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2bkatushi_nawataのレビュー・評価・感想

チェンソーマン / Chainsaw Man
10

チェンソーマン

これまでのジャンプ作品とは一味違った作風で、第1話を読んだときの衝撃が忘れられません。デンジの「ジャムが塗られたパンを食べ、誰かに抱きしめられながら眠りたい」というささやかな望みさえ踏みつぶされそうになった衝撃の第1話でしたが、この話を読んだ時点で最終話まで読み進めることを即決しました。
デンジはスラム街で虐待されたり搾取されながら生きてきたせいか、達観した物の見方をします。そのあっさり観というかカラっとした雰囲気がいいんですよね。常に今を生き抜くために必死であるという、何か動物的な力強さを醸しだしている異色の主人公です。倫理観や道徳観もぶっ飛んでいて、ジャンプ作品のテーマである「友情・努力・勝利」とかけ離れた位置にいるデンジなので、読み進めるたびに想像の斜め上に話が展開していくし、急にアクセル全開で話が急展開するので目が離せません。
そんなデンジだけれど、おバカで明るくて根は本当に優しいので、ポチタは彼のことが大好きなんでしょうね。デンジはマキマに対して母性愛のようなものを求めていますが、マキマはデンジには一切の興味を持ちません。デンジの感情はそのせいで空回ったり宙ぶらりんになっていて、その不安定さをマキマは彼を支配するために利用します。でもそれが最後にマキマの弱点になってしまうんですよね。

アダプテーション
7

変わった話が見たいときに見る

自分自身の脚本づくりをネタにしてしまうってのが面白いなと思いました。さすが、マルコヴィッチの穴の人です。中に、双子の弟が出てきて、ちゃんとその人もエンドクレジットに入れていて、粋だなと思いました。そして、映画ですごい設定にされている原作者と蘭の愛好家も実在の人物だったことにも驚きました。怒りません?あんな役回りにされたら…。なんか面白い人たちが、これおもしろいからいいじゃんってシャレで作ったような映画です。でも、ちゃんと脚本家の苦悩も描かれていて、ただのコメディではない感じでした。蘭の愛好家の話ってたしかに映画脚本にするの難しいそうです。ストーリーがない、ちょっと学術書っぽいイメージがあります。役者陣もすばらしくて、ニコラス・ケイジは、双子役で一人二役なのですが、違う人に見えたし、メリル・ストリープはさすがの貫禄だったし、クリス・クーパーも彼とは思えぬ荒んだ人物を演じていておもしろかったです。最初、何の話をしているのかよくわからないつくりになっているのですが、あとでどういうことか、わかって面白くなっていく感じです。マルコヴィッチの穴も変な話だったけど、今回も変な話だったなあとこの脚本家さんのファンになりました。変わった映画を見たいときにおすすめの作品です。

ニューヨーク・ニューヨーク
8

ニューヨークの夜のドラマをジャズ・サックスを背景にオシャレに描く『ニューヨーク・ニューヨーク』

『ニューヨーク・ニューヨーク』は、1977年の米国の音楽劇映画です。監督はマーチン・スコセッシ、脚本はマーディック・マーチンとアール・マック・ラウチで、原作はラウチの小説です。この作品はジョン・カンダーやフレッド・エブの新作音楽、ジャズのスタンダードを配した、スコセッシの故郷ニューヨークへのトリビュートであり、主演はロバート・デニーロとライザ・ミネリ。2人は音楽家とその恋人を演じています。ストーリーでは先ず、ジャズのサックス奏者(デニーロ)とポップ歌手(ミネリ)が恋に落ちて結婚するまでが描かれて、その後サックス奏者の怒りっぽい性格が故に、2人の関係は緊張し続け、子どもができた後で、結婚生活が暗礁に乗り上げます。最終的に2人のキャリアは別々の道を歩むことを示唆します。
1945年の対日戦勝利の夜、ニューヨーク市のナイトクラブでは大規模な祝賀会が開かれていて、音楽を奏でるのはトミー・ドルセイ楽団。自分勝手で一方的に話しまくるサックス奏者のジミー・ドイル(デニーロ)が歌手フランシーヌ・エバンス(ミネリ)と出会います。フランシーヌは寂しがり屋なのですが、ジミーとは特別な関係にはなりたくなかったのですが…