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2ms19162229のレビュー・評価・感想

ゾッキ
4

邦画好きでも好みが分かれる

竹中直人、山田孝之、齊藤工が監督のゆるい雰囲気の映画です。
オムニバス形式ですが、各ストーリーに登場する人物が別のストーリーの人物に影響を与えながら物語が進んでいきます。影響を与えるといっても、道ですれ違ったり同じ店を利用したりする程度の浅い関係なのですが、それがリアルな人間の縁を感じさせてくれます。
ストーリーのひとつひとつも「ありそうでなさそう」な絶妙なラインです。
例えば、「初めてできた親友が誰かの噂で耳にしただけの自分の姉に恋をしている。自分に姉はおらず、誰かが適当なことを言っただけだが、親友を失うことが怖くて姉がいるという嘘を貫くことになってしまう」といった話。
完全にありえないとは言い切れない妙に現実味のあるストーリーと突飛なコメディセンスが魅力だと思います。

特徴的なカメラアングルで、映像として見ているだけでも面白いです。ロケ地となった蒲郡の風景も素敵です。実際の町がそのまま使われると、より一層現実感が増します。しかし技術が高いばかりにストーリーの難解さが際立ち、ちぐはぐな印象も受けます。個人が撮影したフィルム映画だと思えばハイクオリティーです。

不思議なシナリオとシュールなギャグゆえにかなり好みが分かれる映画です。

あん(映画)
9

役者陣が素晴らしい

この映画は、芸達者な役者陣か揃えられたことに尽きると思う。樹木希林は言わすもがな。永瀬正敏の、言葉は尽くさなくても、表情で語る感じ。情けなくて時々イライラするけど、優しい小心者は、心に響く。そして浅田美代子。嫌な女。下世話な話し方、下品な雰囲気、いやな目つき。だけど、俗っぽさが妙なリアリティーを生み出していて、自分の中にもこの女みたいなところあるなって、気付かされてしまう。差別とか、色眼鏡とか、ほんと人間の汚い面を見せられて、辛くなるけれど、だからこそそれに向き合って、考えないといけないんだって、思わせてくれる作品。樹木希林の存在が、どーんとこの話の底辺に横たわっているから、最後までしっかりと観ることができるのかな。
本当に、非のうちどころのない映画だと個人的には思うが、「あん」っていうタイトルだけが、少しばかり違和感感じるのは私だけだろうか?毎日練り続ける魅惑のあんこもだけど、めちゃくちゃ美味しそうな皮も、主役にならないのか?いっそのこと、タイトルがどら焼きだったら良かったのにな。
それはさておき、こんな作品を鑑賞してしまうと、樹木希林という女優さんの損失は日本映画界にとってダメージ大きすぎると改めて感じる。