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ruki8のレビュー・評価・感想

亜人
9

死なない亜人が現代で生き残るにはどうすればいいのか

腕を切ったりしてバラバラにしてもプレス機で圧殺しても殺してしまえば死ぬ前の健全な肉体に戻る。現代で圧倒的に少数の亜人はどの国にとっても貴重なサンプルであった。車の衝突実験の座席に座らされテストをされたり、新しい新薬を人間に投薬できたりとその死なない能力は多方面に使われていた。しかし、佐藤という人物が中心となり亜人の反逆がはじまる。この佐藤という人物はいい意味で狂っていて物語を2転、3転させていくのがなんとも面白い。佐藤は生粋の戦闘狂で今自分が置かれている状況、能力を冷静に判断して常に読者の想像する一歩先の作戦を展開してくる。主人公の永井圭も佐藤に対抗するため様々な作戦を展開してきて、なるほどと思わせるものばかりなのだが常に佐藤はその先をいっている。物語の節々で佐藤はどうしようもないピンチに自ら飛び込んでいくのだが、そんな状況も楽しむように切り抜けてしまう。絶体絶命の状況でも、佐藤ならなにか仕掛けてくるはずといつの間にか読者は佐藤を心のどこかで応援してしまっていることに気づくだろう。こんなに魅力的な悪役はなかなかいないと思う。そして、主人公の永井圭も魅力的な人物である。まだ学生ではあるが、冷酷に見えるほど合理主義者でその知識の量と頭の切れはそこらの大人では到底敵わないだろう。そしてそんなに頭の良い主人公でも読者と同じ目線で佐藤の作戦に翻弄されることになる。佐藤の次の手が毎回気になって、いつのまにか虜になる作品である。

銀の匙 Silver Spoon
8

農業高校生が起業する

北海道の農業高校に進学した主人公。受験戦争に敗れたことから、家を出たいとの思いで下宿のある高校へ。夢も希望もない所から始まる。入学すると今まで経験したことのないような生活が待っていた。農業高校でしか体験できない、「実習」という労働を経験していく中で動物(経済動物)の命を学んでいく。生活に慣れていく中で、現代の農業社会が抱える問題なども描かれていく。部活強制の高校であるため、ヒロインの伝手で馬術部へ。始めの頃はいやいや行っていくが、動物とのふれあいの中で過去の自分を見つめなおしていく。物語が後期になっていくにつれて父親との亀裂の話が出てくる。何が何でも東大に行けという父親。そこから逃げるように家をでた主人公。逃げた先で何ができるかを証明していく。主人公が三年になるころ先輩と企業しようと考える。三年間で行う実習の中で、ブタをベーコンにした経験があることから、ブタをメインに企業していくことになる。友人が家庭問題で退学したり、本当の夢を話せないヒロインなど、ここまでくるのに様々な経験をし、努力したものが報われるをテーマに会社を作り始めた。高校生が起業するというのは難しいことかもしれないが、これからの日本に必要なことが描かれている。