チェンソーマン
これまでのジャンプ作品とは一味違った作風で、第1話を読んだときの衝撃が忘れられません。デンジの「ジャムが塗られたパンを食べ、誰かに抱きしめられながら眠りたい」というささやかな望みさえ踏みつぶされそうになった衝撃の第1話でしたが、この話を読んだ時点で最終話まで読み進めることを即決しました。
デンジはスラム街で虐待されたり搾取されながら生きてきたせいか、達観した物の見方をします。そのあっさり観というかカラっとした雰囲気がいいんですよね。常に今を生き抜くために必死であるという、何か動物的な力強さを醸しだしている異色の主人公です。倫理観や道徳観もぶっ飛んでいて、ジャンプ作品のテーマである「友情・努力・勝利」とかけ離れた位置にいるデンジなので、読み進めるたびに想像の斜め上に話が展開していくし、急にアクセル全開で話が急展開するので目が離せません。
そんなデンジだけれど、おバカで明るくて根は本当に優しいので、ポチタは彼のことが大好きなんでしょうね。デンジはマキマに対して母性愛のようなものを求めていますが、マキマはデンジには一切の興味を持ちません。デンジの感情はそのせいで空回ったり宙ぶらりんになっていて、その不安定さをマキマは彼を支配するために利用します。でもそれが最後にマキマの弱点になってしまうんですよね。