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1wlacicafeのレビュー・評価・感想

MARS(漫画) / マース
8

内容も繊細だけど、漫画のタッチもすごく繊細な作品です。

惣領冬美さんのMARSは、1996年から別冊フレンドに掲載されていました。
主人公は、内気な女の子である麻生キラと、そんな彼女とは正反対な性格の樫野零です。
過去に色々あり、男性恐怖症になっていたキラですが樫野の無邪気さに惹かれて付き合うようになります。
人気者の樫野と付き合うことでクラスの女子から嫌がらせを受けたり、幼馴染の元カノが現れるなどの波乱が起こりますが、二人で乗り越えていきます。
幸せに高校時代を過ごしていたのですが、いよいよクライマックスというところで桐島という男が現れます。
この男、過去に犯罪を犯したことがあるのですが、自分が樫野と同類だと言い、キラを恨んで殺そうとします。
物語の最後で手に汗握るラストがまっている読者を飽きさせない展開が続いています。
重めの内容ですがお互いの好きという気持ちがぶれることなく、突き進んでいく二人が幸せになったラストは涙がでます。
内容がとても深く、少女漫画とは思えないほど男女のあり方を考えさせられる作品です。
また、作者である惣領冬実さんは美大卒の画力に優れた漫画家です。
一度読むとわかるのですがどの角度からもぶれないデッサンと、絵のタッチには安心感と感動を覚えます。

インターステラー / Interstellar
8

難しいけどおもしろい

地球の寿命が尽きかけており、移住可能は星を探しに行く男の話です。
なんだか難しいことも言っていて、よくわからないところもあったのですが、逆に科学的に正しい感じがして、リアルでした。
話の展開も読めず、おもしろかったです。地球がいかに奇跡の星かがわかります。
もし、この先、住めなくなったらどうしたらいいのか、と思います。
そのとき、他の星を探す科学力はあるのでしょうか。
ブラックホールの表現とか、氷の星とか映像もすごくて、この映画の本気度を感じました。
話も頑張るお父さんの話でよかったです。
父が帰ってこれるかもわからない任務につくなんて、そりゃあ、娘さんもおこります。
とても寂しくて、悲しかっただろうなと思います。
でも、父からしたら娘からのメッセージビデオとかほしいし、少しでも長く顔を見て痛いだろうにぬとこっちもグッときました。
また、科学の話だけど、本ぽいっていうか、時々詩を読んだり、読書好きな人も楽しめる作品なのではないでしょうか。
映画には見たあと、考察がしたくなるものがあるけど、本作もそれ系でした。
やっぱり、一度見ただけでは、宇宙のことはわからなかったです。
これはこういう理論に基づいているとか、今の宇宙研究のこととか調べたくなる作品でした。

ミッドサマー / Midsommar
8

今までにない新しいホラー。奇妙の極み。

オカルト的な要素満載のホラーです。お化けは一切出てこない、舞台はほとんど美しいスウェーデンの草原です。ほとんど日中のシーンです。それなのに、終わりから始まりまで、なんとも言えない奇妙な気持ちでいっぱいです。約3時間という長い映画ですが、時間はあっという間に過ぎましたね。

主人公ダニーが、両親と妹を亡くすところから物語が始まります。ダニーの彼氏クリスチャンが友人たちとスウェーデンの奥地で開催される伝統的な儀式に参加するために、ホリディ中、スウェーデンに飛ぶのですが、まさかまさかです。
日本版予告で、「明るいことが、こんなにも恐ろしい」といったフレーズがあったのですが、本当にその通り。これまでのホラー系ムービーでは、だいたい不気味さ演出のための薄暗い場所、さらにパラノーマルアクティビティなどでは、真っ暗な場所のシーンがメインですよね。そのためか、個人的に、夜暗くなると人気の少ない場所や森などを歩くのには抵抗を感じています。夜=怖いものっていう無意識の中にあるイメージが確立していました。なので、この映画を見たとき、序盤でいけそうだなといった感じだったのですが。。。
明るいからこそ、自分の中で矛盾が起こり、あれ?何が起こってるという奇妙な気持ちになります。

とにかく、これまでのホラーに飽きている人は、ぜひ見てください。
ダニーの泣く演技がすごくて、ざわざわとした不安な気持ちにあなたを誘うでしょう。
そして、個人的にスウェーデンの人はこの映画を見てどう思うのか気になりましたね。