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kaorin2のレビュー・評価・感想

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
10

こんなに泣ける作品はない。しんちゃん最高

クレヨンしんちゃんは、今となっては泣ける作品と言われておりますが、私自身の初めての感動作がこの作品です。そして今までの作品の中で一番泣けます。何度見ても泣いてしまいます。
しんちゃんの地元春日部に万博が開かれるところから話は始まります。大人世代の古いものが多く展示されていて、大人達はどんどん興味を惹かれていく楽しい万博であったが、次第に子供のように遊びほうけてしまうように洗脳されてしまいます。洗脳された大人たちを子供たちが助けるために奮闘する点がなんとも感動的です。
特に20世紀生まれの人は誰でも懐かしさを覚えること間違いなしです。子供から大人になって、家族を持つことの大切さと、その過程で忘れてまう子供の無邪気さを再確認できる作品です。
主人公しんのすけが父親(ひろし)を洗脳から解き放つ際の回想シーンは何度見ても泣いてしまうほど素敵です。
遊んで(子供)、学んで(学生)、仕事して(社会人)、家族を持つ(父親)という流れの回想シーンは特に最高です。誰もが通る道だからこそ、自分に重ね合わせてみることができる、誰でも泣ける作品だと思います。
見る年齢層によって共感ポイントも変わってくれるため、数年後に見たら面白さが変わってくる点も魅力的であると思います。
昔見たけど、最近見ていない方にもお勧めです。

立花菊の甘えた関係
7

個性的な恋愛が読みたいならコレ

お互いにすごく好きなのに、素直に愛情表現ができず、すぐに憎まれ口をきいて相手を怒らせてしまう。しょっちゅうケンカしては仲直りする二人の愛が、個性的なタッチで描かれています。

彼氏のトキワくんはクールでスラッとしたハンサムな美容師。そして彼女の菊ちゃんは自由奔放で元気な学生。作中でも言われている通りに、菊ちゃんは決して美人ではありません。乱暴でガサツで、顔も特別に可愛くは描かれていないのです。正直、どうしてトキワくんがそんなにも死ぬほど菊ちゃんのことが好きなのか、可愛いと思うのか、理解できないと思ってしまいます。

しかし、菊ちゃんがよくある可愛らしい、または美しいヒロインだったら、この漫画はそれほど面白くはなっていなかったと思います。そして、チグハグなようにみえる二人には意外と見えないところで似たものを持っており、お互いにとってなくてはならない存在になっているという、実は奥が深い作品です。綺麗ごとだけではない、面と向かって激しくバトルし合う二人のラブストーリーに、こんな愛の形も良いなと感じられます。

正統派の恋愛漫画ではないだけに、読む人の好みによって、好き嫌いが分かれそうな漫画ですが、恋愛のスタイルは人それぞれで、自分らしくやればいいんだと前向きになれる作品だと思います。また、サブカルやファッション好きな人にもオススメです。

嘘を愛する女
9

「愛さえも嘘ですか?」というキャッチコピーが意味深。

長澤まさみさん演じる由香利と、その恋人の桔平(高橋一生)の愛の物語です。
映画の冒頭から伏線があり、徐々に桔平の「本当の人間性」が分かっていく展開です。
由香利は、駅で体調が悪くなったところを桔平に助けてもらいます。彼女はキャリアウーマンで、仕事をばりばりこなす人。一方の桔平は、家事はしてくれるけれど仕事には就いていません。
ある日由香利は、桔平がくも膜下出血で倒れたという連絡を受けます。しかし病院にいくと、彼の名前から生年月日、すべてが「嘘」であることがわかります。「今まで一緒にいたこの男は誰なんだ」ということになり、由香利は私立探偵の匠(吉田鋼太郎)と桔平の調査を始めます。
桔平はいつも、決まった場所で小説を書いていたことが分かり、由香利はその物語の舞台である島へ向かう。

映画を色で表すとしたらずっとグレーな感じで、桔平の本当の正体がなかなか分かりません。ミステリアスな感じなのですが、長澤さんと吉田さんの、トラブルが起きながらも調査を続けるところに「冒険」の要素もあって、物語に惹きこまれました。

ようやく桔平は前妻を自殺で亡くしていたことが分かりました。そして、物語の冒頭へ。桔平は、愛する人を亡くした悲しみと絶望のなかで由香利と駅で出会うのです。
調査の鍵である、桔平が何百枚と書き続けていた小説の主人公は、実は由香利であったことが分かります。桔平が悲しみを克服し、由香利ともう一度生きていくことを望んで書かれていた小説でした。
このエンディングには涙しました。私は、二人の愛は本物だと思います。