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comarock2のレビュー・評価・感想

君たちはどう生きるか(映画) / The Boy and the Heron
9

ジブリ作品を体現している映画『君たちはどう生きるか』

君たちはどう生きるか。観終わった後、私たちはどう生きればよいのか明確な答えはわからなかった、というのが正直な感想だ。だが、それでよいのかもしれない。
この作品は、吉野源三郎さんの「君たちはどう生きるか」が作品のヒントとなっている、宮崎駿監督のオリジナルストーリーである。この作品には、ジブリファンなら気が付くであろう、ほかの映画を連想させるようなシーンがたくさんちりばめられている。さらに声優も木村拓哉さんのように、以前のジブリ作品にも登場した声優さんも出演しており、ファンにはうれしい仕掛けが多い。
映画を観て、難しかったというのが本音だ。一言でまとめてしまうと主人公の男の子が冒険を通して成長していく、という話なのだが、これだけでは言い表せないほど多くの人との出会い、様々な場面が登場する。その混沌さが、映画を観た人の評価が分かれる点なのではないだろうか。例えば、主人公が急に異世界に連れていかれ、キリコという女性にあった後、大量のインコが占拠する城へヒミという女の子と向かう…という展開。流れが描かれてはいるが、シーンの変わり具合に驚いた方もいるのではないだろうか。だが、私はいちジブリファンとして、その混沌こそがジブリだよな、と感じた。思えば「ハウルの動く城」だって、主人公のソフィが急に魔女に呪いをかけられたり、「千と千尋の神隠し」だって、千尋が急にお湯やで働くことになったりと、不思議なことは多い。そう考えると、やはりこの作品はジブリを体現している、不思議で素晴らしいファンタジー作品である。

SUPER★DRAGON / スーパードラゴン
10

もっと認知されるべきグループ

2015年9月27日にスターダストプロモーションから結成されたミクスチャーユニット。通称スパドラ。メンバーは志村玲於、古川毅、ジャン海渡、飯島颯、伊藤壮吾、田中洸希、池田彪馬、松村和哉、柴崎楽であり、当時高校2年生から小学5年生の9人で結成された。結成当初は古川がボーカル担当、ジャンがラップ担当、残りのメンバーはダンサーであったが、『EBiDANアミーゴ!』といわれる番組の2016年1月30日放送回で伊藤から柴崎の若いメンバーでボーカルオーディションを行った。そこで池田がボーカル担当、田中がボーカル&ラップ担当、松村がラップ担当となる。このボーカルオーディションをきっかけに、SUPER★DRAGON内でチーム内ユニットができ、飯島までの4人がファイヤードラゴン、伊藤からの5人がサンダードラゴンとなる。
主にSUPER★DRAGONはラップやダンスミュージックを融合した『NEWミクスチャースタイル』が魅力である。彼らはスパドラだけの活動だけではなく趣味や特技を生かした活動をしている。最年長の志村はよく舞台に出演している。趣味は筋トレと紅茶、特技はアクロバットで、グループの中では主に振り付けに携わることが多い。古川は俳優として多くの映画やドラマに出演しており、代表作としては3年A組や犬鳴村などがある。グループでは衣装を担当している。ジャンは自身で曲を制作しており、SoundCloudでjjeanとして曲を載せている。グループでは自分自身でリリックを書くことも。飯島は勉学に励んでおり青山学院大学へ。愛猫の『クマくん』を溺愛、またパヤドラ校アイス部を作り大好きなアイスをオススメしている。アクロバットを特技とし、グループ内では志村と同じく振り付けを担当。
伊藤は鉄道オタクでありInstagramも鉄道との自撮りを沢山載せている。スパドラの広告塔として様々な鉄道番組に呼ばれることが多く、タモリ倶楽部やアメトークなどの有名番組にも出演。2023年3月25日パシフィコ横浜で行われたPersonaでは、長年続けていたピアノを披露し会場を沸かせた。田中はヒューマンビートボックスを特技とし、曲の中にもビートボックスが多く入っている。ライブ中ではループステーションを披露することも。ビジュアル担当でスパドラで1,2を争うほどの人気メンバーである。池田は飯島と同じく勉学に励んでおり慶應義塾大学に入学。ボーカル担当として徐々に作詞や作曲携わる機会も増えてきている。賢くクールに見えるがメンバーといる時の笑顔のギャップに惚れる人も多数。松村は最年少ながらも貫禄があり、紡ぐ言葉も文学的。ジャンと共にリリックを担当しているがジャンは『洋』、松村は『和』である。真面目な一方、群を抜いて悪ガキでありメンバーのことをよく弄っている。柴崎は料理と絵を得意としており、Instagramによく自身で作ったものを投稿している。グループ内ではグッズの制作担当。

