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kazumaのレビュー・評価・感想

ニュー・シネマ・パラダイス
10

感動モノの代名詞

ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品。1989年度アカデミー賞外国語映画賞受賞、カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞。

高名な映画監督のトト(ジャック・ペラン)は、母からの電話で映写技師のアルフレード(フィリップ・ノワレ)の死を知り、故郷での少年時代に思いを馳せる。
田舎の映画館「ニュー・シネマ・パラダイス」を舞台に、映画好きな少年トトがアルフレードとの友情や初恋を通じて成長する姿を描く感動作。

公開当時、あらゆる映画賞を総なめにした言わずと知れた名作です。映画サイトや雑誌によくある「おすすめの感動映画特集」の常連でもあります。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の演出もさることながら、有名なエンニオ・モリコーネによるテーマが涙を誘います。
本作のテーマはノスタルジーです。友情や恋、そして別れといった多くの人々が経験する普遍的な出来事が描かれています。何度も困難や挫折にぶつかりながらも乗り越えて成長してゆく。観ているうちに、自分自身の過去の思い出と重なるようなところもあるのではないでしょうか。
また、本作には劇場公開版(123分)とディレクターズカット版(173分)があります。ただ長いか短いかではなく、実は結末の意味合いも違ってきます。二つを見比べてみるのも面白いのではないでしょうか。ぜひご覧ください。

夢の温度
8

小さな町が舞台の、雰囲気ある作品

作家さんたちが都内に住んでることが多いからなのか、漫画の舞台となるのは東京であることが非常に多い気がします。
そんな中で、東京の大都会ではない、どこかの小さな町の話を読むのは新鮮で、のんびりとした情緒があり、そういう漫画は結構貴重だと思います。
この『夢の温度』の舞台も、背景に山が見えるような小さい町です。
南Q太の書き込みすぎないタッチが、町の雰囲気とよく合っていて、シーンと静まった空気の中で、なんだか時間がゆっくり流れているような感覚になりました。
1~4巻まで発行されているのですが、巻ごとに「冬」、「夏祭り」、「はる」、「あき」と季節が振り分けられており、四季折々のエピソードとなっているのも風情があります。
季節にからめて、ストーリーの中心となる兄妹の名前は「あき」と「はる」。
「つまらない町」と描写される舞台にふさわしく、登場人物に特別な人はいません。「あぁ、こういう人いる」と思う人物ばかりで、その心情も理解しやすいものです。
ただ、高校2年の兄のあきの格好良さはちょっと格別で、目が釘づけになってしまいました。
あきは「S高の竹田」と噂されるイケメンなのですが、作者が描く現実離れしていない描写はやけにリアルで、こんな人が現実にいたら…こんな人と恋に落ちたら…と本気で思わざるを得ませんでした。
平凡な町の何気ない日常の中で、誰かを好きになったりして成長していく人々。
そんな光景がいい味わいで描かれています。綺麗ごとだけじゃない、現実の醜さも捉えられているところが、大判コミックらしくて好きです。
年月が経ってもまた読み返したくなる作品です。

東京喰種トーキョーグール / Tokyo Ghoul
10

金木君がかっこいい...

この作品は、いたって普通の男子大学生(金木)が人の肉を食べないと生きていけないグールと戦うストーリーです。ある日、喫茶店で金木は読書好きな神代利世に出会います。金木も読書がとても好きだった為、意気投合して仲良くなるのですが、実は神代利世はグールだったのです。それに気づかなかった金木は、ある日神代利世に捕食されそうになるのですが、近くの工事現場から鉄パイプが落ち、なんとか助かりました。しかし重傷を負った金木は、神代利世の臓器を移植されたことによって半分グールになってしまったのです。今まで普通の食事をとれていた金木は人の肉しか食べられなくなってしまい、とても辛く、かわいそうでした。しかしなぜかコーヒーは普通に飲めることが判明し、少しだけほっとしました。半分人間、半分グールの金木を良く思わないグールがたくさん登場するのですが、おすすめのシーンは金木がヤモリというキャラクターにかなり苦痛な拷問を受けるシーンです。拷問を受けているうちに心の中にいる神代利世と共存することを選択し、自分がグールとして生きていく事を選択しました。それと同時に金木の髪の毛は白くなっていくのですが、そこから化け物級の力を見せつけます。体を縛り付けられていた鉄をいとも簡単に破壊しヤモリと対決するのですが、とてもひどい拷問を耐え抜いたせいで精神的にも肉体的にも強くなっており、ヤモリを圧倒します。このシーンはシーズン1の一番最後の話で見ることができるのですが、とても金木がかっこ良く、10回は同じシーンを見ました。グールとして生きていくと決めた金木は、この後から圧倒的な強さを見せます。成長ぶりを見ていると、とてもワクワクし、見なくちゃ必ず損すると思います。

