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i1472580369のレビュー・評価・感想

ラ・ラ・ランド / La La Land
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人生負け犬と観る!映画『ラ・ラ・ランド』

こんにちは。突然ですが皆さんは、幼少期、または学生時代描いていた夢を覚えていますか?
その夢は今、どうなったでしょうか。
そもそも夢だけをまっすぐ追いかけるのはどうしても難しいし、ましてや夢を追いかけた先で食っていけるだけの成功を収めるのはきっとほんの一握りの人間なのだろうと、負け犬街道真っただ中の筆者は思います。
そしてこれに共感してくださる方は、きっと少なくないんじゃないか、とも。
今回は、そんな夢を追いかける苦しさと厳しさをテーマのひとつに据えた2017年のミュージカル映画、『ラ・ラ・ランド』について、人生負け犬目線のしょっぱいレビューを書いていきたいと思います。

映画『ラ・ラ・ランド』の負け犬注目ポイント “成功者への嫉妬、悪意無き見下し”
『ラ・ラ・ランド』の主人公はふたりの男女です。ジャズピアニストとして、女優として、それぞれ成功することを夢見るセブとミア。
ふたりは恋に落ち、それぞれの夢を応援し合う…のですが、ある出来事をきっかけにふたりの間に亀裂が。
ある出来事とは、セブの成功。
元来、所謂古き良き、伝統的なジャズピアニストとしての成功を目指し、革新的な音楽に対しては嫌悪すらあらわにしていたセブですが、知人のスカウトを受け、嫌々ながらも“今っぽ”バンドのキーボードとしての活動を開始します。
そんなセブを、本人も女優として成功する厳しさに苦しみつつ献身的に気にかけていたミア。
しかしある時、彼女がセブのいるバンドのライブを見に行くとそこには、電子キーボードを叩き、若者から黄色い歓声を浴びて、なんかちょっと満足気に演奏をしているセブの姿。
は?(筆者の心の声)ミアは顔をゆがめてその場を立ち去ります。
わかります。は?が頭を埋め尽くす感覚。持久走大会で「一緒にゆっくり走ろう」って言ってたのに、途中で置いて行かれるときの感情によく似てる。
この嫌悪感、複雑ですよね。そりゃ、むかつくしその怒りをエネルギーに昇華してこっちも抜かし返してやれたらスカッとしますよ。
でももう自分の体の中にはそんな体力残っていなくて。自分の実力ではそれ以上どうすることも出来なくて。
そんな、ある種の自分の不甲斐無さから、相手の不誠実さを振りかざして逃げてしまう。
「前はああ言ってたのに!嘘だったの?」なんてまるで相手が悪いように責めてしまうのは、そういう自分の余裕の無さがあるからなんだろうなとも思います。
じゃあ、逆に抜かした側になったことが無いのかって聞かれたら、あるんですよね普通に。
だって負け犬は自分より下の者を視界に捉えてやっと安心できる悲しい生き物。
いつも目を光らせています。己が精神の安寧の為なら簡単に手のひらを返し、周囲を陥れる。
それが負け犬。愚かですね~^^
では『ラ・ラ・ランド』を例にこの現象を語ってみましょう。
バンド活動で多忙のセブは、半ば見切り発車でスタートしたひとり芝居の企画と準備とで不安を覚えるミアのもとへ訪れます。
不思議な気まずさが流れる中、成功者街道真っただ中のセブは、ミアに「ひとり芝居も女優の道もなにもかもやめて、自分についてこい」と声をかけます。
は?(心の声失礼します)そんな、ミアの夢を完全否定した、驕りでしかない発言を、ミアはやんわり断りつつも、「愚痴を言いながら行う今の音楽活動が本当に楽しいのか」「本当に続けていけるのか」なんて問いをセブに投げかけます。
図星を突かれたのかセブはそんなミアの言葉たちを突っぱねてこう放ちます。
「君が僕と付き合ったのは不遇な僕をみて優越感を感じたかったからだ」。
きっと、セブはずっとこの想いを抱えながらミアと居たんですね。
だから今回、自分が見下す側、優越感に浸る側に回れて、ついに醜い本音が出てしまった。
でもなんだか、筆者はセブを責めることが出来ませんでした。
いえ、この、セブのある種の“やり返し”には「小学生か」、と呆れますが。
ただ、仕事や、自分の人生が少しでも軌道に乗っていて、そして目の前の相手が「今、自分がいるのは人生のどん底だ」と絶望している時。
「そんなことないよ きっとうまくいくよ」と声をかけつつも、本気の応援には至れていない。
そんな経験、ありませんか。
それが遠回しに相手を傷付ける可能性を孕んでいる事に気付かないふりをして、見せかけの、気休めの善意を振りかざしたことが、人生において一度もないと、あなたは胸を張って宣言できますか?
もちろん私は出来ません。身に覚えがありすぎます。だってなんせ、負け犬なので…。
だからでしょうか。自分のことを言われているようで、セブを責めることが出来ないし、ミアに悪意は1ミリも無かったでしょうが、落ち度が全く無かったとは思えないんです。
だからこのシーンに関しては、「どちらも至らなかったけど、結果的に今回はセブの言葉が過ぎたよね。」て感じに受け止めています。
セブ、そういうのはね、胸の内に秘めるか、日記に書いて発散するくらいにしないと。
人を傷付け、傷付けられてきた百戦錬磨の負け犬はそう思います。

