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aoha-aiyorij0のレビュー・評価・感想

グリーンブック / Green Book
10

厳しくも生きる希望を添えてくれる伝記映画

冷戦期に実在した黒人ピアニストのドン・シャーリーと、ある日期間限定の専属ドライバーとして雇われたトニー・バレロンガの軌跡を描いたアメリカの伝記映画。
貧富の差や人種、育った環境など何もかもが異なる二人が衝突しつつ、旅路の中で友情を深めていく物語です。
タイトルにあるグリーンブックとは、黒人のみが利用できる施設のガイドブックのことを指しています。
過去のアメリカの一部地方では、黒人による公共施設の利用を禁止制限する法律が成立しており、それを疑問に思わない人々がそこで暮らしていました。
ドン・シャーリーのピアノを聴きに来る人々は彼を褒め称えながらも、シャーリーが食事を同席することも用を足すことも認められないような社会。
そしてバレロンガもまた、白人でありながら非アメリカ人という理由で謂れのない侮辱や悪意を受けてしまいます。
現代では想像もできない過酷な世界がそこにあり、かつてのアメリカに根付いていた人種差別問題だけではなく、人間を隔てる壁について厳しいながらも真摯に向き合ってます。
旅路の中でシャーリーとバレロンガがお互いを認め合いながらアイデンティティを築いていく二人の友情は、忘れられないものになるでしょう。

RPGツクール5
4

高難易度の"ゲーム作成"ゲーム

プレイステーション2で登場した、RPGツクールの5作品目。
過去作と同様にRPG作成のための素材が揃っており、それを駆使してオリジナルストーリーが作れる自由度の高さがウリだ。
素材数も多く、カラーチェンジによりバリュエーションも豊富。作成例として、実際に遊べるサンプルゲームもプレイ可能。
しかし、家庭版のゲームとしてはゲーム作成難易度が非常に高く、何をするにしてもゲーム開発の知識が要求される。
その難易度はRPGツクールの過去作と比較しても段違いで、同じような感覚でプレイすると痛い目に遭う。
一応ヘルプ機能はあるものの、文章に専門用語が混ざっており、質問者からすれば余計に疑問が膨らむ一方である。
過去作よりできることは増えているが、自由度が高すぎるがゆえにユーザーはまず何をしていいか分からない。
サンプルゲームのような本格的なものを作ろうものなら、知識込でも何か月もの作成期間は覚悟しなければならないだろう。
だが、RPGツクールの基礎やゲーム製作に慣れた人が素材をうまく扱えれば、過去作では不可能だった演出やシステムなどを盛り込んだ大作を作ることも不可能ではない。
私は残念ながら本作をうまく扱えず挫折してしまった。
中身を理解できればシューティングゲームや、アクションゲームといったRPGの枠を超えた作品も作れる等、可能性を無限にを感じるゲームである。

ONE PIECE / ワンピース
10

感動の名作

私の知る限り、最高の名作です。
いよいよ100巻目前。
今まさに、物語は盛り上がりのピークを迎えています。
しかしながら、頂上戦争編と比べると、少しテンポが良くないような気がしました。
頂上戦争編では馴染みのあるキャラクターが一堂に会し、海軍と七武海が手を組み、海賊とタイマンを張る、という分かりやすい構図が素晴らしく、それに加えてエースの処刑というショッキングな展開が合わさって、とてつもない緊張感を味わえました。
一方、ワノクニ編ではどうでしょう。
馴染みのあるキャラクターも勿論いますが、新キャラが多いため、盛り上がりに欠ける気がします。
それに沢山のキャラクターの見せ場が用意されており、それが逆に読みづらいです。
これからエースの最期のようなインパクトのある展開が起きるのでしょうか?
そこに注目しながら、読みたいと思います。

ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld / SAO アリシゼーション WoU / Sword Art Online: Alicization – War of Underworld
8

ソードアート・オンライン アリシゼーションWoU

前シーズンからの引き続きになるので実質のセカンドシーズンとなる本作。
第一シーズンのラストにて創造主との壮絶極まる戦いにより主人公であるキリトが意識を失ってしまったことにより、実質的にセカンドシーズンはアリスが主人公ということに。
さらにファーストシーズンにて準主人公であったユージオもいないという寂しいスタートとなった。
廃人化してしまったキリトの面倒を見ながらも、危険を察知し党本部を脱出したアリスではあったが、自分が生まれ育ったであろう故郷を訪ねることに、、、、
村人はキリトを怪訝な雰囲気で見ながらも、アリスの圧倒的な能力の代わりに村の近くで住むことが可能となった。
多少の平穏を手に入れたかのように思えたが、村人から良いように扱われる日々は続き、キリト自体の回復を望めない状況に悩むアリスの前に、かつての部下が翼竜に乗って表れるのだった。
ファーストシーズンを見ていないと一切分からないので、未見の方にはおすすめできない本作ですが、原作でも最長となるシリーズなので魅力的なキャラが多く長く見ていると感情移入がしやすくなる印象。
絶対的な主人公であるキリトが一体どのタイミングで復活、そして無双してくれるのかも楽しみの一つですね。

おおきく振りかぶって / おお振り / Big Windup!
10

野球と登場人物の成長が一気に楽しめる漫画

おおきく振りかぶっては高校野球漫画です。このジャンルの漫画はいろいろありますが、ここまでキャラクターの心情を細かく書いている野球漫画は少ないのではないでしょうか?
この漫画の主人公「三橋廉」が所属する野球部は1年生10名と女監督で構成された珍しいチームです。特に主人公の三橋廉は自己肯定感が低く、いつもびくびくしています。キャッチャーの阿部隆也とバッテリーを組んだ当初はまるで主従関係のようで、周りからも心配されていました。しかし、日々の生活を通していくうちに、2人の関係が変わります。野球を通してだけでなく、会話の流れ、他者との関わりなど三橋と阿部にかかわる全ての事柄が、彼らのお互いに抱いている印象を変えていくのです。その描写の仕方が本当に巧みで、まるで自分が彼らの近くで成長を見守っているかのようでした。
またこの漫画のすごいところは、主要人物だけでなく、いわゆるモブキャラにも細かな心情描写を入れてくるところです。主人公チームのメンバーだけでなく、敵チームにもたくさん会話をつけます。そのためかこの漫画には敵チームのような存在はなく、すべての高校野球部の成長を記録しているかのようなストーリーになっています。これらの細かな心情描写の影響か、「おおきく振りかぶって」では1つの試合に約3~4巻分の話数を使用しています。野球だけでなくストーリーも楽しみたいという方には本当におすすめの野球漫画です。