路地迷宮のロージー
8

不思議で不気味な迷宮探検「路地迷宮のロージー」

小さくてかわいいロージーが、不思議で不気味な路地裏の迷宮探検をする物語です。
この物語の路地裏とは元人間たちが非日常な日常を繰り返している、路地の歪みからできた路地迷宮のことです。そこは不思議で不気味な場所ですが、主人公のロージーは興味津々で探検する気満々です。
ロージーは猫耳の青年アリーと大きいけどちょっと気弱なウォル、人形の姿をしたKと暮らしています。ロージーはそんな家族のお手伝いをしながら路地迷宮を探検することをとても楽しく思っています。でも必ずしも楽しいことだけではなく、不気味で怖いところもたくさんあります。
この作品の魅力は絵と、不思議さと不気味さの絶妙なバランスです。
絵の面では路地迷宮の複雑さや世界観が素敵です。ロージーたちの住む家の中の背景も注目です。またキャラクターも個性的で、特に主人公ロージーの小さくて可愛くて好奇心の塊という描き方もとても可愛らしいです。
そして不思議さと不気味さのバランスにおいては、路地迷宮の絵の雰囲気もそうですがストーリーの方も魅力的です。元人間たちは路地迷宮に住んでいるとどんどん人間の形じゃなくなっていくそうで、その表現が絶妙です。謎としてはロージーは猫耳のヘアバンドをしているだけで実は完全に人間の姿をしているのが気になるところです。
路地迷宮を探検するロージーに目が離せません。

ルパン三世 カリオストロの城 / Lupin III: The Castle of Cagliostro / Lupin the Third: The Castle of Cagliostro
10

ルパン三世とジブリ

世界の大泥棒ルパン三世と可愛らしいタッチのジブリアニメの異色なコラボ映画です。
ルパンと次元は車で走っているところに黒服に追われるお姫様に遭遇します。お姫様を救おうとしたルパンはお姫様とどこかで出会ったことがあると思い、落としていった指輪を見て思い出しました。昔ルパンが泥棒に入り失敗し、銃で撃たれたのちにたどり着いた城内のお姫様だったのです。
大きくなっていてすぐには気づかなかったルパンでしたが、あのお姫様はお金目当てで伯爵と結婚させられることを知り、助けに向かうのです。次元、五右衛門と共に助けに行き、次元と地下水路から侵入し、ルパンだけが侵入に成功しました。そのままお姫様のところまで行けましたが、伯爵に見つかってしまい地下に落とされてしまいます。そこで銭形警部と会い、一時休戦とし、一緒にここから出る作戦を立てます。2人で地下から脱出し、お姫様を救おうと試みますが、ルパンは伯爵に銃で撃たれてしまいます。
後日行われる結婚式に潜入し、お姫様を救い出しましたが伯爵が追ってきます。時計台の針まで追われました。12時の場所にある穴に指輪をはめると、何かが起こる…とルパンが伯爵に言います。さて、はめた時何が起こるのか。

ベイマックス / Big Hero 6
10

日本人なら見ておいて損はなし!ヒーロー誕生の物語

ディズニーアニメーションでははじめての日本人が主役の物語。日本ではどうやら「心に傷を負った主人公が、優しいロボットに心を癒されていく物語」として売り出したようだが、実際に映画を鑑賞してみたらとんでもない!天才ゆえに性格のひん曲がった少年が、兄の死の真相を知り、復讐に燃えて優しいロボットを魔改造する物語でした。
やはり原作がアベンジャーズのマーベルなだけあって、ガッチガチのヒーロー誕生の物語で、内容はとにかく熱いです。主人公が天才というだけあって、最初からチートなのも面白く、それを支える兄や、友人たちとのやりとり、その全てが笑いあり、涙ありで、とにかく胸が熱くなります。
誰かを助けたいという優しい兄の気持ちを受け注いだロボットと、復讐に取り憑かれて我を忘れた主人公とのやりとりなんて、涙なしには見れません。字幕版、吹替版とありますが、私は断然吹替を推します。あの言葉を「ベイマックス、もう大丈夫だよ」と翻訳した方は天才ですね。
アメリカのヒーローものは、ヒーローが多くのものを失うのが定番のようですが、これも例に漏れずそういった要素が強くあります。それなのに鑑賞後に感じるカタルシスは、さすがディズニーだなと感じました。ヒーロー映画ですが、夢と未来への希望に満ちた物語です。最高です。