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soarkj9のレビュー・評価・感想

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
8

冒険が終わった、だらだらと過ごす時間

舞台は勇者一行が魔王を倒した後から始まる。
主人公は長寿であるエルフのフリーレンで、勇者であるヒンメルが亡くなってしまった後に旅を始める。
感情の起伏がなく、人間関係が淡白な彼女だったが、ヒンメルが亡くなったことをきっかけに「自分が大切にされていた」ことを知った。
もっと人間のことを知っておけばよかったと、激しい後悔をして「人を知る」ための旅に出るというものだ。
特に旅に目的はない。だらだらと穏やかな旅をする物語だ。

バトルものではないので「つまらない」と感じる意見もあるが、独特なテンポで繰り広げられる話で遅効性がある。ヒューマンドラマがメインとなっていて、人間関係の描写が細かく、丁寧であると話題だった。
人々の思い出や考え、価値観の違いに共感したり、理解ができなかったりとなかなか考えることが多い作品だ。あえて説明を省いている描写が多々あるので、自分で考えて理解を深めるとまた面白い。
たまにクスっと笑える描写もあるから、遊び心がくすぐられる。

たまに描写されるバトルには、独特な淡白さがあって意外と癖になる。
ここでも人間関係の思い出や駆け引きなどがふんだんに使われていて、あとから「ああ、なるほど」と腑に落ちる場面に遭遇する。
がっつりとしたバトルものもの魅力的だが、趣向を変えたいときになど1度見ておいても損はないかもしれない。

モアナと伝説の海 / Moana
8

音楽と映像だけで癒されます。

まず、映像がとても綺麗です。

ストーリーの前にそこ?と思われそうですが、本当に綺麗なんです。
特にこの映画のメインともなる「海」の映像は見惚れてしまいます。

そして、この映画では海もキャラクターの一人のため、喋りはしませんが意思をもっていてキャッチーな動きをします。
モアナの事をいつも見守り、時に厳しく接する海の姿が愛らしく見えてくるのです。

また、ハワイが舞台のお話なのでフラも出て来たり、ハワイ好きの方は見てるだけで楽しいはず。

次に、音楽が素晴らしい!
大海原を船で冒険する情景が浮かび上がる力強い音楽。
自分の気持ちと周囲の期待で揺れる中で決断するモアナの心を描いた切なくも前向きな音楽。
自信を失ったときにエイに生まれ変わったおばあちゃんが優しく包み込んでくれる音楽。

どれを取っても気分が良くなる音楽ばかり。
サントラを聴くだけでその映像が目の前に広がり、何とも言えない高揚感と癒しに包まれます。

また、一人ひとりのキャラクター達も良いんですよね〜。
モアナは好奇心旺盛で突っ走ってしまう所があるけど、勇気と愛がある。
マウイは自分の力をひけらかして一見嫌な感じだけど、本当は寂しがりやで誰かに認めてほしいだけ。
モアナと一緒に冒険する羽目になったニワトリのヘイヘイはただのお馬鹿さん。
、、ではなくしっかりやる時はやってくれます。

あ、最後になりましたがストーリーについてももちろん文句なしですよ。

ニーチェ先生〜コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた〜
10

簡単なバイトだというイメージはこの漫画を読んでから180度変わった

深夜のコンビニアルバイト店員の松駒が、自身の周りにいる一癖も二癖もある人々に振り回されるコメディ漫画。
特に印象的なのがタイトルにもなっているニーチェ先生こと仁井くん。
唯我独尊的な考え方と突き刺さるような言葉に、松駒さんは困惑しながらも尊敬の念を抱いて心の中でニーチェ先生と呼んでいます。
冷たい中にも真意をつく言葉に私自身も仕事に対しての向き合い方に変化が出てきたように思います。
ニーチェ先生以外にも、宝くじに給料を注ぎ込む渡利先輩や親がヤクザ疑惑のある柴田くん。
可憐な見た目なのに、シューティングゲームで驚異的な点数を叩き出すなど黒い性格が見え隠れする黒木ちゃんなど個性豊かなキャラクターしかいません。
そして濃いキャラクターたちとしっかりと信頼関係が築ける松駒さん自身も個性的なのだと思います。
個人的に一番興味深いキャラクターがここのコンビニ店長ことオーナー。
相当な天然でニーチェ先生含む店員全員を振り回します。
ですが人を見る目は確かなようで、個性あふれる面々を採用したのはお互いに学べることがあるという想いを告げております。
オーナーの懐の深い一面が大変素敵に思えました。
この漫画は松駒さんご自身の体験談をもとに作られた作品だと知り大変驚きました。
こんな面白いコンビニ店員がいるのなら是非とも訪れてみたいと思いました。
そして私が思っていた100倍仕事量が多く、濃い仕事内容の割にはお給料も低く辛い職業なのだと考え方が変わりました。
たくさん笑わせられますが、学びも多い作品です。