変わらぬ素朴さが生み出す奇跡のアーティスト
ポルノグラフィティ。彼らがデビューしたのは1999年のこと。
素晴らしい歌唱力、見た者を魅了するライブ、そして実直さを感じさせる彼らの素朴な素顔。
そのどれもがデビューから20年以上経過してもなお色あせることはない。
もはやJ-Pop界において欠かせない立場になったアーティストであるが、大きな休止をすることなく走り続ける彼らを語るのに最も大切なワードは彼らのふるさと「因島」で間違いないだろう。
瀬戸内海に浮かぶ広島県の因島。
ここがポルノグラフィティのルーツであることはもはや知らぬものはいない有名な逸話であろう。
女優東ちづるや作家湊かなえも生んだこの因島。
穏やかな気候の海も山もあるいわゆる「田舎」で育った彼らの作る作品には、やはり故郷への哀愁を強く感じさせる楽曲が多い。
「Aokage」「狼」等、因島の地名が入った歌詞は、どこかで見たことがあるような、誰しもが通ってきた「懐かしいあの場所」を重ねることができる。
どこか素朴で、だけど「田舎に錦を飾る」というようないい意味で昔気質の決意が、彼らの人気を形作っているように思えてならない。
デビュー当初、ポルノグラフィティという名前のインパクトだけで色眼鏡で見ていた人もいたかもしれないが、この「型破りな名前」と「素朴さ」のギャップこそが、彼らの魅力であることは間違いない。
しかもおそらくであるが、このギャップ、計算して生まれているものではなさそうである。
そこがまた、ポルノグラフィティという素朴さの真骨頂ではなかろうか。