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mikimelou0のレビュー・評価・感想

未来日記
10

『未来日記』ってどんな漫画?

『未来日記』は、中学生の天野雪輝が自分の携帯電話に付けていた日記が突如「未来日記」に変わり、殺人ゲームに巻き込まれる物語です。
雪輝は、内向的で冷めた性格であり、自分に自信がありませんでした。しかし未来日記を手に入れたことで、自分自身を変えることができると信じ、殺人ゲームに立ち向かいます。

主な登場人物として雪輝をはじめ、彼を盲目的に愛する我妻由乃、そして他に10人の未来日記所有者たちがいます。彼らは最後まで生き残って次代の神となり、自分の願いを叶えるため殺人ゲームに参加します。
彼らはそれぞれの未来日記の内容を見て行動することで未来を変えることができますが、相手もまた行動を変えるため刻一刻と未来が変化し、先の読めない展開に毎回引き込まれます。
雪輝のことを愛している由乃は基本的に可愛らしい描写が多いですが、いわゆるヤンデレであり、ふとした事で狂気的な行動を取ることもあるのでその意味でもスリル満点です。
なぜ由乃が「壊れて」しまったのか……最後まで読めば本当の愛の意味が分かるかもしれません。

ストーリーや構成が綿密に練られており、キャラクターたちの心理描写も細かく描写されている為、一度読みだすと続きが気になって止まらないほど非常に面白い作品になっています。

ターミネーター / The Terminator / T1
9

円環する愛情と写真の物語

平凡な生活を送っていたサラ・コナー。バイト先に着くと、自分と同姓同名の人物ばかりが殺害されているというニュースを流れている。周りにはイジられながらも、自分だけ内心ドキドキのサラ。警察に相談しようとしている矢先、そこに”怪しい男”がサラを執拗に追いかける。
バーに逃げ込むサラの元に、また別の大男が銃を向ける。
「死にたくなければ一緒に来い」
先ほどの”怪しい男”が彼女を救出する。仕方なく彼の話を聞くと、さっきの大男は、サラを殺すようプログラムされたサイボーグ「ターミネーター」で、自分は数十年後の未来からサラを救いにやってきたと言う。男の名はカイル・リース。彼は胸元から一つの写真を出すと、そこに写るのはサラの姿。「自分はこの写真をお守りに、とあなたの息子ジョン・コナーに託された」。そう語るカイルを彼女は信じ、行動を共にする。やがて恋仲になりながらも、追いかけ回してくるマシーンを打ち負かすことにするが、カイルはこの世を去ってしまう。
サラは一人、車でどこかへ向かいながら未だ見ぬ息子ジョンに向けてのメッセージをテープに記録する。立ち寄ったセルフスタンドで突然、少年からポラロイドのフラッシュ。少年は「写真を5ドルで買ってくれないと、帰って父に殴らちゃう」と言った。渋々少年から買った写真をふと見ると、それはカイルが彼女に見せたお守りと同じ写真だった。彼女を載せる車の先には暗雲が立ち込め、雷鳴が轟いている。それは彼女とこの世界の運命を暗喩しているようだった。

アクション映画と片付けるのには勿体無い。なんとも実存的な、深読みしがいのある名作だ。

青くて痛くて脆い
10

タイトル通りの物語

まず、予告映像を見て想像していた話とは全然違う。
予告では、まるでヒロインの秋好が物理的に死んで、その恋人であった主人公の楓が秋好の死の原因を探りながら復讐していく、
というようなイメージを持たせるような映像だったが実際にはかなり違う。
まず、秋好が死んだ、というのも物理的に死んだのではなく、楓が過去に理想論を語っていた秋好はもういないと勘違いしての比喩表現に過ぎなかった。
実際はお互いのすれ違いによる人間関係の縺れについて描いた作品だったのだ。
予告を見てサスペンスや過激な復讐劇を楽しみにしていた人からしたらガッカリする映画ではあるだろう。

が、予告と全く違うという部分を加味しても最高の映画だ。
青くて痛い理想論から始まった二人の関係は、少しのすれ違いで簡単に壊れてしまうほど脆い、というまさにタイトル通りの物語。
つまらない意地やプライドで自分に正直になれず、それが原因ですれ違いが起き、
関係が崩れてしまうというのは現実でもありえそうなことだなと、少し恐怖を覚えるほどであった。

人のうわさや目に見える情報のみを信じることであの人はこういう人だ、最低だと決めつけてしまうところや、
ネットでの炎上の様子もとてもリアルで、ものすごく盛り上がるというわけではないが最初から最後まで飽きずに楽しむことができた。

ただ、ストーリーが少し複雑で、途中から秋好は結局生きてるの?死んでるの?とわからなくなったりもしたが、
それでもこうして面白かったと宣言できるのは終わりが良かったからだろう。
なりたい自分になるために、過去の過ちを二度と繰り返さないために変わろうとする楓の姿はもちろん、
一度最悪の関係にまで落ちてしまった秋好と向き合った時に楓が自分自身に言った「ちゃんと、傷つけ」に心を打たれた。

傷つくこと、傷つけてしまうことを恐れ過ぎず、自分の気持ちをぶつけ話し合う。
一見簡単そうに見えるそれは、本当はとても難しくてとても大事なことなんだと気付かされた映画だった。