亜人

『亜人』とは、23号から2021年3月号まで『good!アフタヌーン』(講談社)で連載された、桜井画門によるアクション漫画である。第4話まで原作者として三浦追儺の名前があったが、第5話以降は桜井が全て担当した。コミックスは全17巻刊行され、2019年11月時点で累計発行部数は900万部を超えた。物語は死なない新生物・亜人であると判明した永井圭(ながい けい)と、亜人たちのテログループの一員・佐藤(さとう)との戦いを中心に、亜人に関わる組織や人々の攻防を描いている。劇場アニメは全3部作で2015年11月27日に『亜人-衝動-』、2016年5月6日に『亜人-衝突-』、2016年9月23日に『亜人-衝戟-』が順に公開された。テレビアニメは2016年1月から4月まで第1クール、同年10月から12月まで第2クールが放送された。また動画配信サービスNetflixでも配信された。永井圭の声を宮野真守、佐藤の声を大塚芳忠が担当した。実写映画は2017年9月30日に監督・本広克行で公開され、永井圭役を佐藤健、佐藤役を綾野剛が演じた。この映画は「第38回ポルト国際映画祭」の最優秀視覚効果賞とオリエントエクスプレス最優秀作品賞を受賞した。また「第6回ジャパンアクションアワード」で佐藤健がベストアクション最優秀男優賞を受賞した。

ruki8のレビュー・評価・感想

亜人
9

死なない亜人が現代で生き残るにはどうすればいいのか

腕を切ったりしてバラバラにしてもプレス機で圧殺しても殺してしまえば死ぬ前の健全な肉体に戻る。現代で圧倒的に少数の亜人はどの国にとっても貴重なサンプルであった。車の衝突実験の座席に座らされテストをされたり、新しい新薬を人間に投薬できたりとその死なない能力は多方面に使われていた。しかし、佐藤という人物が中心となり亜人の反逆がはじまる。この佐藤という人物はいい意味で狂っていて物語を2転、3転させていくのがなんとも面白い。佐藤は生粋の戦闘狂で今自分が置かれている状況、能力を冷静に判断して常に読者の想像する一歩先の作戦を展開してくる。主人公の永井圭も佐藤に対抗するため様々な作戦を展開してきて、なるほどと思わせるものばかりなのだが常に佐藤はその先をいっている。物語の節々で佐藤はどうしようもないピンチに自ら飛び込んでいくのだが、そんな状況も楽しむように切り抜けてしまう。絶体絶命の状況でも、佐藤ならなにか仕掛けてくるはずといつの間にか読者は佐藤を心のどこかで応援してしまっていることに気づくだろう。こんなに魅力的な悪役はなかなかいないと思う。そして、主人公の永井圭も魅力的な人物である。まだ学生ではあるが、冷酷に見えるほど合理主義者でその知識の量と頭の切れはそこらの大人では到底敵わないだろう。そしてそんなに頭の良い主人公でも読者と同じ目線で佐藤の作戦に翻弄されることになる。佐藤の次の手が毎回気になって、いつのまにか虜になる作品である。