ゾッキ

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ゾッキのレビュー・評価・感想

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ゾッキ
4

邦画好きでも好みが分かれる

竹中直人、山田孝之、齊藤工が監督のゆるい雰囲気の映画です。
オムニバス形式ですが、各ストーリーに登場する人物が別のストーリーの人物に影響を与えながら物語が進んでいきます。影響を与えるといっても、道ですれ違ったり同じ店を利用したりする程度の浅い関係なのですが、それがリアルな人間の縁を感じさせてくれます。
ストーリーのひとつひとつも「ありそうでなさそう」な絶妙なラインです。
例えば、「初めてできた親友が誰かの噂で耳にしただけの自分の姉に恋をしている。自分に姉はおらず、誰かが適当なことを言っただけだが、親友を失うことが怖くて姉がいるという嘘を貫くことになってしまう」といった話。
完全にありえないとは言い切れない妙に現実味のあるストーリーと突飛なコメディセンスが魅力だと思います。

特徴的なカメラアングルで、映像として見ているだけでも面白いです。ロケ地となった蒲郡の風景も素敵です。実際の町がそのまま使われると、より一層現実感が増します。しかし技術が高いばかりにストーリーの難解さが際立ち、ちぐはぐな印象も受けます。個人が撮影したフィルム映画だと思えばハイクオリティーです。

不思議なシナリオとシュールなギャグゆえにかなり好みが分かれる映画です。