映画『ラ・ラ・ランド』、賛否両論のエンディング
映画『ラ・ラ・ランド』のエンディングは、本当に賛否両論でした。筆者は公開当時も今も、変わらずこのエンディングが好きですが。
さて、前項で説明したように、負け犬的にわかりみが深すぎる思考回路のもと亀裂が走ったセブとミアの関係。
それがどうなるのか、この映画のクライマックスで描かれます。
この結末、ふたりが選んだ道のどちらも、負け犬的にはとても納得がいくものになっています。
ここまでの負け犬エピソードでなにかひとつでも共感できる、覚えのあるものがあった方なら、「なははーん、そういうことね」とニヒルな笑みをかますこと間違いなし。
是非映画『ラ・ラ・ランド』の生々しいまでの心理描写とそれを演じ切る豪華キャスト陣の演技、物語を彩る音楽と色彩、そしてその結末を、あなたのその目で確かめてくださいね。
ここまでお付き合い頂き、誠にありがとうございました。

九月の恋と出会うまで
6

運命の人がだれなのか最後にわかって涙する映画

この映画はざっくりいうと、時間軸をもとにしてそこで出会う男女の物語です。川口春奈さん演じる北村香織は、ある日クーラーの通気口から、未来の声を聞きます。彼は、「隣に住んでいる平野(高橋一生)という男を尾行してくれ」と香織に頼みます。毎日尾行しているうちに、平野の人となりがわかるのですが、その間に香織の部屋には空き巣が入っていました。間一髪、空き巣から命を奪われることなく済んだ香織。平野と香織はお互い知り合い、香織は声の主の話をします。平野は小説を書いているので、ファンタジックな話を真剣に聞いてくれました。香織の話から、通気口からの声の主は、香織をわざと部屋から外に出させていたのではないかと平野は予想します。ちょっとややこしいのですが、平野がいうには、香織はいつかこの世からいなくなってしまう運命にあるのではないかと危惧。二人はその時の流れを変えようと手がかりを探します。なんとなく、二人は惹かれあっているシーンがムズキュンでした。香織は平野への気持ちに気づき、自分がいなくなってしまってもいいから、平野と一緒にいたいと告白します。最後、通気口からの声は「未来の平野」からだったということが判明。平野と香織は結ばれました。運命のひとが誰なのかわからないまま、物語は進み、最後に結ばれた二人には感動しました。高橋一生さんが、一生懸命香織のもとに走っていく姿には惚れ惚れしました。純愛を楽しみたい方におすすめです。

1917 命をかけた伝令
10

1917 命をかけた伝令

戦争映画の中でも、これほど塹壕の中や兵士の表情を上手に描いた作品は他にありません。
この作品は、第一次世界大戦時1917年にドイツでルーデンドルフがトップに出て、ドイツ軍をジークフリートラインに撤退させるところから始まります。イギリス軍は、このドイツの撤退を計画的な撤退だと見抜いたのですが、一部の部隊がこれを追撃してしまいます。このことを知ったイギリス軍は、ある兵士2人に追撃を中止するように伝令せよと命令を出して、物語がスタートします。
この物語の特徴として、エキストラや小道具を、かなり正確に第一次世界大戦当時の物と似せていることです。
塹壕内部の作りは、映画館のスクリーンを通しても入り組んでいて、その土のにおいも漂ってきそうな雰囲気を作り上げられていました。
さらに、その塹壕の中にいる兵士たちの疲れ切った表情や、たばこを吸えた時の安堵の表情など、実際の第一次世界大戦はこうだったのかと説得力あるものに仕上がっていました。
武器や、伝令が書いてある手紙を入れるボトルもしっかりと作りこまれており、おかしな点がないことから映画に没入感を持たせてくれています。
激しいアクション無しでここまで戦争の悲惨さを描いた映画を他に知らないので、見ていない人はぜひ一度みてほしいと思います。

SPY×FAMILY / スパイファミリー
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超人気!「このマンガがすごい!」第1位のSPY×FAMILYの面白さ

スパイと家族。この二つのテーマを掛け合わせることで物語に生まれる深み。
決して人に情をもたない敏腕スパイのロイド。任務のために作った、かりそめの家族。任務が終わればお別れ。しかし、共に過ごすことで、変わっていくロイドの心情が描かれる。

そして孤児院で暮らしていた娘のアーニャ。服屋で出会った妻のヨル。この二人が持つ家族への想いも共感できるものがあり、つい感情移入してしまう。
単にスパイの物語だけでも十分にストーリー展開ができそうだが、そこにキャラクターの心理描写を巧みに盛り込むことで物語が充実。男女問わず楽しめるおすすめ作品だ。

また、登場人物の設定も面白味を加える。
妻のヨルは殺し屋。戦闘力は現段階でNo.1。凄腕のロイドも吹っ飛ばす力をもっており、時折見せる戦闘シーンは人間の度を越していて逆に笑える。
娘のアーニャは超能力者。人の心を読むことができ、ロイドとヨルのことはお見通し。そんな家族を誰よりも愛し、繋ぎとめようとする姿がかわいい貴重なキャラクターである。ロイドの任務に大きく関わる、キーキャラクターとなっている。

深みのあるストーリーと魅力的なキャラクター。「『よくこんな作品を生み出してくれた!』と作者の遠藤達哉さんには感謝の言葉を述べたい!」そんな気持ちである。早く続きが読みたくなる『SPY×FAMILY』を読んでみてはいかがだろうか。