Shouhei_kanai5@Shouhei_kanai5

Shouhei_kanai5
Shouhei_kanai5
@Shouhei_kanai5
6 Articles
3 Reviews
0 Contributions
0 Likes
Shouhei_kanai5

Shouhei_kanai5のレビュー・評価・感想

かがみの孤城
8

原作へのリスペクトが感じられる良作

辻村深月の原作が気になっていたため、観に行った。時間がなくじっくり原作を読み込む前に映画を見たが、概ね原作の通りだった。
映画である以上、ストーリーの削除は覚悟していたが、よく原作が織り込まれていたと思う。こころ以外の子のストーリーももっと観たかったが、時間の制限がある以上仕方がない。城に持ち込まれていたのがテレビゲームからボードゲームになっていた所が少し気になった。
ストーリーを知って観た身としては、最初のこころの教室に行くシーンから伏線があって面白かった。主人公のこころの過去のいじめのシーンでは、自分の昔の学校生活と重ねてしまうくらいリアルな描写だった。学校に馴染めない経験を持つ人には、多かれ少なかれ何処か共感するところがある作品だと思う。

声優についてはあまり詳しくないが、マサムネの声が某少年探偵の声のまんまで、決め台詞を言った時は少し笑った。これには賛否両論あるが、個人的には話の流れから外れてなかったし、この位のネタは許されていいのではと思った(それほど声がコ○ンだった)。公開してだいぶ時間が経ってから観に行ったので、上映期間延長記念として、最初の入場特典で配っていた後日談のイラストが最後に流れた。説明文は少ないが、妄想が掻き立てられるいい絵だった。

大石昌良 / オーイシマサヨシ
8

様々な人にささるミュージシャン

オーイシマサヨシ氏はシンガーソングライターであり、特にアニメのOP、EDを歌っていることが多い。今は一人、OxTで活動しているが元々は「Sound Schedule」というバンドのボーカルであった。インターネットで活動していることが多く、日本で有名な配信者である加藤純一と「オーイシx加藤のピザラジオ」という番組をしている。テレビにも出ている。
代表曲はやはり『けものフレンズ』のOPである「ようこそジャパリパークへ」だ。作詞、作曲を手掛けており2017年アニメ界隈だけでなく一般人にも広く知れ渡り一世を風靡した。この曲はおもしろいメロディーでいっぱいであり、中毒性がある。
次におすすめ曲はアニメ『月刊少女野崎くん』のOP「君じゃなきゃだめみたい」である。この曲は2014年8月27日にリリースされた。いわゆる恋愛系の歌詞である。
次に『多田くんは恋をしない』のOP「オトモダチフィルム」である。前作の「君じゃなきゃだめみたい」から3年9か月ぶりの発売になり、アニメ作品に合わせた「カメラ」がモチーフになっている。オーイシははじめ3話までしか読んでいなかったが、アニメスタッフに「コミカルな内容が多い。」と言われ、その後全話読んで告白ソングとして作品を完成させた。

天は赤い河のほとり
9

天は赤い河のほとり

1990年代後半に開始した少女漫画で、日本人の中学3年生の少女が古代のヒッタイト(ラムセス2世、ツタンカーメンの時代)にタイムスリップして、立身出世して最終的に王妃になるという物語です。冒頭こそ平凡な中学生として描かれていた主人公ですが、沢山の王子を虜にし、政治の才覚を発揮し、民衆や家臣の心をつかみ、あらゆる方向へカリスマ性を発動し、どんどん認められて出世していきます。また、主人公を取り巻く仲間との間で繰り広げられる人間模様はとても面白みがあります。特に、自らの未来や命より主人公を優先する家臣の忠誠心と、そういったものを図らずして引っ張り出すことができる主人公の主たる性質。それらが相乗効果となって各々のキャラクターとしての魅力をより一層際立たせていました。
それと、歴史上の人物を物語の中でそのまま登場させているところが大変面白いです。紀元前14世紀頃のエジプト、ヒッタイトの歴史上の有名人(ラムセス2世、ツタンカーメン、ネフェルティティ、アンケナーメン等)が多数登場します。漫画としての面白みだけでなく、副産物として世界史の知識が身に付きます。当時中学生でしたが、実際に私はこの作品がきっかけで、古代エジプトへの興味が抑えられず、作中の歴史上の人物を調べるために各種書籍や論文を読み漁りました。壮大なスケールで描かれた歴史ロマンで読み応えがあっておススメです。