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rizumu0530のレビュー・評価・感想

BLACKPINK / ブラックピンク / BLΛƆKPIИK
10

世界最強のガールズグループ

BLACKPINKを知ったのはNetflixのドキュメンタリーを見たからです。このドキュメンタリーで雷に打たれたような衝撃を受けました。これまでのK-POPグループの常識をぶち壊すようなアイドルらしからぬアイドル、ダンスや歌に対する姿勢、覚悟、韓国語以外も使いこなし、韓国だけでなくタイやニュージーランドなどで育ってきたメンバーたちが集まった、他に類をみないグループです。
人気は韓国だけに止まらず日本やアメリカ、ヨーロッパ圏にも多くのファンがいます。その最大の魅力は音楽にあると思います。本人たちの美貌はもちろん魅力ですが、それだけでは世界を相手に活動することは出来ません。彼女たちをプロデュースしているTeddyは彼女たちを理解し、ファンがどんな音楽を待っているのか理解しています。
その音楽をライブでは黒人のバンドマンたちが担当します。ライブを初めて見た時は本当に驚きました。ブラックの方々に音楽を奏でてもらったらもう最強です。そして彼らとよい関係を築いているメンバーの努力や練習量はドキュメンタリーでも語られているところです。寝る時間も惜しんで音楽にダンスに打ち込むBLACKPINKの姿は胸を打たれるものがあります。

おおかみこどもの雨と雪 / Wolf Children
7

子育ての苦労が分かる映画

東京の大学に通う女子大学生の花は、ある日いつも一人で授業を受けている男の人に話しかけます。その男性は誰とも関わろうとはせず、いつも一人でした。そんな彼に声をかけ、一緒に授業を受けてることで二人はやがて恋に落ちました。
ある日彼は、自分が狼男である事、人間の世界を勉強するために大学に通っていたことを花に打ち明けます。
彼を受け入れ一緒に生きていくことを決めた花と彼との間に新しい命が宿ります。雪の日に生まれた女の子に「雪」と名付けます。
さらに数年後、二人目の子供を授かります。今度は雨の日に生まれた男の子なので「雨」と名付けます。
しかし、それからしばらくして、夫であり二人の子の父親である彼が亡くなってしまいます。
花は、二人の子供がおおかみと人間のどちらでも好きな生き方を選べるように、東京から田舎に引っ越すことに決めました。

この映画は、子育ての苦労と、対極な性格である雨と雪の生活と成長過程を見ていくことで様々な考え方が出来ます。
「二人の子供に好きな選択をさせたい」という思いから田舎に引っ越してきた花は、人間の世界で生きていくことを決めた雪も、おおかみとして生きていくことを決めた雨にも、優しく接します。
それぞれが生きていく世界を見つけ、自分の足で歩き始めたということに安心感を覚えた花は、田舎でのんびり暮らしていくことを決めたのでした。

ラヂオの時間
9

原点にして頂点

あるラジオドラマの生放送。脚本はシナリオコンテストで選ばれたものでしたが、実はそのコンテストに応募があったのは一作品だけ。あまり気乗りのしない俳優のわがままをきっかけに、スポンサーの都合や音響の不都合などでどんどん脚本が書き換えられていくコメディ作品です。
コンテストで選ばれたシナリオは夫を持つ主婦が素敵な男性に禁断の恋心を抱くロマンティックラブストーリーだったのですが、現場で書き換えられていく中で、ダムが決壊し、浮気相手の男性は宇宙で行方不明になり、ともうめちゃくちゃ。ラジオという媒体を題材にしたことにより想像力が掻き立てられます。
当時演劇界では名が知れていたものの、まだ映画やテレビ業界では駆け出しの作家だった三谷氏。「振り返れば奴がいる」で脚本を担当したのですが、当時、流行りだったトレンディドラマ志向の現場にどんどん脚本が書きかえられてしまいました。そう、これは三谷氏の実体験をもとにした作品です。それもあってか登場人物たちのセリフや行動の一つ一つに魂がこもっており、ラストの感動もひとしおです。
「古畑任三郎」で一躍有名になった、西村雅彦氏もメイン役で出演、普段はキレイどころを演じている鈴木京香さんがコンテストに応募した主婦の役を演じており、それが妙にはまっています。
三谷幸喜作品の原点であり最高傑作です。

クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん
10

深い作品

この映画には考えさせらる点がいくつかあります。特に私がこの映画を見て考えさせられたのが「ロボットに自分と同じ心が宿った時、それは自分と何が違うのか。」ということです。
本作品中では「ロボとーちゃん」という呼び名で物語が進んでいきますが、アニメ「クレヨンしんちゃん」というコミカルな作風もあってか「ロボとーちゃん」を「ロボット」として見ることは恐らくありません。非常に巧妙です。
ロボットと共に暮らしている内に人のような感情が芽生える、人と同じように見えてくる、という作品は枚挙に遑がありません。しかし本作では、「父親が改造されてロボットになった」という設定で物語が進みます。したがって冒頭から「ロボとーちゃん」=「野原ひろし」というインプリンティングがなされます。
適応力のあるしんちゃんはすぐにロボとーちゃんを受け入れますが、みさえはすぐには受け入れられません。ですが、視聴者の頭の中には「ロボとーちゃん」=「野原ひろし」と刻印付けされているので同情、かわいそう...などの感情がめぐることでしょう。その「野原ひろし」にとっては非常に逆境ともいえる状況ですが、家族を愛する「心」からだんだん家族として受け入れられます。この時点で「ロボとーちゃん」は視聴者にも完全に受け入れられ、また「ヒーロー」のようにも映ります。
そして物語は「転」を迎え、「ロボとーちゃん」=「野原ひろし」ではないという事実を知ります。ここで最初はしんのすけがどちらの「とーちゃん」に対しても肩入れすることなく、ニュートラルに両者との距離を置くことがまた巧妙です。そう、この後にはみさえと「とーちゃん」が再開するシーンがあるからです。ここで最初のみさえの描写が映えます。また、ロボットだから泣くことができない「ロボとーちゃん」の手に大粒の雨が落ちてくるシーンが美しく感じられます。
そして舞台は家へと戻り「ロボとーちゃん」と「とーちゃん」はどちらが本物の「野原ひろし」であり「父」であるか、子供とのコミュニケーションツールでもあった腕相撲を用いて、一家に「ロボとーちゃん」こそが真の「父」であることを誇示します。
物語は大詰めへと向かい、「とーちゃん」が囚われていた間に築いた、しんちゃんと「ロボとーちゃん」の思い出を最大の武器に黒幕を撃破します。ここでの段々原が黒幕に対し「あなたの罪は、人の心をおもちゃのように弄んだことです!」という台詞がかっこいいですね。
黒幕は誰の心を弄んだのか。それが民衆だったのか、家族だったのか、野原ひろしだったのか。いい余韻です。こうして、物語は最大の山場を迎えます。
先の激闘によって損傷し、死期を悟った「ロボとーちゃん」は「とーちゃん」に、先ほど家で誇示した家族の父の座をバトンタッチするため、腕相撲での決闘を申し込みます。結果、「野原ひろし」こそが一家の主たる「とーちゃん」となり、「ロボとーちゃん」はニセモノへとなります。いえ、「ロボとーちゃん」がニセモノになることを望んだのです。しかし、家族は「ロボとーちゃん」も「とーちゃん」であると受け入れます。それは野原ひろしも例外ではありませんでした。
私はここでは「ロボとーちゃん」と「とーちゃん」のアイデンティティが融合したかのように感じられました。死の間際という非常に不安定な状態で「ロボとーちゃん」と「とーちゃん」がお互いを「おれ」と呼び合います。物語の最初から野原ひろしだと思っていた人物と、本当の野原ひろしが一つの野原ひろしとなります。こうして、ロボットは壊れて動かなくなります。…と書くと違和感があります。もう一人の野原ひろしは絶命します。こう書かなければ違和感があるほど「ロボとーちゃん」は野原ひろしであり、人でした。
もし、あなたの完全なコピーが現れたとき、あなたの心は世の中に1つだけでしょうか。もし、あなたの完全なコピーが表れたとき、あなたこそが本物だという証明はなにが保証しますか。
こんなことを考えていると、家の中の掛け軸「色即是空」の文字が突然鮮烈に思い返されます。まさに「この世の万物は形をもつが、その形は仮のもので、本質は空であり、不変のものではない」。人の体でも、機械の体でもその形は仮…借りのものであり、本質はどこにでもあり、変わらぬことはないのでしょう。素晴らしい映画でした。

Mr.Children / ミスター・チルドレン / ミスチル
4

あらためてミスチルのニューアルバムについて

Mr.Childrenのニューアルバムについて、正直な話、小林武史の偉大さが、よくわかるテイストかと思っていまいました。サウンド、というか、シンセサイザーを使った、小林武史の迫力の部分がなくなり、まるでMr.Childrenの桜井さんがソロアルバムを出したような、そんな仕上がりとなっていました。一時期、B,zの稲葉さんがソロで出したときもそういう現象を感じたのですが、松本さんの部分は、Mr.Childrenにとって小林武史だったんだなと思いました。今までツアーで行われるコンサートで、まるでバンドの一員のように、小林武史が入ってることに違和感を感じておりましたが、彼がいて、Mr.Childrenであることを感じた今回のアルバムでした。とはいえ、小林武史は新しいマンモスバンドの育成、いまはBacknumberなどのプロデューサーをつとめており、新しいことにどんどんチャレンジしています。成功をじゅうにぶんの堪能しや、小林武史と、それ以上に成功したMr.childrenがそれそれに道を歩み、Mr.childrenだけで、また新たなサウンドを僕たちに提供してくれることを、これからも待っています。世界でいちばん好きなバンドです。