと決めた2人は、両親の前で仲の良い兄弟を演じるのだった。両親に愛し合っていると証明することができた2人は、無事ワンワン社への潜入を成功させる。ティムとボスの2人は、ワンワン社内部にて絶妙なコンビネーションを繰り広げながら、重要な書類まで辿り着いた。しかし、重要な書類は、ワンワン社の社長フランシス・フランシスが仕掛けた罠だったのだ。捕まってしまった2人は、フランシス・フランシスがかつて、ボスの憧れた伝説のボス・ベイビー「ビッグ・ボス・ベイビー」であることを知ることになる。そして、ベイビー社に捨てられた恨みを晴らすために、ボスの持っていた特殊ミルクを使って成長しない「フォーエバー・ワンコ」を生み出し、ベイビー社の業績を悪化させようと企んでいた。「フォーエバー・ワンコ」を世界に広めるために、ロケットに積み運ぶ作戦を立てていたフランシスは、会社で働くティムの両親も一緒にロケットで飛ばすと宣言した。阻止しようとする2人だったが、家政婦に扮したフランシスの弟ユージーンに、自宅に閉じ込められ監視されてしまう。空港へ向かっていく両親を止めるためにも、ユージーンを出し抜き自転車で空港へ向かう2人は、想像の世界で勇気を持って進むことを決意した。なんとか追いついた2人だったが、タイミング悪く特殊ミルクの効果が切れ始めたボスが幼児化してしまうのだった。ボスを置いてはいけないティムは、ボスを抱っこし再度両親を追いかける。あと1歩のところで間に合わなかった2人は、戦意喪失してしまい、お互いに責任をなすり付けあっている。
両親を助けるために
戦意を喪失しているティムの元に、空港の館内放送が聞こえてくる。先ほど別れたボスだった。電話を手に取り、ボスと改めて未来について話すティムは、勇気を持って両親を助けるために立ち上がることを決めたのだ。2人はたまたま通りがかったエルヴィス軍団に扮して、飛行機に乗り込むことに成功する。機長の息子と偽り、素晴らしい待遇で飛行機内を過ごした2人は、空港にて会場までの行き方を探していた。病気で貧しい少年を装い、女性たちの同情を買った2人は、無事に会場へと到着することに成功した。会場に潜入した2人だったが、またしても敵が立ちはだかるのだった。実は振り払ったと思っていたユージーンが同じ飛行機に乗って会場まで来ていたのだ。ピンチに置いやられる2人だったが、ティムの想像世界で海賊として戦うことで、あっという間に敵を倒していくのであった。フランシスに追いついた2人だったが、すでにロケットの打ち上げ準備は完了しており、残り時間はあと僅かだった。
最後の対決
2人は両親を取り戻すために、最後の対決に臨む。フランシスを倒し、ロケットの発射を止める鍵を手に入れることが、2人の勝利条件だった。激闘の末、2人はフランシスを倒すことに成功し、フランシスは特殊ミルクのプールに落ちてしまった。しかし、すでにロケットの発射を止めることはできなかったのだ。そこで、ロケットの横扉を開け両親を救出することを決意した。無事に両親を救出することができたティムだったが、またも幼児化してしまったボスがロケットにしがみついている。間一髪のところで、ボスを連れ出すことができたティムは、両親と弟を守ることができ安堵するのであった。家に帰ってきた2人は、最後の別れをする。ボス仕様に修復したメーメーをティムに返したボスは、来た時同様タクシーに乗って帰ってしまったのだ。ベイビー社に帰ってきたボスは、社員から歓迎されもてはやされる。そして、角部屋の専用おまる付きオフィスが与えられた。角部屋オフィスを満喫するボスだったが、ふと、ティムと過ごした時間を思い出す。気づいた時には走り出し、自ら普通の赤ちゃんコースへと進み、再度テンプルトン家へ向かうボス。改めて次男として、ティムの兄弟としてやってきたのだった。そして2人は一緒に成長し、大人になっていくのだった。
現在へ
時は現在。娘へのお話を終えたティムは、弟のセオドアと懐かしい記憶について話を弾ませるのだった。そんな中、娘のタビサは赤ちゃんである妹を見て「私がお姉ちゃんよ」と声をかける。次の瞬間、妹がウィンクしたように見えた。果たして、娘の勘違いかそれとも。
『ボス・ベイビー』の登場人物・キャラクター
主人公
セオドア・リンジー・テンプルトン/ボス・ベイビー
CV:アレック・ボールドウィン、日本語版CV:ムロツヨシ
ベイビー株式会社で働く赤ちゃんで、主人公の1人と言える。黒いスーツにネクタイを締めており、ブリーフケースを持ち歩いている。
任務のためにテンプルトン家へと派遣され、ティムの弟として迎え入れられる。
赤ちゃんの割に声が低く、仕事ができるビジネスマンという雰囲気を持っている。
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目次 - Contents
- 『ボス・ベイビー』の概要
- 『ボス・ベイビー』のあらすじ・ストーリー
- 幸せな少年ティム
- 弟がやってきた
- ボスとの真剣勝負(遊び)
- 一時休戦、そして和解へ
- 潜入作戦、始動
- 両親を助けるために
- 最後の対決
- 現在へ
- 『ボス・ベイビー』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- セオドア・リンジー・テンプルトン/ボス・ベイビー
- ティモシー・レズリー・テンプルトン/ティム
- 主人公の家族
- テッド・テンプルトン
- ジャニス・テンプルトン
- タビサ・テンプルトン
- 主人公の仲間たち
- ウィジー
- ジンボ
- 三つ子
- ステイシー
- 敵
- フランシス・フランシス
- ユージーン・フランシス
- その他登場キャラ
- ビッグ・ボス・ベイビー
- テディ
- ロス機長
- 『ボス・ベイビー』の用語
- メーメー
- ベイビー株式会社
- ワンワン株式会社
- ブリーフケース
- おしゃぶり
- スーパー・ミルク
- フォーエバーワンコ
- 『ボス・ベイビー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ボス・ベイビー「鼻から出た麺、飲み込んじまった。」
- ボスが幼児化しコインを食べるシーン
- 目線の違いを描くシーン
- 女性の強さを表すシーン
- 現在を描くシーン
- 『ボス・ベイビー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 監督が語る大ヒットの要因
- ラストシーンに隠された次回作への伏線
- 『ボス・ベイビー』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Missi Hale『What the World Needs Now Is Love』
- 劇中歌:The Beatles『Blackbird』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『ティムの空想』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『弟がやってきた朝』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『ベイビー株式会社』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『逃げられると思うなよ』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『秘密を暴け』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『スーパー・大物・ビッグ・ボス・ベイビー』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『子守が恐れること』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『あばよ、トイレ頭』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『なぜ生まれたんだよ』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『ワンワン社』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『僕たち勝ったよ!』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『最後のセリフは、うりゃあ』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『フランシス・フランシス』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『お前はクビだ!』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『発射1分前』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『兄弟愛』
- 挿入歌:ハンス・ジマー/スティーヴ・マッツァーロ『戻ってきてくれた』
- 挿入歌:バート・バカラック/ハル・デヴィッド『世界は愛を求めている』
- 挿入歌:アーヴィング・バーリン『頬よせて』
- 挿入歌:レン・ロン・ハンクス/ゼイン・グレイ『バック・イン・ラヴ・アゲイン』