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kosatoshi5のレビュー・評価・感想

葬送のフリーレン / Frieren: Beyond Journey's End
9

人間とは人生とは何なのか...淡々としているがとても心あたたまる物語

「葬送のフリーレン」は勇者パーティが魔王を倒した後の世界を描いる作品。まず、設定がとても秀逸だなと感じました。
主人公のフリーレンは常に冷静。感情を表にあまり出さない性格なこともあり、他のアニメに比べて主人公のセリフがとても少ないです。その代わりにキャラクターの表情や音楽が作り出す雰囲気、勇者たちと冒険した過去の回想に突然切り替わったりするなど、フリーレンの心情をとても上手に表現していました。
エルフであり1000年近く生きるフリーレンはずっと勇者たちに淡白に接していましたが、老衰による勇者の死後、「人間の寿命は短いってわかっていたのに……なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう」と涙を流すシーンが印象的でした。
これ以降より人間を知りたいと旅を始めるフリーレンの心境の変化を感じることができ、アニメを見ていて心をとても動かされたシーンでした。

魔王倒した後の後日譚となるため戦闘シーンは少なく、ハラハラというよりはほのぼのした日常シーンが多いです。そのため、間延びしてしまうようなシーンもありますが、日常のひとつひとつの出来事や、その温かみをとても感じられ、見ていて幸せな気持ちになるアニメだなと感じました。

呪術廻戦 / Jujutsu Kaisen
10

主人公の成長と正義とは何かを考えさせられる話「呪術廻戦 0」

3回観てしまうほど面白い作品でした。
原作が好きで映画はどうなんだろうくらいの気持ちで観に行きましたが、結果完全に沼でした。
1回目に観たときは、まず純粋な気持ちで見ようと思い主人公に感情移入をするようにしていました。
はじめは自分にかかわる人を傷つけてしまうという気持ちから自殺を図りますが、高専に通うことになり周りの人たちに触れることにより、
だんだんと成長していく様は本当に観ていて楽しかったです。
所々出てくるリカちゃんとの過去の様子は本当にきれいに描かれていて、観るたびに泣いてしましました。
2回目は夏油側に注目をして観るようにしました。呪力を持たない人間を排除して呪術師だけの世界を作るという野望を持っていますが、
元をたどれば彼は自分の力を弱者のために使っていたのが、ある出来事をきっかけに思想が変わってしまいました。
その描写は細かくは描かれていませんが、それに関係する子たちの発言や様子からわかります。
また、彼がパンダや狗巻が乙骨を助けた際に涙を流した意味を考察するのが非常に楽しかったです。
五条との関係性や互いの思う正義の形がすれ違っているのが非常に切なくも悲しいものでした。
夏油の最期のシーンは何度見ても泣けます。
三回目に観た際には上記の2点を踏まえたうえだったので最初から最後まで号泣をしてしまいました。
観ていない方、ぜひ劇場に足を運んでください。

交響詩篇エウレカセブン / Psalms of Planets Eureka seveN
10

少年少女の恋と成長の物語

ボーイミーツガールは永遠。
エウレカセブンは、そんな甘酸っぱい気持ちを呼び起こしてくれる傑作です。

物語の舞台は『スカブコーラル』と呼ばれる珊瑚のような物質が地表を覆い、目に見えない『トラパー』と呼ばれる波が大気中を漂う惑星。その星に住むレントン・サーストンは、毎日平和で退屈な日々を過ごしています。
ある夜、そんなレントンの部屋に突然一台のロボットが墜落してきます。ロボットを操縦していたのは青い髪の少女エウレカ。
神秘的な雰囲気を持つエウレカに一目で恋をしたレントンですが、実はエウレカは『ゲッコーステイト』と呼ばれる反政府組織の一員でした。
政府軍に追われるエウレカを助けたレントンは、自分自身もゲッコーステイトに参加して戦うことを決意します。

制作会社は『ボンズ』という会社で、機動戦士ガンダム0083やカウボーイビバップなどの制作を担当したサンライズ第二スタジオのメンバーが独立した会社です。
作中に使用される音楽のセンスも抜群で、映像の細やかさと相まって空中戦のシーンは迫力満点です。

最初はレントンの片思いだったのが、エウレカも少しづつレントンに惹かれて行く自分に気づき戸惑い始めます。
そんな少年少女の甘酸っぱい恋心をベースに物語は進みますが、やがて二人の恋は星の運命すらも巻き込んでいきます。

ちなみに作中に登場する『ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん』という言葉は、聖書マタイ伝の一節『求めよ、さすれば与えられん』の改変です。
自らの力で自分達の運命すらも勝ち取って行こうと努力する少年達の物語は必見です。