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4fmikako_331のレビュー・評価・感想

機動戦士ガンダム サンダーボルト / Mobile Suit Gundam Thunderbolt
8

これは男の世界を描くガンダムだ。

『機動戦士ガンダム』における一年戦争を舞台にした作品の中で、とりわけ硬派且つ異彩を放つ『ガンダム』の漫画作品。
『サンダーボルト』は2人の男から始まる狂気と愛の二重奏が濃く、それでいて他の『ガンダム』シリーズとは一線を画す、バックナンバーミュージックの数々が特徴だ。

漫画であるはずのこの作品には、音楽の印象を鮮烈に残していく点でとても上手く、描き方や表現にリアリティーが存在する。だがその一方で作中には第3勢力、戦争の狂気が生んだ発明品、理不尽な人の死や人体実験の闇など、挙げていけばキリがないぐらいのR指定設定が存在している。
狂気の発明に至ってはもはや度を越している。だが戦い続ける男たちの悲哀と殺し合う宿命に葛藤し、繋がりを決して安っぽくしない戦う男の世界がこの作品には存在しており、特に後半の失うことの辛さを糧に立ち上がるそのカッコよさはまさに男の美学である。惹かれないはずがない名シーンだ。
また作中には『ファーストガンダム』を知る人ならニヤリと出来る小ネタが仕込まれているので、探してみるといいかもしれない。

何より宇宙世紀の作品では良作であり、珠玉の宇宙世紀体験が叶うことを含めれば、『ガンダム』のヘビーユーザーもビギナーも総じてオススメ出来る漫画である。

ポルノグラフィティ / Porno Graffitti
10

変わらぬ素朴さが生み出す奇跡のアーティスト

ポルノグラフィティ。彼らがデビューしたのは1999年のこと。
素晴らしい歌唱力、見た者を魅了するライブ、そして実直さを感じさせる彼らの素朴な素顔。
そのどれもがデビューから20年以上経過してもなお色あせることはない。
もはやJ-Pop界において欠かせない立場になったアーティストであるが、大きな休止をすることなく走り続ける彼らを語るのに最も大切なワードは彼らのふるさと「因島」で間違いないだろう。
瀬戸内海に浮かぶ広島県の因島。
ここがポルノグラフィティのルーツであることはもはや知らぬものはいない有名な逸話であろう。
女優東ちづるや作家湊かなえも生んだこの因島。
穏やかな気候の海も山もあるいわゆる「田舎」で育った彼らの作る作品には、やはり故郷への哀愁を強く感じさせる楽曲が多い。
「Aokage」「狼」等、因島の地名が入った歌詞は、どこかで見たことがあるような、誰しもが通ってきた「懐かしいあの場所」を重ねることができる。
どこか素朴で、だけど「田舎に錦を飾る」というようないい意味で昔気質の決意が、彼らの人気を形作っているように思えてならない。
デビュー当初、ポルノグラフィティという名前のインパクトだけで色眼鏡で見ていた人もいたかもしれないが、この「型破りな名前」と「素朴さ」のギャップこそが、彼らの魅力であることは間違いない。
しかもおそらくであるが、このギャップ、計算して生まれているものではなさそうである。
そこがまた、ポルノグラフィティという素朴さの真骨頂ではなかろうか。