様々な個性的な人の集まりだが、9人としてのパフォーマンスは一体感がある。YouTubeのコメント欄では多数の外国語のコメントもあり、日本以外にも知名度は広がっている。代表曲としてはUntouchable MAXやMonster!などがあるが、ただかっこいい曲だけではなく、夢を応援し背中を押すようなSOUL FLAG、コロナ禍で制作され一緒に歩んでいくようなDistanceという楽曲などもあり、まさに変幻自在のグループである。
様々な魅力で溢れており、この先の未来も楽しみになるような素敵なグループはもっと認知されるべきである。

聖剣伝説 LEGEND OF MANA / 聖剣伝説LOM / Seiken Densetsu: Legend of Mana
9

古き良きスクエニの最高傑作

昔ながらの2DアクションRPG。
このゲームの特徴はなんといっても自由度。大筋のイベントが三つに分かれており、ロールプレイをしていくと発展していくシステムなのですが、何をやってもがっかりするような展開もなくしっかりと作られています。2Dのゲームでこんなにも心動かされる要因は【音楽】と【キャラクター】にあります。
決して戦闘シーンのアクションが優れているワケではありませんが、なにせ飽きがこない。ずっと続く波のように音楽が盛り上げてくれます。はじめてプレーヤーが訪れる町の音楽には撃ち抜かれる方が多いはずです。ボスシーンでは手に汗握る激しさを演出しています。随所に散りばめられる人間模様とマッチして、終わってしまうのがもったいないと感じてしまいます。

そしてキャラクター。
これはもう、最初にプレーした時はびっくりしました。主人公は人間なのですが、登場人物はほぼ人間ではないです。
犬がベースだったり、植物だったり、大きな岩が喋りだしたり。幻想的な世界観を作り上げている彼らは個性も豊かで笑いも取れます。ですが善にも悪にも原動力があり、ストーリーがより深いものになっていきます。

一度エンディングを迎えると、敵のレベルが変更できるモードが増えますので何週も遊べます。
やりこみ要素も多いのでとことん没頭される方が多いのではないでしょうか。

マリア・ブラウンの結婚
8

ファスビンダー監督の西ドイツ3部作の第1作、監督の名声を不動にした『マリア・ブラウンの結婚』

『マリア・ブラウンの結婚』は1978年に公開された西ドイツ映画で、監督はライナー・ヴェルナー・ファスビンダーです。
本作では、ハナ・シギュラがマリアを演じています。
マリアは兵士ヘルマンと結婚していましたが、その結婚は第二次世界大戦のため、またヘルマンが戦後も捕虜として抑留されたために不履行のままでした。
マリアは戦後ドイツの現実に適応し、実業家の裕福な未亡人になります。
その一方で恋人ヘルマンを思い続けていました。映画はファスビンダーの作品の中では成功を収めた部類に属しており、外国ではニュージャーマンシネマのイメージを形成することに寄与しました。
本作はファスビンダーの西ドイツ3部作の最初の作品で、この後に『ローラ』(1981)、『ヴェロニカフォス』(1982)が撮られます。
映画は1943年のドイツから始まります。連合軍の空襲下で、マリアは兵士ヘルマン・ブラウンと結婚します。
一昼夜を過ごした後で、ヘルマンは東部戦線に復帰します。戦後、マリアはヘルマンが戦死したと聞かされます。
マリアは米兵が訪れる酒場で娼婦として働き始めました。彼女は黒人兵ビルと関係を持ちます。
ビルはマリアを支え、ナイロンのストッキングやタバコを与えるのでした。
あるとき、マリアはビルの子どもを身ごもります…。
ドイツの映画批評家たちは本作に対して好意的に応答し、映画が芸術的な価値と大衆性を併せ持っていることを賞賛しました。
週刊紙『ツァイト』では、ハンス-クリストフ・ブルーメンバーグがこの作品を「最も大衆受けをして(その意味で商業的に成功していて)、最も成熟した作品」であると評しています。
カレーナ・ニーホフは『マリア・ブラウンの結婚』を「チャーミングで娯楽的ですらある作品で、しかも同時にきわめて芸術的で、表層的でもあり、捻じ曲がってもいる」と評価しました。